「EDの初期症状」はご存知ですか?医師が監修!

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EDは男性特有の病気であり、誰しも一度は、将来かかってしまうのではないかと不安を感じてしまう病気です。

しかし、EDは年齢問わず発症する可能性のある病気であり、若い方でもかかる可能性があります。

そのため、初期症状をあらかじめ知っておきたいと考えている方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、EDの初期症状について解説します。EDの原因や改善方法・治療薬の特徴についてもご紹介するので、参考にしてください。

EDの初期症状


そもそもEDがどのような病気なのかわからない方も多いのではないでしょうか。自分がEDかどうかを確認するためには、どういった症状が現れるのかを把握することが重要です。ここでは、EDの初期症状についてご紹介します。

挿入に十分な硬さがない

初期症状としては、挿入に十分な硬さが無いことが挙げられます。これは、陰茎に十分な血液が流れていないために起こる症状です。勃起は、性的刺激を受け、陰茎海綿体に一気に血が流れ込み海綿体が固くなることで起こります。
しかし、この血流が十分でない場合、勃起力が失われてしまうのです。十分な硬さが無い状態を放置しておくと、症状はどんどん進行します。次第に、挿入できない硬さになっていく可能性もあるため、注意が必要です。

性行為に満足感がない

性行為に満足感がないという感覚も初期症状のひとつです。男性の性行為の満足感とは、射精後の満足感となります。この満足感が得られない理由としては、残尿感があることや気持ちよくないといった気持ちの問題も関わります。
また、精子の量が少ないなど、何らかの原因で十分な射精が行われていないために、満足感を感じられないケースも多いです。満足感という感覚の問題ではありますが、こちらの症状も放置しておくと症状が進行する可能性があります。射精そのものができなくなる場合や、泌尿器系の病気が発症・悪化している場合もあるため、注意が必要です。

性欲が薄れてきている

性欲が薄れてきていると感じた場合、これも初期症状のひとつです。性欲が薄れる理由としては、加齢によるものや生活の中で性欲が減退しているなどが考えられます。しかし、自分でも気づかないストレスや他の病気の影響でEDが発症し、性欲が薄れている可能性もあります。
気持ちの問題と割り切ってしまいがちですが、この症状も放置してはいけません。症状が進行し、ますます性欲がわかないなどの重症化を招く可能性があります。

EDの原因


EDの主な初期症状をご紹介しましたが、なぜEDは起こるのでしょうか。その原因は、年代ごとでも異なり、若いからこその理由や高齢だからこその原因があります。ここでは、年代ごとの発症する原因をご紹介するので、自身の年齢と照らし合わせて確認してみてください。

20代でEDを発症する原因

EDの原因は、まず次のような4つの分類に分けられます。

心因性

器質性

混合性

薬剤性

心因性とは、不安・プレッシャー・うつなどの精神的な問題が関係するタイプです。また、心因性の中でも、現実心因深層心因に分けられます。現実心因は、仕事などの日常のストレスから引き起こすもので、誰にでも起こる可能性があります。深層心因とは、日常生活でのストレスではなく、性的なトラウマや幼少期の体験で発症するタイプです。無意識であるため、原因がわかりづらいことが特徴です。これらの精神的なストレス・不安から発症するものを心因性と呼びます。器質性は、血管・神経・男性ホルモンなどの身体的な問題が原因となって発症するタイプです。これらの身体的な問題は、肥満・生活習慣病・慢性腎臓病などによって引き起こされます。これらの病気を患っていると、血管や神経の働きが悪くなります。
運動不足や喫煙など、生活習慣が乱れている方も、血流が悪く病気を引き起こす可能性が高いです。これらの病気が、勃起に欠かせない血流や男性ホルモンなどを低下させることで、EDを発症します。混合性は、心因性と器質性の両方が重なって起こるタイプです。この病気のほとんどが、精神的な問題と身体的な問題が複雑に重なって発症します。何かしらの病気を患って、不安に思うあまりに発症するというメカニズムです。薬剤性は、薬の副作用によって発症するタイプです。20代で発症する原因として最も関係が深いのは、心因性となります。年齢が若いため、身体的な問題よりも精神的な問題による発症が多いです。性行為の経験が少ない男性の場合、本番で上手く勃起しないなどを経験し、それがトラウマとなってそれ以降も十分な勃起力を得られないことがあります。20代では、こういった心因性によるものが最も多い傾向です。

30代でEDを発症する原因

30代で発症する原因としては、20代同様に心因性によるものが最も多いです。しかし、理由は同じではありません。30代では、20代のころと違い、妊活のプレッシャーがかかることが大きな要因となっています。パートナーとの話し合いの結果、妊活を行うと決めていても、プレッシャーは感じてしまうものです。
その結果、自慰行為では問題ないのに、パートナーに対してだけ勃起力が得られないなどの問題を起こすケースも珍しくありません。また、30代は少なからず生活習慣病のリスクも増えていく年代でもあります。そのため、混合性によるものも少なくありません。

40代でEDを発症する原因

40代となると、発症する要因には器質性が増えてきます。20代でピークを迎える男性ホルモンの分泌ですが、30代で徐々に減少し、40代ではさらに低下します。
また、この年代は、高血圧・脂質異常症・糖尿病などの生活習慣病のリスクも生じるケースが多いです。これらの生活習慣病にかかると、動脈硬化を生じて血流が上手く流れなくなります。これによって十分な勃起力が得られなくなるのです。

50代でEDを発症する原因

50代で発症する原因としては、40代以上に器質性が大きく関係します。50代ともなると、40代の頃よりもさらに男性ホルモンが低下し、生活習慣病にかかることも少なくありません。
加齢に加えて、生活習慣病などにかかると、血管が硬く・もろくなっていきます。このような状態の血管には、十分な血液が流れ込みにくくなります。陰茎海綿体に、十分な血流が送り込まれないため、十分な勃起が得られなくなってしまうのです。

60代以降でEDを発症する原因

60代以降で発症する原因としては、器質性・混合性・薬剤性などさまざまな原因が関係します。まず、加齢が大きくかかわります。年齢を重ねると、血管・神経の機能が著しく低下する傾向です。また、男性ホルモンの分泌量も大幅に落ちてしまいます。
しばらく性行為をしていないことで、自信が持てないなどの精神的な不安も感じることも少なくありません。さらに、持病の治療のために薬を服用している場合、その影響で勃起機能が阻害されることもあります。60代以降では、このような複数の原因が密接に重なり合って、発症していることが多いです。

EDの改善方法


年代ごとでさまざまな原因によって発症する病気ですが、きちんと対処を行えば改善させることは不可能ではありません。対処法としては、薬の服用と生活習慣の改善です。ここでは、具体的な改善方法をご紹介します。

EDの治療薬の処方

治療薬を使う方法は、大きく改善につながるでしょう。主な治療薬の種類は次の通りです。

バイアグラ

レビトラ

シアリス

バイアグラは、治療薬の中でも最も有名な薬であり、最初に誕生した薬でもあります。実績も豊富なことから、有効性・安全性共に高い薬です。一方で副作用が多いことや、食事の影響を受けやすいなどの特徴があります。服用後、1時間程度で効果を得られる点が特徴です。レビトラは、硬さを求める方に効果を発揮してくれる薬です。他のどの薬よりも硬く勃起してくれるでしょう。また、30分程度で効果が表れる速さも特徴です。
ただしレビトラも、バイアグラほどではないですが、食事の影響を受けます。また、硬くなりすぎて感度が鈍ると感じる方も多いようです。シアリスは、36時間の効果持続時間が特徴の薬です。また、食事の影響を受けません。そのため、服用のタイミングを選ばず使いやすい点が特徴です。服用後1時間程度で効果を得られ、副作用も多くありません。

生活習慣の改善

治療薬を使うだけでなく、生活習慣の改善をすることも効果の高い方法です。先述した通り、この病気の原因には、精神的な問題以外にも身体的な問題が大きくかかわります。その中でも生活習慣病は、非常に大きな要因です。肥満・喫煙など生活習慣が悪いと、動脈硬化などを引き起こします。
その結果、血行不良などを起こし、この病気を招く可能性が高いです。30代以降の方は、器質性による発症が増えてくる傾向です。そのため、生活習慣で思い当たる原因があるのであれば、それらを改善するようにしましょう。具体的な方法としては、食生活の改善・適度な運動・禁煙が挙げられます。

EDの初期症状を感じたら早めの対策が大事


初期症状であれば問題ないと感じる方もいるかもしれませんが、初期症状を自覚したのであれば、早めの対策が非常に大事です。最初は十分な硬さが得られないなど、軽度な症状から始まります。しかし、放置をすると、徐々に進行して勃起ができない状態になる可能性があります。精神的な問題が原因の場合でも、徐々に悪化して性欲がわかなくなってしまうこともあるのです。悪化を防ぐためには、早期に対策することが重要です。また、初期症状の発見・治療が、他の病気の発見につながることもあります。
糖尿病やメタボリックシンドロームのような生活習慣病・循環器系疾患・高血圧などは、EDと関連が深い病気です。そのため、初期症状の発見・治療が、今まで気づかなかった病気の発見に繋がる可能性があります。早期発見できれば、治療も進められ、勃起力改善の可能性も高まるでしょう。

EDの初期症状に関するよくあるQ&A


この病気の初期症状は、人によってさまざまです。目立った症状でない場合もあり、原因をはっきりと確定することが難しい病気でもあります。そのため、あらゆる情報を把握して、早期発見・治療をできるようにしておきましょう。ここでは、初期症状に関するよくあるQ&Aをご紹介します。

EDになりやすいタイプはありますか?

この病気になりやすいタイプは、次のようなタイプの方です。

精神的なストレスを感じやすい方

生活習慣病のリスクが高い方

高齢の方

精神的なストレスが原因となって発症するケースは、若い方を中心に多いです。20代では性行為の少なさから来るプレッシャー、30代では妊活のプレッシャーなど、さまざまな理由がストレスの理由となります。また、生活習慣病を患っている方や、リスクのある方は血管・神経・男性ホルモンの働きが悪くなっている可能性があります。これにより、精神的なストレスを感じて、混合性になることも少なくありません。高齢の方は、身体機能の衰えから血管の働きが悪くなっている方も多いです。このようなタイプの方は、なりやすいといえるでしょう。

受診のタイミングはいつが良いですか?

受診のタイミングは、初期症状を感じた場合や、異変を感じたらすぐに受診しましょう。早期発見・治療は、重症化だけでなく、他の病気の早期発見につながる可能性があります。糖尿病や高血圧などは、早期発見が大事な病気です。未然に防ぐための手がかりにすることができるかもしれませんので、些細なことでも異変を感じた場合は、すぐに医療機関に受診すると良いでしょう。

EDの治療薬に副作用はありますか?

どの治療薬にも、少なからず副作用はあります。主な副作用は次のような症状が代表的です。

頭痛

顔のほてり

消化不良

動機

めまい

これらの症状は、一般的には軽度なものです。治療薬には血流を促進する効果があり、これが全身に及ぶために、上記のような副作用が発生します。また、筋肉の緊張が緩まり血管を広げる効果もあります。これらの効果が全身の筋肉にも作用する場合があるため、副作用が起きるのです。これらの副作用は一過性のものであることがほとんどですが、長く続くようであれば医療機関に相談しましょう。
また、稀に視神経症や突発性難聴などの重篤な副作用が起こる場合もあります。このような異変を少しでも感じた場合も、早急に医療機関を受診する必要があります。

編集部まとめ


EDは、あらゆる年代の男性に起こりうる病気です。初期症状であっても、早期に発見できた場合は、すぐに医療機関に相談しましょう。

そのまま放置すると、糖尿病などの重篤な病気によって引き起こされている場合、それらの病気の重症化を招きます。

また、ED自体の悪化の可能性もあるため、注意が必要です。原因・症状・治療方法など、正しい情報を抑えて、予防・発症に備えましょう。

参考文献

EDの原因とタイプ(日本新薬株式会社)