ひっ迫する電力需給への対応として、NEXCOや首都高が道路施設の節電方針を打ち出しました。そのひとつがトンネル照明の減灯ですが、もともとトンネル内では一部ランプが消えていることがあります。「節電」とどう違うのでしょうか。

トンネル照明を一部減灯

 ひっ迫する電力需給への対応として、NEXCO東日本や首都高速道路が2022年7月1日に相次いで節電の取り組みを表明しました。社屋や事務所、SA・PAにおける照明の間引きや空調の省エネ設定などを実施するとしています。


ところどころ照明が点灯していないトンネルの例(乗りものニュース編集部撮影)。

 道路本体でも節電が実施されます。たとえば、首都高が実施しているレインボーブリッジなどにおける景観照明の点灯取りやめ、トンネル照明の減灯などが打ち出されています。

 ただ、トンネル内の照明は、もともと一部ランプが点灯していないケースがあります。これは節電が目的ではありません。

 トンネルの照明はただ内部を照らすだけでなく、ドライバーの目の順応に配慮する目的もあります。出入口付近で外の明るさに近づけるなどして、急な明暗の変化によるまぶしさを感じないようにしているのです。一般的にトンネル内部ほど暗くなりますが、外の天候や、トンネル内部の状況によっても調整されます。

 今回は両社とも、安全に影響のない範囲でトンネル照明を減灯するとしていますが、NEXCO東日本は火災や事故などの非常時には実施しないといいます。

 首都高速道路はトンネル内減灯の時間帯を15〜20時としています。これは、電力ひっ迫注意報や、資源エネルギー庁からの節電要請で示される、特に需要の多い時間帯を考慮したもの。これまで明るさ調整のためにランプを一部消灯していたところ、本当に節電目的で消灯するケースが出てきそうです。