働き方改革の推進やコロナ禍によるテレワークの増加などによって、地方移住に注目が集まっています。さまざまなメリットがある地方移住ですが、気になるのは住みやすさや土地との相性。移住前には、その地方の情報収集が欠かせません。

今回は、移住先の中でも人気が高い新潟県にスポットを当て、地域ごとの基本情報や新潟県ならではの魅力についてご紹介。受けられる移住支援など、具体的なメリットについても解説します。

新潟県の基本情報

まずは、新潟県の地理や気候など、基本的な情報から見ていきましょう。

面積

新潟県の面積は12,584平方キロメートル。北海道、岩手県、福島県、長野県に次いで、日本の都道府県で第5位の広さを誇ります。
なお、新潟市の面積は726.45平方キロメートル。県庁所在地・政令指定都市として、交通や経済の要衝となっています。

人口

2022年1月1日時点での新潟県の人口は、推計約217万人。47都道府県の中で15番目に人口が多い県です。1997年にピークを迎えて以降、ゆるやかな減少傾向にあります。また、年齢別の人口推移を見ると、少子高齢化が顕著です。

これを受け、新潟県では地方創生のための「新潟県総合計画~住んでよし、訪れてよしの新潟県~」を改めて策定。若い世代が住みやすく、働きやすい地域を目指した取り組みを進めています。

気候

日本海に面した新潟県は「豪雪地帯」のイメージが強いものの、新潟市などの平野部では、生活に支障が出るほどの積雪量となることはほとんどありません。

降水量は雪が降る冬場に増加しますが、一年を通して見るとピークは7月中旬です。梅雨の到来は6月下旬ごろと、関東よりも遅くなります。また、降水量が増える冬は日照時間が少なくなりますが、夏は東京を上回る月があります。

新潟市は、付近の都市と比べて年間気温が比較的高いのも特徴です。気温が下がる冬も、平均気温が零下になることはほとんどありません。また、夏は関東と同じくらい暑くなります。

産業

2021年6月1日現在の、新潟県における産業の概況は以下の通りです。

産業別で見ると、卸売業や小売業がもっとも盛んで、次いで製造業、医療・福祉も大きな割合を占めています。

出典:令和3年経済センサス 活動調査 速報集計結果 新潟県の概要

また、国内随一の産出額を誇るのがお米。魚沼産コシヒカリなど、人気のブランド米が多数作られています。米が原料の米菓の出荷額や、日本酒などの酒蔵の数も、同様に日本一となっています。

また、特色豊かな伝統工芸品や金属の洋食器、ニット、精密加工品など製造業もさかんで、「ものづくり」に長年取り組む老舗企業が多いのも特徴です。近年では、IT・情報通信系の企業も活躍しています。

新潟県の地域区分

新潟県は、大きく上越・中越・下越・佐渡の4つの地域に区分されます。それぞれの特色を見ていきましょう。

上越地域

県の西部に位置する上越地域は、上越市・糸魚川市・妙高市の3市からなります。

中心都市である上越市は、上杉謙信ゆかりの土地として知られており、点在する史跡や景勝地のなかには、映画の撮影場所になったところも。一方で商業施設や公共施設も充実していて、自然豊かで住みやすい地域として人気です。

中越地域

新潟県中部に位置し、長岡市・三条市・柏崎市・魚沼市などがあるのが中越地域です。南部の山間地域は国内有数の豪雪地帯として知られていますが、長岡市などでは消雪設備が配置されるなど、積雪への対策が進んでいます。

関越自動車道の利用で東京から4時間弱、上越新幹線を利用すれば約90分でアクセス可能です。

下越地域

県の北東部にある下越地域は、新潟市・新発田市・村上市・燕市などからなります。本州の日本海側で唯一の政令指定都市である新潟市があり、新潟県の経済・政治・文化の中心地域です。

また、県内でも有数の穀倉地帯として知られる越後平野があるため、米をはじめとする農作物の生産もさかんに行われています。

佐渡地域

日本海にありながら比較的温暖な佐渡島

新潟の西方約45キロメートルに浮かぶ佐渡島は、対馬暖流の影響で日本海側でありながら暖かく積雪量も少ない、気候に恵まれた過ごしやすい地域です。平成の大合併により、佐渡島全体が佐渡市となりました。

新幹線と高速船を利用すれば東京から約3時間半~4時間とアクセスが良く、特別天然記念物として知られる野生のトキが生息する、豊かな自然も魅力です。

新潟県の住みやすさ

新潟県の基本情報や、各地域の特色が分かったところで、どんな点が新潟県の住みやすさなのかを具体的に見ていきましょう。

都市と自然の融合

大きな都市がありながら、豊かな自然にあふれている(写真は苗名滝)

新潟県の大きな特徴の一つが、都市と自然が融合されている点です。新潟市のような発展した都市がありながら、豊かな自然に恵まれています。

四季折々の風景が美しい山々や渓谷、海は景勝地として知られるだけでなく、スキーや海水浴などレジャースポットも人気です。日本一の面積を誇る水田や棚田など、のどかな田園風景も見られます。

新潟市では、大都市と田園都市、双方のメリットを享受できる「田園型政令都市・新潟」というビジョンを掲げ、特色を生かしたまちづくりを目指しています。

交通アクセスの良さ

新潟は、日本各所や海外へのアクセスの良さも魅力です。

たとえば、鉄道なら上越新幹線や北陸新幹線、JR信越本線、JR磐越西線などが乗り入れており、新幹線を利用すれば新潟駅~東京駅を1時間40分で移動できます。

また、関越自動車道や北陸自動車道、日本海東北自動車道など、自家用車やバスでの移動に便利な高速道路も充実しています。

さらに、新潟空港からは札幌、成田、名古屋、大阪、神戸、福岡、沖縄、ソウル、上海、ハルビン、台北、ハバロフスク、ウラジオストクなど、国内外のさまざまな地域へのダイレクトアクセスが可能です。

食べ物がおいしい

新潟県は日本一の米どころ

新潟県は、さまざまな山海の美味が手に入る土地でもあります。

代表的な農作物として、まず挙げられるのは米でしょう。米作りの理想的な条件に恵まれた新潟は、作付面積・収穫量で日本一を誇ります。日常的においしいお米が食べられるのは、新潟ならではの魅力といえるでしょう。また、野菜や肉の生産もさかんで、日本海に面しているため新鮮な魚介類や水産加工品も手に入ります。

米の生産地であることから日本酒の老舗酒造も多数。歴史ある食文化が楽しめるのも新潟の特色です。

本当に住みやすい街大賞2022i n北陸で多くランクイン

「ARUHI presents本当に住みやすい街大賞2022 in北陸」では、新潟県の駅が数多くランクインしています。商業施設や医療施設の充実ぶりや交通アクセスの良さ、自然に恵まれた点など、「田園型政令都市」ならではの特徴が高い人気を呼んでいるようです。

第1位 小針(新潟市西区)
第2位 亀田(新潟市江南区)
第4位 長岡(長岡市)
第7位 大形(新潟市東区)
第9位 新潟(新潟市中央区)
第10位 見附(見附市)

新潟県の移住支援

新潟県への移住を考えている人に向けての公的な支援はどのようなものがあるのでしょうか。主だった支援制度3つを紹介します。

最大100万円の移住支援金

新潟県では、一定の条件を満たして東京圏から県内に移住した人に対し、単身で最大60万円、2人以上の世帯で最大100万円の移住支援金を支給する制度を設けています。

転出元の居住地域や就業場所・期間や、転入先、転入時期などを確認し、条件に当てはまる場合は、転入先の市町村で申請手続きが可能です。

参照:新潟県 【移住支援金】東京圏から新潟県へ移住した方に最大で100万円を支給します

移住モデル地区定住促進住宅支援事業

地域主体の移住・定住への取り組みを新潟市が認定し、支援対象に指定した地区を「移住モデル地区(HAPPYターンモデル)」と呼んでいます。

2022年8月時点での指定地域は、新潟市の秋葉区金津里山地区。新潟県外から移住する人に、引っ越しや住宅にかかる費用の一部が助成されます。

参照:新潟市 移住モデル地区定住促進住宅支援事業

お試し居住施設

「住んだことのない地域にいきなり移住するのは不安」という人におすすめなのが「お試し居住施設」です。新潟移住への第一歩として、その土地での暮らしを格安で体験できます。

お試し居住施設は、上中下越から佐渡まで幅広く用意されています。家具・家電付きの物件が多く、Wi-Fiが完備されたワーケーション・リモートワーク向けの物件、農業体験ができる物件など、さまざまな特色があります。

参照:にいがた暮らし お試し居住施設

まとめ

新潟は、経済や交通が発展した都市と豊かな自然や田園地帯の特徴、そして文化や歴史が融合した、住みやすく魅力的な移住先です。「本当に住みやすい街大賞2022 in北陸」で数多くの駅がランクインしていることからも、その人気ぶりがうかがえます。

また、移住に際しては県や市などから補助金が受けられる場合もあるので、併せてチェックしてみましょう。