井上尚弥選手(写真:アフロ)

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プロボクシングの世界バンタム級3団体王者・井上尚弥(大橋、29)をチリメディアが絶賛した。「emol」(WEB版)は2022年7月19日に井上の特集記事を公開。井上を世界最高のボクサーと評し、幼少時の父とのエピソード交え井上のボクシング人生を振り返った。

タイソン氏「井上はパッキャオより優れている」

井上は12年10月のプロデビュー以来23戦無敗で、そのうちKO・TKO勝利は「20」を数える。14年4月にWBC世界ライトフライ級王座を獲得すると、その後スーパーフライ級、バンタム級を次々と制し世界3階級制覇を達成。今年6月にはノニト・ドネア(フィリピン、39)を2回TKOで破り世界バンタム級3団体王座を統一した。

記事では井上は非の打ちどころのない戦績を持っているとし、今日のボクシング界のパンド・フォー・パウンド(PFP=階級を超えた最強ランキング)のベストだと主張。さらに進化し続ける井上を「貪欲な鬼のようだ」と表現し、ボクシングスタイルに関してはスピードがあり攻撃的で鉄のパンチが相手を酸素不足にさせると評した。

歴代世界王者の中において井上の力がいかに突出しているかを元世界ヘビー級統一王者マイク・タイソン氏のコメントを引用して解説した。

タイソン氏は過去に自身のポッドキャスト番組「ホットボクシング」で井上について語っており、記事によるとタイソン氏は「井上はマニー・パッキャオよりも優れている」と評価し、「井上はストレート、フック、アッパーカットの左右どちらのパンチでもKO出来る」と述べたという。

バトラーとの年内開催目指し交渉中

マニー・パッキャオ氏(43)は元世界6階級制覇のフィリピンのレジェンド。パッキャオ氏は米国のリングで世界トップ選手と激闘を繰り広げ世界的人気を博し、15年に行われたフロイド・メイウェザーJr(米国)との対戦は大きな話題を呼んだ。

また、幼少時の父・真吾さんとのエピソードを紹介。井上がボクシングを始めるきっかけとなったのはアマチュアボクサーだった真吾さんだが、真吾さんが井上にボクシングを強要したことはなく自然とボクサーの道を歩むようになったと伝えた。

世界4団体王座統一を目指す井上の次戦はWBO王者世界バンタム級王者ポール・バトラー(英国、33)との対戦が見込まれる。現在、両陣営が交渉のテーブルにつき日程、開催地、ファイトマネーなどの条件面で話し合いが行われているとみられ、年内開催を目指している。

井上は次戦に向けて6月28日に練習を再開したことをSNSで報告。一方のバトラーはプロモーション契約を結ぶ「プロベラム」が公式サイトを通じて7月上旬に練習を再開したことを明かし、「完全な練習を始める前にフィットネスの基盤を築いている」と現状を報告した。