BTSのRMとファレル・ウィリアムスの対談が、米ローリングストーン誌の名物企画「Musicians on Musicians」で実現。2人のスーパースターが互いの本音を交えながら、BTSとファレルのコラボなど様々な事実を明らかにした。

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今や世界一ビッグなバンドとなったBTSのメンバーたちにとって、ナーバスなファンからヒーローと崇められることは日常の一部だ。しかし、9月上旬のある日、貸し切られたロサンゼルスのMuseum of Contemporary Artのホールで、グループのリーダーであるRMはひどく緊張していた。「自分にとってのアイドル」である存在を前に、アーティストとして歩んできた道のりについて語ることに、RMは笑顔を浮かべて「恥ずかしささえ感じる」と語っていた。

老いを知らず、今でも肌がツルツルなファレルは、レザーのジャケットにマッチした革のショーツとブーツという服装で、ダイヤモンドを散りばめた右手首のジュエリーの数々を揺らしながら、リラックスした様子で他愛のない話を数多く披露していた。一方、Bottega Venetaのブラウンのダブルのスーツに身を包んだRMは口数がやや少なく、用意していた数多くの質問を頭の中でアレンジしているように見えた。


RMとファレル・ウィリアムス 2022年9月15日、ロサンゼルス現代美術館(MOCA)で撮影
PHOTOGRAPH BY MASON POOLE FOR ROLLING STONE. RM: COAT, SUIT, AND SHOES BY BOTTEGA VENETA. WILLIAMS: JACKET AND SHORTS BY MIU MIU. BOOTS BY RIER. JEWELRY IS WILLIAMS OWN.

2人が生まれ育った場所と時代は、それぞれ大きく隔たっている。80年代にヴァージニアビーチで育ち、ヒップホップの黎明期からメインストリームとなるまでの過程を見届けたファレルは、ザ・ネプチューンズの片割れとして名を馳せ、ソロとしてもシーンの鍵を握る存在となった。一方、RMがソウル郊外で過ごした幼少期の時点で、ラップは既に世界的に人気を獲得していた。Nasやエミネムはもちろん、Epik High等のローカルグループの台頭は、韓国のキッズたちの音楽に対する情熱を育んだだけでなく、当初アンダーグラウンドのヒップホップ界を自身のフィールドと捉えていたRMが、紆余曲折を経てBTSのメンバーとなるきっかけを作り出した。

両者に共通するのは、ステージに立つだけでなく裏方としても活躍している点だ。BTSの楽曲制作とプロデュースに加え、RMは韓国の数多くのアーティストに楽曲を提供している。ウィリアムスはクリントン政権の時代以来、アーティスト活動とプロデュース業を比類なきバランス感で両立させ続けている。2022年だけをとっても、ケンドリック・ラマー、プッシャ・T、ロザリアの楽曲をプロデュースする一方で、自身も21サヴェージとタイラー・ザ・クリエイターを迎えたシングル「Cash In Cash Out」を発表している。

この対談が実現する前から、ファレルとRMはタッグを組んでいた。ファレルは最近、ニューアルバム用の楽曲をリモートでBTSと共作したことを明かした。取材の時点でRMはソロアルバムのリリースを控えており、ファレルは対談中に同プロジェクトに関する魅力的なオファーを提示した。この対談から数週間後、BTSのレーベルHybeは、メンバーが兵役義務に従事することと、2025年に再集結するまで他のメンバーはソロ活動に専念することを発表した。RMは今回の取材で、彼自身とBTSがプライベートとキャリアの両面で岐路に立っていることを明かした上で、何度も自らを再発明しながら20年以上に渡って孤高のキャリアを築いてきたファレルに、臆することなく率直なアドバイスを求めていた。

ファレルに訊きたかったこと

RM:まず最初に、あなたの(2006年発表のソロ曲)「Take It Off (Dim the Lights)」について話をさせてください。僕はあの曲をプレイリストの1つに入れているんですが、アマチュアだった頃に韓国語に訳した上でレコーディングしたこともあるんです。

ファレル:本当かい! すごいね。

RM:今でこそジャンル分けは無意味だけど、当時のラッパーは歌ったりオートチューンを使うラッパーを批判する傾向があったと思うんです。あなたは歌うしラップもするし、客演でフックだけを歌うこともあります。パフォーマーとして他のアーティストの楽曲にゲスト参加する場合、あなたは自身をどのように位置付けているのでしょうか?

ファレル:驚いたな。不思議に思うかもしれないけど、その質問をされたのはこれが初めてだよ。俺はあくまでフィーリングに基づいて決断するようにしてる。ルールや常識じゃなくてね。

RM:ラップすべきか、それとも歌うべきかを。

ファレル:というよりは、曲が何を必要としているかだね。俺はそれを形にするためにベストを尽くす。なぜならそれは、自分より優れた誰かへの挑戦だからなんだ。ある曲をこのボーカリストに歌わせるべきだと提案した時に、「いや、君にやってほしい」って言われることは多い。俺には何が必要かが分かっていて、その役目に相応しいのが自分じゃないと思ってる。でもそういう気持ちでレコーディングに臨むと、説得力のないものになってしまうんだ。例えば、昔ミスティカルの曲に参加したことがあるんだけど…

RM:もしかして!

ファレル:そう、「Shake Ya Ass」だ。あの曲はチャド(・ヒューゴ)と一緒にプロデュースした。あの曲のフックを書いた時、テンプテーションズのエディー・ケンドリックスが適任だと思った。だからそう提案したんだよ、彼に歌わせようってね。でも「ダメだ。レコード会社は君にやってもらいたがってる」って言われた。それで自分で歌うことになったんだけど、俺はあの時初めて気づいたんだ。自身のエゴや感情を排除し、イメージした存在に自分を重ね合わせ、ただ曲が求めているものに身を委ねてこそ、自分の本当の才能が発揮されるってことにね。

「責任」「プレッシャー」との向き合い方

RM:BTSとして、僕たちは国連本部を訪れ、バイデン大統領と対面する機会にも恵まれました。そんなことが現実になるとは夢にも思っていませんでしたが、僕らは自然な流れで、アジアのコミュニティの代弁者になったと思っています。僕は常に「その役割を担う存在として、自分はふさわしいのだろうか」と自問しているんですが、どこか胸を張ってイエスと言えない自分がいて。あなたはコミュニティへの奉仕活動を積極的に行なっていると伺ったのですが、誠実さとモラルが求められるその責任について、あなたはどのように考えているのでしょうか?

ファレル:俺が慈善活動に取り組む時は、必ず何かしらの背景があるんだ。俺は馬鹿げたことを口にして後悔したこともあるし、一部の人々に悪影響を与えたレコードを作ったこともある。そういう経験を経て、俺は物事について異なる見方をするようになったんだ。俺は非営利団体を立ち上げて、社会における無関心に立ち向かおうとした。それは無知な自分自身を戒め、教育するっていう意味もあったんだよ。そうじゃない場合は、今まさに君が言ったことが動機になっているんだ。「自分にそんな資格があるのか?」「自分はそういう立場にいるべき存在なのか?」っていう疑問が湧く時こそ、俺は積極的にそういう活動に取り組むようにしてる。そうすることで疑問に対する答えが見つかることもあるし、毎晩ゆっくり眠れるようになる。今の自分の立場やファンからのサポートを享受する資格について自信が持てなくなる時や、何かしらネガティブな思いに駆られる時、そうすることで気持ちが上向くんだ。


PHOTOGRAPH BY MASON POOLE FOR ROLLING STONE. WILLIAMS: BOOTS AND PANTS BY BOTTEGA VENETA. RM: JACKET, PANTS AND SHOES BY BOTTEGA VENETA.

RM:自分の中にある混乱や馬鹿げた考えが、少しでも人生をいい方向に向かわせ、ファンに夢を与えられる存在に近づくきっかけになればいいなと思っています。

ファレル:一般の人々には理解できないこともあるからね。君には無数のファンがいて、10万人のファンを前にした時に……。

RM:それは集団でしかなく、一人一人の表情は認識できない。

ファレル:凄まじいエネルギーが自分に向けられていて、君は「ジャンプしよう」と声をかける。

RM:みんなが一斉にジャンプする。

ファレル:思いっきりね。そして君が歌うと、みんな一字一句間違えることなく合唱する。その空気の振動を通じて、君は自分の行動が目の前の人々の人生に大きな影響を与えていることを実感する。そういう状況にどう対処すべきなのか、俺には想像もつかないよ。俺自身もそういう曲をいくつか作ったし、それをステージ上で歌う時、責任の重さに耐えきれなくて泣いてしまうんだ。そういう状態に近づくたびに、俺は条件反射的に一歩引いてしまう。

RM:それはなぜ? 重すぎるから?

ファレル:そう、ヘヴィすぎるからだよ。責任の重圧に耐えられなくなるんだ。だから俺は、君や君のバンドのメンバー、ビヨンセ、ジェイ・Z、カニエといった存在を心から尊敬している。毎晩のようにステージに立ち、あのプレッシャーを経験するなんて、俺には到底できない。それをこなすには、途方もなく強靭な精神が必要だろうから。君に敢えて聞きたいんだけど、ステージで全身に電流が流れるような興奮を経験した後、どうやって気持ちを沈めているんだろう?

RM:僕が初めてステージに立ったのは15歳の頃で、客が10人くらいの小さなクラブだったんですが、歌詞の大半を忘れてしまって。その時こう思ったんです。「僕はスターになるタイプじゃない。カート・コバーンやミック・ジャガーのような、どんな状況にも動じないフロントマンにはなれない」って。僕はただ曲を書くのが好きな、普通の人間でしかないんです。

例えば去年(2021年)の4月、ラスベガスのスタジアムでコンサートを開催したんです。4デイズだったんですが、毎晩異なる課題に直面しました。最初の3曲を歌い終えた後、僕ら全員もどかしくなってイヤホンを外した時に、「遂に戻ってきたんだ」って実感したんです。そこからの2時間半、僕には異なるペルソナが宿り、文字通り別人になっていました。でもその状態になるまでは、リハーサル中でも飛行機の中でも、僕は途方もなくナーバスになっていたし、ものすごく大きなプレッシャーを感じていました。ブラジルや日本、韓国など、世界中のファンがチケットを買って集まってくることを知っていたので。たった一晩のために。

だからこそ、その思いに応えないといけないと思いました。人生で最高の体験を提供しないといけないって。理屈じゃ説明できないし、とてつもないエネルギーに慄くこともあります。僕は普通の人間で、すごく緊張するし、落ち込むこともあれば、途方もないエネルギーに飲み込まれてしまいそうになることもある。それでも僕がやめないのは、やっぱり音楽が好きだからなんです。ファンが向けてくれる愛もそう。愛は受け取るよりも、誰かに対して向ける時に真の力を発揮すると思うから。だからこそ、僕は受け取った愛をみんなに返したい。みんながいなければ、韓国の小さな街で育った僕らが、ラスベガスやロサンゼルス、ニューヨークという音楽業界の中心地にたどり着くことはできなかった。僕が今こうしてあなたと話せているのも、世界中にいるファンのおかげだから。常に感謝の気持ちを忘れずにいたいし、絶対にみんなを失望させたくないんです。

ソロ活動について、ファレルの助言

―BTSは現在、Sugaが言うところの「オフシーズン」(活動休止という正確でない解釈が広まってしまった)にあり、各自がソロ活動に専念しています。RM、先ほどの発言でも少し触れていたと思うのですが、あなたはBTSが方向性を見失いつつあると感じているのでしょうか?

ファレル:俺も目的意識が持てずに、すごく悩んでいた時期があったよ。

RM:それはいつのことですか?

ファレル:2006年頃かな、『In My Mind』をリリースした時だよ。あのアルバムは俺の思ったような結果をもたらさなかった。カルチャーにはインパクトを与えたけど、俺自身のエゴを満たしてくれることはなかった。当時の自分にできるはずだったことを成し遂げられなくて、ひどく落胆したんだ。それがきっかけで、俺は表層的なものじゃない根源的な目的意識と、どこまでもピュアなDNAを持つ物事について考えるようになった。それはエゴイスティックなものではなくて、人々が共感でき、喜びをもたらすものじゃないといけなかった。まぁ俺は一貫して女の子のことが大好きだから、それが常に自分の一部であることは確かだね(笑)。

だから君の気持ちはわかるつもりだよ。理由が何であれ、キャリアのある時点でそういう問題に直面した時の気持ちをね。君の言ったことと俺自身の経験を踏まえた上での推測だけど、君らは「自分は何をしているのか? 自分は何者なのか? かつて誇っていた自分は今も存在しているのか?」と自問しているんじゃないのかい?

RM:その通りです。

ファレル:君自身が考える自分と、君にとっての意義と意図も、理想とする自分の定義に影響を与える。君はどう思っているんだい? 自分はその過程のどこにいると思う? というのも、君は今ソロアルバムを作っていると聞いてるから。

RM:そうです、アルバムは9割方完成しています。BTSがアクティブだった頃にもミックステープをいくつか出したんですが、あれは実験的なものに過ぎなかったので、今回の作品が自分の正式なソロアルバムだと位置付けています。でも実際には、チームとしてデビューアルバムを発表した時から、ほぼ10年経っていて。K-POPの世界はバンドやグループが基本なんです。既に触れましたが、僕はラッパーであり詩人としてキャリアをスタートさせました。実のところ、それが引っかかっているんです。というのは、K-POPというのはアメリカのポップスはもちろん、ビジュアルや韓国の文化、ソーシャルメディア等を飲み込んだ総合的なものだから。すごく濃密で複雑で、当然長所もあれば短所もあるんです。

10年活動を続けてきて、決してそれが目的ではなかったけれど、僕らは社会的責任を負う立場になり、それを引き受けてきました。K-POPのバンドでありながら、国連本部に招かれたり大統領と面会したりする中で、僕は疑問に感じ始めたんです。「僕は一体何なんだろう、外交官にでもなったつもりか?」って。

ファレル:うん、わかるよ。


PHOTOGRAPH BY MASON POOLE FOR ROLLING STONE. JACKET BY MIU MIU

RM:昔の僕は単なるラッパーで、無名のリリシストに過ぎなかった。それだけに、チームとしてやってきたこの10年間は本当に濃かった。ほぼすべての取材に対して、僕はチームの代表として応じてきました。それが自分の役割だと思っていたので。でも何ていうか……こう思ったんです。「しばらくの間、この環境から離れたい。一旦距離を置いて、先のことはそれから考える」。そうすることで、自分が冷静になっていくのがわかりました。それで、自分のソロ(アルバム)に集中できるようになったんです。

最近、あなたの曲を初めて聴いた時の感覚やヴァイブス、そして自分がなぜ活動を始めたのか、なぜ音楽を選んだのか、そういうことについてよく考えていて。僕は14歳の時に音楽をやり始めて、今は28歳です。つまり、まだプロセスの途中なんです。すごく複雑で困惑しているし、未来への不安も感じていて。だからこそ、K-POPとは違うシーンだけど、N.E.R.D.やネプチューンズからソロ活動まで、様々なプロジェクトを並行して進めてきたあなたの考えを聞かせてほしいんです。何かアドバイスはありますか?

ファレル:ネプチューンズやN.E.R.D.のメンバーとしての活動もソロ活動も、俺にとっては全部不可欠だったんだ。ある1つのことに没頭したら、一旦しばらく距離を置く。その間に別のことに挑戦し、それもある段階で一度ストップさせる。そうすることで、自分のいろんな側面を試すことができるんだ。だから君の気持ちはわかるし、新たな挑戦が君にとってプラスになると信じている。ソロ活動を経た君が再びグループの一員になる時、その経験は必ず……。

RM:チームに還元される。

ファレル:そう、すごく新鮮な気持ちで再スタートできるはずだ。君のソロアルバムにはどういうプロデューサーが参加しているの?

RM:レーベルの専属のプロデューサーたちと作ったものもあれば、外部のプロデューサーを迎えたものもあったりと、柔軟なスタンスなんです。あなたはチャドと共作することもあれば、単独で手がける場合もあるし、大変に違いないと推測しているのですが。

ファレル:彫刻作品を作っている時のミケランジェロのような感じかもしれない。憶測でしかないけど、彼は全体像を意識しすぎず、ただ無心で岩を削り続けていたんじゃないかと思うんだ。俺のアプローチも同じなんだよ。これでいいと思える時点に達するまで、ひたすら音を重ねたり削ったりするわけだから。でも自分一人で完成させることができないと思ったら、その時は誰かにヘルプを求めるようにしている。昔はエゴが邪魔をすることもあったけど、今はエゴよりも大切にすべきものを理解しているからね。

RM:それは何ですか?

ファレル:楽曲そのものだよ。少しでも曲が良くなるなら、できることは全部やる。それが今の俺の考え方なんだ。「これクールじゃん、受けそうだ」みたいなスタンスじゃなくてね。ただ受けるだけじゃ不十分なんだよ。立ちはだかる壁を破壊し、あらゆる人を熱狂させるようなものじゃないと、俺はもう満足できないんだ。一部の人々じゃなく、誰しもが興奮するようなものを作りたい。夜のニュース番組で取り上げられるようなね。まさにBlock on Fireさ。

RM:あらゆる人を巻き込んでヒートアップするBlock on Fire、B.O.F.か。クールなブランド名にもなりそうですね。

ビジュアルアートから得てきたもの

RM:グループではなくソロとして活動している今の自分は、チャプター1と2の狭間にいると感じているんです。そこには(ビジュアル・)アートなど、音楽以外の選択肢も含まれていて。時々、「もしも音楽が好きじゃなくなってしまったら」っていう想像をして怖くなることがあるんです。僕はアートも大好きだけど、やはり同じものではなくて。

ファレル:そうだね。

RM:別物なんです。悲しいけれど、音楽って本当にありふれているから。音楽はもう僕にとって一番大切なものではないのかもしれない、そんな風に感じて怖くなるんです。

ファレル:わかるよ、でもそれは一時的なものさ。

RM:そう思いますか? あなたにそう言われると、すごく勇気づけられます。

ファレル:断言してもいい。君はいつか必ず、「自分にはやっぱりこれしかない」と思うようになる。


PHOTOGRAPH BY MASON POOLE FOR ROLLING STONE. JACKET, PANTS AND SHOES BY BOTTEGA VENETA

RM:あなたはビジュアルアートやファインアートからどんなインスピレーションを得ていますか?

ファレル:視覚や嗅覚、味覚、運動感覚、そして聴覚という、人間が備えている感覚は基本的に全部同じものだと俺は思ってる。食べ物の甘みや酸味っていう特性は、味覚だけじゃなく嗅覚で認識することもできる。視覚の場合は、それぞれを愛おしさや切なさに置き換えることができる。聴覚なら、耳に心地いいものをスウィートだと感じ、そうじゃないものに対しては顔をしかめたくなるかもしれない。俺がタイプの異なるいろんなアーティストと仕事をするのは、相手の感覚を理解できた瞬間に喜びを覚えるからなんだ。その人物にとって何がSweetで何がSourなのか、そういうことを把握した瞬間にね。

RM:僕の場合、優れた音楽を聴くと興奮するけれど、嫉妬心を抱いてしまうこともあって。奇妙に思うかもしれないけど、それがものすごく辛い時もあるんです。ビジュアルアートに関しては、僕はあくまでアウトサイダーでいたいから、線の一本さえ引かない。ただのマニアックなファン、愛好家なんです。だから絵画や彫刻を目にすると、余計な感情を挟まずに純粋に楽しむことができて、その事実に安堵するんです。

ファレル:素晴らしいね。

未来へ進むために必要なこと

RM:今後はどんなプロジェクトが控えていますか?

ファレル:今は自分名義の作品を作ってるよ。タイトルは『Phriends』で、そのvol.1さ。君たち(BTS)に参加してもらった曲も収録される。本当は明かしちゃいけないんだけど、君らが歌ってくれたあの曲のことは本当に気に入ってるから、とても感謝しているよ。

RM:あの曲は僕もすごく気に入っています。

ファレル:マジで最高だよ。

RM:同感です。

ファレル:曲を聴いた人はみんな、口を揃えて「やべぇ」って言ってる。

RM:納得ですよね。

ファレル:文句のつけようがないね。リリースが待ち遠しいよ。君はソロアルバムが90%仕上がってるって言ってたけど、もし残り10%に俺が参加できる余地があるのなら……必要ないかもしれないけどさ。

RM:15年間、僕はあなたと仕事をすることを夢見てきました。

ファレル:君がその気なら、ぜひ実現させよう。

RM:お願いします。

ファレル:アップテンポなものがいいかい? それがハマりそうだ。

RM:本当に光栄で、感謝の気持ちでいっぱいです。

RMは昨年12月にソロアルバム『Indigo』をリリース

―ファレル、最後にRMへのアドバイスをもらえますか?

ファレル:前に進み続けること、それだけだね。常に好奇心を持ち、どんな選択肢も排除してしまわないこと。「もう2度と音楽はやりたくない」「もう絶対に……」そういう姿勢からは何も生まれないから。

RM:未来を自ら閉ざしてしまわないように。

ファレル:その通り。肩肘を張らずに、ただ進んでいけばいい。

RM:流れに身を任せて。

ファレル:そうさ。どこに辿り着くのかは分からない、それが面白いんだ。

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From Rolling Stone US.

PRODUCTION CREDITS

Production by XAVIER HAMEL FOR BRACHFELD. Photography direction by EMMA REEVES. Fashion direction by ALEX BADIA. RM: Hair by HAN SOM. Makeup by KIM DA REUM. Styling by KIM YOUNG JIN. Williams: Styling by MATTHEW HENSON. Tailoring by DAVID VLATO. Styling assistance by BREAUNNA MATTHEWS. Photography assistance by REID CALVERT. Digitech: STOWE RICHARDS. Lighting assistance by COLIN JACOB.

Artwork by CARLOS CRUZ-DIEZ. Cromosaturación, 1965/2012, painted drywall, fluorescent lights, and colored plastic, 50-5/16 x 24-1/4 x 13 ft. Joint acquisition of the Museum of Contemporary Art, Los Angeles, and the Hirshhorn Museum and Sculpture Garden. Purchased by the Museum of Contemporary Art with funds provided by the Acquisition and Collection Committee; purchased by the Hirshhorn Museum and Sculpture Garden with the Joseph H. Hirshhorn Purchase Fund, 2012. © Atelier Cruz-Diez, Paris/Bridgeman Images. With thanks to the team at MOCA: JOHANNA BURTON (Maurice Marciano Director), CLARA KIM (Chief Curator & Director of Curatorial Affairs), EVA SETA (Communications Director), MONICA ROACHE (Associate Director of Events and Rentals) and SERGIO RAMIREZ (Director of Security and Maintenance).