14年の工事を経ていよいよ新幹線が走り始めました。

一番列車が長崎駅を出発


長崎駅に停車する新幹線「かもめ」(乗りものニュース編集部撮影)。

 2022年9月23日(金祝)、西九州新幹線の武雄温泉〜長崎間が開業。部分開業という形ですが、特急「かもめ」で2時間かかっていた博多〜長崎間が、特急「リレーかもめ」+新幹線「かもめ」の乗り継ぎにより1時間半に短縮されるようになりました。

 一番列車は、長崎駅を6時17分に発車した「かもめ2号」武雄温泉行き。武雄温泉駅では、佐世保初の特急「みどり2号(リレーかもめ)」と対面乗り換えとなります。

 反対方向では、車両基地を出て新大村駅を6時20分に発車する「かもめ101号」長崎行きが一番列車です。博多からは、6時ちょうどに出発した「リレーかもめ1号」と、それに武雄温泉駅で接続する新幹線「かもめ1号」がやって来ました。

 長崎駅で実施された出発式では、JR九州執行役員の古宮洋二 代表取締役社長があいさつ。早朝にも関わらず、ホームには多くのファンらが集まり、一番列車を見送っていきました。

 西九州新幹線は1973(昭和48)年の「全国新幹線鉄道整備法」で示された構想路線から「計画路線」に選定され、事業が開始。2008(平成20)年に先行区間として武雄温泉〜長崎間が着工し、14年の工期を経て開業に至りました。九州での新幹線開業は、2011(平成23)年の九州新幹線博多〜新八代間の開業以来、11年ぶりのこととなります。

 西九州新幹線「かもめ」の停車パターンは3つ。各駅停車(1日25本)と、「嬉野温泉のみ通過」(1日12本)および「嬉野温泉・新大村を通過」(1日7本)の各速達列車です。全列車が諫早駅に停車し、ノンストップ列車はありません。最高速度は260km/hで、武雄温泉〜長崎間を最速23分で結びます。

 一番列車のきっぷが発売開始後10秒で売り切れるなど、関心の高さがうかがえます。JR九州の広報担当者は試乗会の際に「九州へ旅行に来たお客様が、『長崎にも寄っていこう』とプランを立てやすくなる心理的距離になり、人の行き来がより活発になればと願っています」と話していました。