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うまくコミュニケーションできないことからくる孤独感、低い自己肯定感、SNSによる誹謗中傷やバッシングなど、今、生きづらさをかかえる人が増えています。そんな中にあって、毎日を心安らかに、快適に過ごしていくためには、どうすればいいのでしょうか? 発達障害(ADHD)、うつ病など、生きづらさを抱えながらも精神科医として活躍するバク先生は、ツイッターでのつぶやきが共感・絶賛され、今、人気急上昇中。そんなバク先生の初の著書『発達障害、うつサバイバーのバク@精神科医が明かす 生きづらいがラクになる ゆるメンタル練習帳』(ダイヤモンド社)の中には、生きづらさを解消するための実践的なヒントが詰め込まれています。本連載では、同書の中から心がスッと軽くなるアドバイスをお届けします。

自分の親切心や正義感だけで、
相手の心の柔らかい部分に踏み込まない

 家族間の問題というのは、第三者がかかわれないし、かかわるべきでない領域があることをまず知ってください。

 自分が家族の問題を抱えている人は、詳細を知らない第三者にあれこれ言われたらイラッとするでしょうし、あなたが第三者として誰かの家族関係に口を出しているなら、大きなお世話と言われても当然なので今すぐやめるべきです。

 たとえば、親子や兄弟といろいろなことがあり、絶縁状態という人がいたとしましょう。

「家族なんだから、話し合えば理解し合えるよ」と、仲を取り持とうと考えるのは、絶対やめましょう。これは、ご自身が身内と絶縁状態という選択をせざるを得なかった人であれば、同意していただけることかと思います。

 仲を取り持とうという提案は、もちろんあなたなりに相手のことを思ってのことでしょうが、この行動で想像通り親子兄弟が涙の再会をして一件落着、めでたしめでたし……となることは、ほぼありません。

 そうならないどころか、下手をすると「何でそんな余計なことをするんだ!」と相手との仲もこじれて、絶縁になることすらありえます。それくらい深刻な問題なのです。

 基本的に「家族は話し合えば誤解も解けて、皆幸せになれる!」と考える人の家庭は、割と幸せであることが多いです。

 家族と幸せな関係を築いた人には、家族間で憎悪し合っている関係を理解できないというか全く想像できません。

 前述しましたが、人間は社会とうまくやっていくために、様々な仮面を被って他者とかかわっています。自分に起こったことを全て他人に話している人は、この世にいません。

「え、あの人は私に全部話すねって言いましたよ」と思うあなたは、とってもいい人ですが、人を信用し過ぎているとも言えます。

 中には、ひどい虐待(経済的、精神的、性的など様々)を受けたり、虐待とは認定されなかったにせよ、他人に容易にふれられたくない辛い痛みを抱えたりしている人もいます。

 そんな人に「その気持ち、わかるよ」なんていう言葉をかけることは、さらにその傷をえぐる行為でしかありません。そんな言葉一つで解決するような、単純な問題では決してありません。

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