※この記事は2014年08月15日にBLOGOSで公開されたものです

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15日、日本武道館で全国戦没者追悼式(政府主催)が行われた。国歌斉唱、安倍総理の式辞、正午の1分間の黙祷につづき、天皇陛下がおことばを述べられた。

安倍晋三内閣総理大臣の式辞

天皇皇后両陛下の御臨席を仰ぎ、戦没者の御遺族、各界代表、多数の御列席を得て、全国戦没者追悼式を、ここに挙行致します。 

祖国を思い、家族を案じつつ、戦場に倒れられた御霊、戦禍に遭われ、あるいは戦後、遠い異郷に亡くなられた御霊、いまその御前にあって、御霊安かれと、心より、お祈り申し上げます。 

戦没者の皆様の、貴い犠牲の上に、いま、私たちが享受する平和と、繁栄があります。そのことを、片時たりとも忘れません。

未だふるさとへの帰還を果たされていないご遺骨のことも、決して忘れません。過日、パプアニューギニアにて、ジャングルで命を落とされ、海原に散った12万を超える方々を想い、手を合わせてまいりました。

いまは、来し方を想い、しばし瞑目し、静かに頭を垂れたいと思います。

日本の野山を、蝉しぐれが包んでいます。69年前もそうだったのでしょう。歳月がいかに流れても、私たちには、変えてはならない道があります。 

今日は、その、平和への誓いを新たにする日です。 

私たちは、歴史に謙虚に向き合い、その教訓を深く胸に刻みながら、今を生きる世代、そして、明日を生きる世代のために、国の未来を切り拓いてまいります。世界の恒久平和に、能うる限り貢献し、万人が、心豊かに暮らせる世の中の実現に、全力を尽くしてまいります。

終わりに、今一度、戦没者の御霊に永久の安らぎと、ご遺族の皆様には、ご多幸を、心よりお祈りし、式辞と致します。

平成26年8月15日 内閣総理大臣 安倍晋三

天皇陛下のおことば

本日、「戦没者を追悼し平和を祈念する日」に当たり、全国戦没者追悼式に臨み、さきの大戦において、かけがえのない命を失った数多くの人々と、その遺族を思い、深い悲しみを新たにいたします。

終戦以来、既に69年、国民のたゆみない努力により、今日の我が国の平和と繁栄が築き上げられましたが、苦難に満ちた往時を偲ぶとき、感慨は今なお尽きることがありません。

ここに、歴史を顧み、戦争の惨禍が再び繰り返されないことを切に願い、全国民と共に、戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し、心から追悼の意を表し、世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります。

関連記事

・100歳で参加の難波いそさんの会見
・遺族代表・牧野笑子さんの追悼の言葉
・昨年の首相式辞・天皇陛下のおことば

各党の声明・談話

・終戦記念日にあたって 党声明 - 自民党
・「人間の安全保障」をめざし禁止条約締結などにまい進 - 公明党
・【談話】終戦の日にあたって - 民主党
・69周年の終戦記念日にあたって - 共産党
・敗戦69年にあたって(声明) - 社民党
・終戦の日にあたっての談話 - 結いの党
・終戦記念日にあたって - 生活の党
・六十九回目の終戦の日を迎えて(党首談話) - 次世代の党
・終戦記念日にあたっての談話 - 日本維新の会
・談話【8月15日 終戦の日】 - 新党改革

8月15日付け新聞各紙の社説

・戦後69年の言葉―祈りと誓いのその先へ - 朝日新聞
・8・15と戦争 記憶の継承の担い手に - 毎日新聞
・終戦の日 平和国家の歩みを堅持したい - 読売新聞
・終戦の日と「靖国」 いつまで論争続けるのか - 産経新聞
・歴史に学んで昭和の惨禍を繰り返すな - 日本経済新聞