なぜエンジンを“不思議な場所”に設置? 「革命的設計」エンブラエル新型旅客機、その全貌とは
ジェット機ではよく見ますが、これをプロペラ機でやるのか…。
リア・ターボプロップ機…なぜ?
2022年7月に開催されたファンボロー航空ショーにあわせ、ブラジルの航空機メーカー、エンブラエルは、開発を進めている新型航空機プロジェクトについての公式ムービーを、同社公式SNS上に投稿しました。同社はこの機を「革命的な設計(revolutionary in design)」とうたっています。
エンブラエルが公開した「ENERGIA H2 FUEL CELL」のイメージ。画像は2021年に公開されたもの(画像:エンブラエル)。
エンブラエルが開発を進めているのは、プロペラ推進のターボプロップ旅客機の次世代モデル。「最大150席程度の民間機市場に新たな風を吹かせる」と紹介するこの機には、斬新な設計が施されています。プロペラが胴体最後部にある「リアエンジン機」なのです。
エンブラエルでは2021年にこの機の開発原案を公開したときから、「リアエンジン」のスタイルを採用しています。ただし、「リアエンジン機」はジェット機などでは一般的ではあるものの、プロペラ機の場合、まず見られないユニークな仕様です。
これについて過去に、エンブラエルの商用航空事業のCEO(最高経営責任者)アルジャン・マイヤー(Arjan Meijer)氏が公式Twitterで、「(リアエンジンのターボプロップ機とすることで)従来機よりも高速で、運用コストが低いほか、客室内の騒音を低減できる」とコメントしました。今回発表された新型機も、このコンセプトを踏襲し、客室の快適性を向上のための取り組みと見られます。
エンブラエルはこの新型航空機プロジェクトについて公式SNS上で、こういった「革命的な設計」のほか、「完璧な持続可能性をもち、旅客へは比類ない快適性を提供するものだ」といった趣旨の紹介をしています。