国内初導入の新たな「旅客機の着陸進入法」どんなもの? 乗客にもメリットアリ! HACが採用
乗っててすぐわかる…というわけではないですが、これはスゴイ!
衛星を活用
JAL(日本航空)グループで北海道を拠点とするHAC(北海道エアシステム)が、札幌丘珠空港、釧路空港、奥尻空港、利尻空港の着陸時に、衛星を活用した新たな進入方式「LPV」を導入しました。この方式が採用されるのは、国内では初めてのケースといいます。
HACの旅客機(乗りものニュース編集部撮影)。
LPV進入方式とは、衛星GPSなどから送られる位置補正データを活用し、航空機が進入方向と降下角度のガイダンスを受けながら滑走路への進入を行う運航方式です。通常、大きな空港ではあれば「ILS(計器着陸装置)」をはじめとする、空港の滑走路から発せられる電波を用いて着陸進入ができ、悪天候で視界がわるいときでも安全に着陸が可能です。
一方、離島空港などではこういった「精密進入機器」が設置されていないこともあり、こういった場合悪天候時に他空港のように着陸できないといったケースがありました。今回HACが導入した「LPV進入方式」では、こういったケースでも従来よりも低い高度まで降下し着陸可否の判断が可能となるため、就航率向上などにつながり、旅客の利便性向上が期待されます。
LPV進入は海外では実用化されているものの、日本で実用化するためには、LPVを用いた飛行に関する新たなルールづくりと運航会社に対する航行許可が必要だったそう。HACでは、ルールづくり段階から国土交通省と連携して取り組んできたほか、航空機購入段階から将来的に日本においても導入される可能性があると推察し、LPV関連機器の航空機への装備を予め完了していたとのことです。