家を新築する際、「リビングは日当たりのいい南向きがベストだ」と思い込んでいた日刊住まいライター。しかし、ハウスメーカーの設計担当者が提案したのは、リビングを北側に配置した間取りでした。実際に5年間暮らしてみると、「暗い、寒い」は無用の心配だったと実感。むしろ、メリットを多く感じています。採用した吹き抜け窓と好相性。間取りや日中の様子を詳しく紹介します。

吹き抜け窓を採用して明るさを確保

北側リビングで気になることといえば、室内が暗くなってしまうのではないかということ。筆者宅のリビングは吹き抜けということもあり、吹き抜け窓からしっかりと光が入り、暗さを感じることはありません。

北側リビングは、直射日光が入らないので1日を通してとてもやさしい明るさを楽しむことができます。とくに夏場は暑さを避けて、さわやかな青空を窓から楽しめるのは、大きなメリットだと感じます。お気に入りの家具や床の日焼けもありません。

 

ダイニングキッチンを南側に配置できた

リビングを北側に配置したので、ダイニングキッチンを南側にすることができました。ダイニングキッチンがある照明をつけなくても、朝から明るい空間で1日をスタートできます。

また庭に出る掃き出し窓があるので、外で子どもたちが遊んでいる様子をキッチンから見守りながら昼食の準備ができるし、バーベキューのときに食材をすぐに運び出せるというメリットもあります。

リビングでの時間も大切ですが、同じようにダイニングやキッチンにいる時間も長いので、どちらの部屋も快適になったのは、結果的にとてもよかったです。

 

プライベート感が高まる

わが家のリビングの窓は、吹き抜けの高窓と横長のスリット窓のみ。外からのぞかれることもありません。ですから、ソファでくつろいでいるときも、まったく視線が気にならず落ち着きます。なお庭との出入りは、ダイニングに掃き出し窓を設けたので問題ありません。

わが家の北側は通りに面していないこともあり、道路からの音も気にならず、住宅が隣接した地域でもリビングのプライベート感を高めることができました。ソファに横になると、高い位置にある窓から雲の流れを見ることができ、とても穏やかな時間を過ごせます。

エアコンとシーリングファンで、冬も快適

北側リビングで吹き抜けということもあり、来客があると「冬は寒くないのか?」とよく質問されます。わが家の暖房は、エアコンだけで床暖房はありません。しかし、しっかりと暖気を攪拌(かくはん)できるようにシーリングファンを設置しています。

2階の寝室につながる吹き抜け部分には、小さな室内窓をつけるだけに。なるべく壁を多くしたこともあり、エアコンだけでも快適に過ごせています。

 

北側リビングにネガティブなイメージを持つ方もいるかもしれません。しかし、設備や窓の配置を工夫することで、わが家の場合は、寒さや暗さにまつわる弱点をかなりカバーできています。筆者も、この家に住む前と住んでからでは、北側リビングのイメージが大きく変わりました。