【参院選】「日本共産党が輝いて見えました」~志位委員長の″18歳のころ″ - BLOGOS編集部

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※この記事は2016年06月22日にBLOGOSで公開されたものです

22日、参院選が公示された。これに先立つ17日、日本共産党の志位和夫委員長が共同記者会見を開いた。この中から、とくに焦点となっている経済政策、憲法・安全保障の問題、そして18歳選挙権についての部分をお届けする。

■経済政策:3つのチェンジを訴えて闘います

アベノミクスということで3年半やってきたわけですが、完全に失敗だったことがはっきりしたと考えております。安倍首相は色々と都合のいい数字を並べて、上手くいっているという風におっしゃるんですが、大変重要な数字が2つあります。一つは働く人の実質賃金が5年連続、マイナス5%も目減りしている。そして日本経済の6割を占める個人消費が2年連続マイナスで、 戦後初めての冷え込みになっています。これはもうアベノミクスの失敗、消費税増税路線の失敗をはっきりと示しているということです。

ですから私たちは、全体的に経済政策の軸足を財界応援から暮らし応援に切り替える。アベノミクスをやめて格差を正し、経済に民主主義、デモクラシーをということで、3つのチェンジを訴えて闘います。

第一に、税金の集め方のチェンジです。消費税頼みの道は破綻したことがはっきりしたわけですから、消費税10%は先送りで無く、きっぱりと断念すべきです。そして富裕層に応分の負担を求めて、財源を作り出します。

第二に、国民の皆さんから頂いた税金の使い方のチェンジ。まず社会保障の充実、それから若者、そして子育てに使おうということで、例えば給付制奨学金の創設、大学学費の半減を訴えていきたいです。それから国の責任で認可保育園を大量増設して、保育園に落ちない日本にするということも大事な点です。

最後に、働き方のチェンジです。ブラックな働き方を無くす。若者を使い捨てにする働き方を無くしていく。長時間労働を規制するために残業の上限を法律で規制、労働基準法の改定を提起していきたい。それから労働者派遣法の抜本改正。非正規を正社員に。こういう流れを政治の責任でつくっていく。さらに最低賃金については、中小企業への適切な形での支援と一体で、今すぐどこでも時給1500円を目指して行きたいですね。

■経済政策:"殺し殺される国"にしてはならない

私たちは戦争法を廃止していきます。特に集団的自衛権は日本に対する武力攻撃がないのに、同盟国が攻撃されたら一緒になって戦争をするということです。アメリカのベトナム戦争やイラク戦争のような無法の戦争に日本の若者を駆り立てていくと。そういう"殺し殺される国"にしてはならない、ということを訴えていきたいと思います。

憲法の問題ですが、自民党は憲法改正草案を出しています。この改定案を許していいのかが大きな争点だと思います。憲法9条2項を全面的に削除し、国防軍を書き込み、海外での武力行使を無条件で可能にするような内容が盛り込まれております。緊急事態条項もあり、事実上の戒厳令という毒薬も入っています。憲法を憲法で無くしてしまう。憲法によって権力を縛るのではなくて、国民を縛り付け、立憲主義を完全に破壊するような改悪を絶対に許さないということも大いに訴えていきたいと思います。

自衛隊については、憲法9条に照らして違憲だと考えております。そうすると、9条を変えるか、自衛隊の現状を変えるかのどちらかとなりますが、私達は9条は世界に誇る日本の宝ですから、変えるべきではないと思っています。現状を変えることはすぐには出来ませんが、日本を取り巻く安全保障環境が十分に成熟するときが来ると思っています。その時期に、初めて解消のための手続きが来るということですから、それまで共存する期間があるということです。圧倒的な多数の日本国民の、自衛隊なしでも大丈夫だという合意があって初めて段階的な解消に着手するんですから、これはかなり将来の話なんです。それまでの間、日本有事の際、大きな災害の際には、自衛隊の皆さんにも働いていただくことを方針として決めております。将来的な課題としてそういう展望を持っているということなんです。私達が災害出動にも反対しているような、そんなことは無いわけですよ。

■18歳のころ:日本共産党が輝いて見えました

私自身は18歳、大学1年生のとき、田中角栄が小選挙区制を導入しようとしました。これに対する戦いがありました。

私の大学でもストライキがありまして、駒場から700人ほどが国会までデモに行きました。そんな戦いに参加する中で、共産党の仲間と出会いました。民主主義を守る上で日本共産党が輝いて見えました。その後は党員になりましたから、そのあとはこの道でやっているわけです。カミさん出会ったのは…20歳を過ぎていたと思います。18歳の頃は、彼女はいませんでしたね(笑)

(「共産党アレルギー」について)ある意味で、いろんな偏見、誤解をお持ちの方も少なくないと思いますが、全体として、若い方との間では、壁を感じないんですよ。若い方であればあるほど、ありのままを伝えていけば受け取っていただけると思います。潰れたソ連とか、ああいう体制とは全く違います。中国共産党にも問題点がある。それは私達も率直に言います。南シナ海での振る舞い、それから尖閣諸島や日本の領海に軍艦を入れたこと、それらについては、私達も厳しい立場で対応しております。

(若い方が右傾化しているという話について)一概にそうとは言えないと思います。安保法制反対運動でも、高校生のT-nsSOWLや、 大学生のSEALDsと、若い皆さんが自発的に運動をずっと広げていますよね。そういう若者の発言聞いていますと自分の頭で考えています。正直言って、私達の若い頃よりもしっかりしていると思います。

我々のときは学生運動、自治会とか、そういう運動に参加し、一員として頑張っていました。今の若い方は単位が個人ですね。主権者として自分の頭で考える。自分の言葉で考える。そういう点では日本の社会の民主的な成熟を感じます。スピーチもよく聞きます。面白いですよね。みんな個性に富んでいて、言葉が輝いていて。我々の学生の時よりも面白いです。ですから、我々が学ぶところもありますよ。(17日、日本共産党本部で)