横浜市の中古マンション平均価格、エリアによって2倍以上の差! 市内でお買い得なのはどのエリア?
横浜市は神奈川県の県庁所在で経済・文化の中心であり、中華街、赤レンガ倉庫などの観光スポットも豊富です。各種の住みたい街ランキングで上位にあがることが多い人気のエリアでもあります。今回は不動産情報サイトのアットホームのデータから、横浜市の中古マンションの市場動向についてレポートします。
実は川崎市、さいたま市よりマンションの平均価格が安い横浜市
横浜市は人気の高いエリアですから、さぞかしマンション価格も高いのだろうと思われがちですが、横浜市全体の平均価格は3,425万円。県内の政令都市である川崎市の3,802万円より安く、横浜市同様に首都圏の県庁所在地であるさいたま市の3,630万円と比べても若干安くなっています。ただ、千葉市の2,412万円よりはかなり高い水準です。人気のエリアながら価格水準はさほど高くなく、全般的にはお買い得エリアと言っていいのかもしれません。
ただ、一口に横浜市と言っても市域が広く、エリアによる価格差が大きいのが特徴です。特にJR京浜東北線などが通る横浜駅やみなとみらいのある西区、官庁街や横浜港などがある中区のマンション価格が最も高く、郊外に行くほど安くなります。図表1にあるように、西区の4,704万円に対して瀬谷区は2,299万円と、最も高い西区と最も安い瀬谷区とでは2倍以上の差があります。
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供給の多い西区と中区が価格のトップ争い
2022年4月の横浜市全体の平均価格は3,425万円ですが、最も高いのは西区の4,704万円で、次いで中区が4,648万円となっています。
図表1でも分かるように、2021年4月の平均価格をみると、西区が4,376万円に対して、中区は4,604万円と中区のほうが高くなっていました。超高層マンションや大規模マンションなどの人気が高く、価格が高い物件が出るかなどによって、両区の順位が変動するほど価格面では拮抗(きっこう)しています。
西区はJR京浜東北線などが通る横浜駅からみなとみらいなどを中心とするエリアで、特にみなとみらいエリアでは大規模な超高層マンションが増えています。中区は横浜市役所や神奈川県庁などの官庁街、横浜中華街、山手などの観光地もあるエリアで、早くからマンション開発が盛んで、マンションストックが多いエリアと言っていいでしょう。
2022年4月末の中古マンションの登録件数をみると、東急東横線が通る日吉駅やJR横浜線や東海道新幹線の新横浜駅周辺などの開発が活発な港北区の820件には及ばないものの、中区が678件、西区が635件と供給の多いエリアになっています。
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日吉駅
新横浜駅
瀬谷区の中古マンション価格は1年前に比べて14.2%上昇
西区、中区に次いで高いのが都筑区の4,338万円で、前年同月比10.4%と大幅にアップしています。港北ニュータウンがあり、市営地下鉄のブルーラインとグリーンラインが交差する都筑区は、利便性の高まりと同時に住宅地としての人気も高まり、マンション供給が増え、中古マンションのストックも多くなっています。
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一方、中古マンション価格が横浜市で一番安い区は瀬谷区で、2022年4月の平均価格は2,299万円でした。横浜市の中でも最も西側に位置する瀬谷区は、中心部からやや離れているうえ、公共交通機関の鉄道路線は相鉄本線だけなので交通アクセス面がいまひとつですが、東急東横線などとの乗り入れも進んでおり、今後は注目度が高まるかもしれません。
将来性が期待できることもあるからか、1年前の相場と比べて前年同月比14.2%も高くなっています。今のうちに先物買いしておくという選択肢もありではないでしょうか。
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築古マンションなら築浅の6割から7割で買える
中古マンション価格は、建築後の経過年数によっても大きく異なります。
横浜市全体でみると、図表2にあるように築3年以内は6,463万円で、築5年以内が5,777万円、築10年以内が5,261万円と安くなり、築30年以内は4,312万円。築古マンションなら、築3年以内の築浅の66.7%で手に入る計算です。
横浜市で2022年4月の価格が最も高い西区をみると、築3年以内は9,474万円に対して、築30年以内は6,126万円なので、築古マンションは築浅の64.7%で買えることになります。新築時の価格が高いぶんだけ、築年数の経過による価格差も大きくなるようです。
とはいえ、築古マンションにはリフォームなどの費用がかかる点に注意が必要です。築浅なら壁紙の張り替え程度で済むでしょうが、築古の場合設備の取り換えなどが必要になり、予想以上に費用がかかることがあります。購入する際は、リフォーム業者に現状を見てもらい、リフォーム費用の見積もりを出してもらったうえで、総額でいくらになるのかを確認してから決断するのがいいでしょう。
ワンルームなら西区でも1,200万円台で購入が可能
上記の平均価格の話は広さにかかわりませんが、間取りタイプ、専有面積によっても価格は大きく変わってきます。
西区や中区などの価格の高いエリアに住みたい場合、若いうちに手頃な価格のコンパクトタイプの住居を購入し、必要に応じて段階的に広い住まいへステップアップしていくという方法も考えられます。
現在のように中古マンション価格の上昇が続いている時期であれば、買った価格以上に高く売却できて、ひと回り、ふた回り広い住まいに買い換えることが可能かもしれません。
図表3にあるように、横浜市で一番高い西区でも1Rや1Kなら1,200万円台で、1DK~2DKなら3,400万円台で手に入ります。
中心部にこだわらないのであれば、1Rや1Kなら600万円台から800万円台で購入が可能な区もあります。まずはそこに住んでみて、次のステップのための準備を整えてはいかがでしょう。横浜市に住むことを希望しているのであれば、より広い視野からマンション選びを考えてみることをおすすめします。
※本文中のデータは2022年4月末現在のものです。時期によって変動がありますのでご注意ください
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