渋滞中の高速道路、隣の車線は流れている……とばかりに、車線変更を頻繁に繰り返すクルマが見られます。果たして効果はあるのでしょうか。

渋滞中の車線変更、意味はある?

 渋滞中の高速道路、隣の車線は流れている……とばかりに、車線変更を頻繁に繰り返すクルマが見られます。こうした車線移動で、到着時間は変わるのでしょうか。


渋滞のイメージ(画像:photolibrary)。

 NEXCO中日本八王子支社は、2022年8月のお盆前、ツイッターでいくつかのドライブの注意事項とともに、次のように発信しています。

「ジグザク運転は、所要時間が殆ど変わらないばかりか、全体の流れが悪くなり、渋滞を悪化させてしまいます。また、渋滞内での事故の危険もあり、事故が起きるとさらに酷い渋滞につながります」

 自然渋滞で、ICの合流などが関係しない場所であれば、どの車線を通行しても通過時間に大差はない――別のNEXCO関係者もこう話していました。

 もちろん渋滞の混雑度も状況により異なり、びっしり車列が連なったノロノロ渋滞もあれば、遅いながらも流れている場合もあります。後者のケースほど、車線変更は多くなりがち。ICの合流部などでは合流車を避けようとして、さらに車線変更するクルマが増え、追越車線側に集中しがちです。

 これが、渋滞を引き起こす大きな原因になっているのです。そこでNEXCO各社は、渋滞中の車線変更の抑制だけでなく、走行車線を走る「キープレフト」も呼びかけています。

 NEXCO東日本関東支社はこれまで、渋滞の原因となりやすいIC付近などで、走行車線の利用を促す実験を行ったり、“本設”の対策として、関越道下り線の東松山IC付近では、左側車線に車線変更の抑制を期待する緑の線を連続して引いたりしています。

 これまで実験では、車線の利用率が平準化されることで、渋滞時間、渋滞長とも大きく減少したという実績もあります。