「ラ行」の入った番組タイトルはヒットする?ラジオ業界に伝わるジンクス - 西原健太郎
※この記事は2018年01月31日にBLOGOSで公開されたものです
2018年になりました。遅くなりましたが、本年も宜しくお願い致します。私は今年の正月は、珍しく海外旅行をせず、実家で過ごしていました。実家では家のシャワーヘッドを直したり、久しぶりに幼馴染と会ったりと、平凡ながらも充実した日々を過ごせました。
このコラムを更新している、2018年1月末、私の会社はこれまでにない変革の時を迎えております。弊社、スタジオを作りました。作ったのは、音声収録ができるスタジオと、映像収録・生配信が出来るスタジオで、会社を立ち上げて10年経って初めての、設備投資・不動産投資になります。
ところで、ジンクスといえば、「スタジオを作った会社」以外にも、ラジオ業界には様々なジンクスが存在します。今日はそんなジンクスをいくつかご紹介しましょう。
その1【ラ行のタイトルがつくラジオ番組は大成する】
これは統計が物語っているのですが、人気番組や、長寿番組と呼ばれる番組のタイトルには、結構こう確率で『ラ行』の言葉が入っています。皆さんも思いつく人気番組をあげて見てください。どこかに『ラ行』の言葉が入っていませんか?
私自身、自分が担当するラジオ番組には意識的にラ行の言葉を入れているくらいです。あと、これはジンクスではありませんが、リスナーに略称で呼ばれている番組は長続きしやすい気がします。
その2【喋る前に自分の名前を言えるパーソナリティは人気が出る】
こちらは、音声だけで制作されているラジオ番組の場合のジンクスです。(音声だけのラジオという表現も謎なのですが…)パーソナリティが2人以上いる時、音声だけで聞いていると誰が喋っているのか分からなくなることがあります。そんな時に有効なのが、喋る前に「〇〇(名前)は~」と言ってから喋るという事です。
これを意識的に入れることで、リスナーは誰が喋っているのかがわかりやすくなり、トークの内容に集中することができます。結果としてトークの内容が注目され、そのパーソナリティは人気が出る…という仕組みで、これは大人数で喋るラジオ番組では必須のテクニックだったりもします。
その3【笑い声が大きい作家は、深夜ラジオが大好き】
ラジオ番組を聴いているとたまに聞こえてくるのが、作家の笑い声。この笑い声の正体は『誘い笑い』といい、リスナーに「今笑いどころですよ」と教える役割や、パーソナリティに「今、あなたのトーク、イケてますよ!」と伝える役割があります。でも、たまに必要以上に大きな声で笑う作家、いませんか?
作家笑いには賛否両論あると思いますが、大きな声で笑う作家は、深夜ラジオが大好きであることが多いです。多分、昔よく聴いていた深夜ラジオの放送作家が、大きな声で笑っていたのでしょう。そんなラジオを聴いて放送作家に憧れ、放送作家になったとしたら、笑い声が大きくなるのは仕方がないのかもしれません。
その4【キューがかっこいいディレクターはモテる】
ラジオディレクターがパーソナリティに合図を送る時に使うのが、『キュー』と呼ばれる手信号です。この『キュー』、ディレクターそれぞれに「自分流のキュー」があります。さりげなく出す人もいれば、大げさに出す人、トリッキーなキューなど、個性があって面白いのですが、このキューがカッコイイ人は、高確率でモテます。
しかも、キューという合図はパーソナリティの目を見ながら行うので、そのカッコイイポーズでキューを出されたら、パーソナリティは恋に落ちても仕方がないです。事実、パーソナリティと結婚したディレクター、結構います。
その5【怖い話を扱った番組は終了する】
これは結構有名かもしれません。夏の時期に『怪談話特集』をする番組は結構あるのですが、怖い話を扱った番組は、なぜかその後近いうちに終了してしまう…と言われています。このジンクスに実際当てはまる番組があるかどうかはわかりませんが、怖い話を番組で扱うと、スタジオに異変が起きたり、普段では聞こえない音が収録されていたりすることがあります。
さらには、録音した番組素材が勝手に消去されたり、紛失したり…。そんなトラブルでスポンサーの怒りを買い、結果として短命に終わってしまった番組も実際に存在します。このジンクスは、そんなところから来ているのかもしれません。
今回は、ラジオ業界にまつわるジンクスをいくつか紹介してみましたが、いかがでしたか?どの業界にもジンクスと呼ばれるものはあると思いますが、そのほとんどは、先人達が我々に残してくれた『知恵』だと思います。自分の業界のジンクスを知れば、自分の立ち振る舞いも変わってくるかもしれません。