77回目の原爆の日が近づいてきました。ホームテレビでは連日「被爆地からのメッセージ」と題して特集をお送りします。

1回目は山崎菜緒アナウンサーの取材です。

実は山崎アナは2007年に「こども代表」として平和記念式典で「平和への誓い」を読み上げました。

「平和への誓い」には、広島市の小学6年生の思いがこもっています。山崎アナが今年のこども代表に会ってきました。

山崎アナ「こんにちは」

アレックス君「こんにちは」

今年のこども代表に選ばれた、バルバラ・アレックス君は幟町小学校6年生。父親がイタリア人で母親は日本人です。

2歳の時、イタリア・ミラノから日本に移住してきました。

アレックス君「学校で平和学習するだけじゃなくて、自分から発信することもやりたいなって」

同級生「授業中に進んで発表してくれる」「6年3組に必要な人材」「盛り上げ役」「8月6日も頑張ってね」

こども代表はずっとアレックス君のあこがれでした。

アレックス君「(式典当日)結構緊張はしましたか?」

山崎アナ「当日はすごく緊張しました。直前の練習で頭が真っ白になって何も言えなくなっちゃって。本番は緊張しなかったかな」

こども代表の対象は、広島市立の小学校に通う6年生です。

平和についての作文を1万人以上の小学生が応募します。

山崎アナ「作文にはどんなこと書いたの?」

アレックス君「最初に『パーチェ』っていうイタリア語で平和という意味の言葉を紹介して、戦争の愚かさを忘れないために、平和の尊さとか『パーチェ』を広げていくことを伝えました」

応募された作文は各学校が3点以内にしぼり、広島市教育委員会に提出します。

集まった約400人の作文から20人が選ばれ、6月の意見発表会で大賞をとった2人が代表になります。

大賞受賞後のアレックス君「自分から行動を起こしたいって言ったんですけど、その行動の第一歩になれてとてもうれしい」

6月末、20人が再び集まり「平和への誓い」に盛り込みたい内容について話し合う会議が行われました。

ここで出た意見をもとに広島市教育委員会が約1週間かけて誓いの文章をまとめます。

山崎アナ「(平和への誓いは)どんな内容になってほしい?」

アレックス君「日本人でも外国人でも誰もが分かる平和への誓い」

3年前、ローマ教皇が38年ぶりに訪れた平和公園。アレックス君もその場所にいました。

アレックス君は幼い頃から教会のミサで司祭を手伝う侍者をしています。

幼いころから知る幟町カトリック教会・荻喜代治主任司祭「自分で考えている平和についてアピールしてくれるということは、世界中の色々な人たちにも平和の大切さが伝わっていく時じゃないかと思っています」

アレックス君は大人だけでなく子どもの心にも残る誓いを読み上げたいと言います。

アレックス君「ローマ教皇も皆に戦争の愚かさとか核兵器廃絶を伝えているので、僕たちも伝えていかなきゃいけないっていうところで重なっていると思います」

広島の子どもたちの平和への願い。8月6日に世界の人々の心に届けます。