※この記事は2014年10月07日にBLOGOSで公開されたものです

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小保方晴子氏が2011年に早稲田大大学院で博士号を取得した論文に疑義が指摘されていた問題で、早稲田大学が記者会見を行い、同氏の博士号について取り消す決定をしたことを明らかにした。ただし、指導・審査過程にも重大な不備があったと認められたことから、1年以内をめどに研究倫理教育の徹底を行い、研究の再指導と論文の訂正が適切に履行され、博士学位論文としてふさわしいものになったと認められた場合には学位を維持できるとした(期間内に完了しない場合は、取り消しとなる)。1年間という期間の根拠は、小保方氏の体調の問題や、理研での作業もあるため、とした。

また、当時の指導教員である常田聡氏を停職、副査の教員を訓戒、当時の研究科長も審査体制の不備の責任者として役職手当20%3ヶ月分を返上。鎌田総長自らも手当20%5ヶ月分を返上することを明らかにした。

冒頭、鎌田薫総長は「深く反省している」「不適切な内容を含むが学則には抵触しないケースをどうするか、体制の不備や瑕疵がある場合、学位を取り消すだけでよいのだろうかという問題が残った」とし、小保方氏の当時の指導教員の責任や審査体制の制度上の不備の責任についても言及。他の論文についての検証も行ったことを明らかにするとともに、今後、学位審査体制の見直しを行っていくという。

記者からは、「世間は早稲田大学の論文は他人のものをコピペしても許されると思うのではないか」といった厳しい質問も飛び出した。

・《小保方氏の学位取消か》早稲田大学 博士学位論文に関する記者会見 - ニコニコ生放送

早稲田大学学則23条とは

(学位授与の取消)

第23条 本大学において博士、修士または専門職学位を授与された者につき、不正の方法により学位の授与を受けた事実が判明したときは、総長は、当該研究科運営委員会および研究科長会の議を経て、既に授与した学位を取り消し、学位記を返還させ、かつ、その旨を公表するものとする。
2 研究科運営委員会において前項の議決を行う場合は、第18条第2項の規定を準用する。
3 第1項において博士学位を取り消された者は、再び博士学位の授与を申請することはできない。


前回の会見では「学位取り消さず」

7月17日の会見では、調査委員会(委員長・小林英明弁護士)は「論文は誤って草稿が提出されたもので、学位の取り消し規定には該当しない」との調査結果を公表していた。




・「不正あったが学位取消に該当せず」早大調査委・配布資料(全文)
・早稲田はコピペしても「博士号」が取れる?小保方さんが「学位取消」にあたらない理由
・早稲田大学への批判に対して「鎌田総長」はどう答えたか?