【新聞チェック】楽天脱退に朝日が同情、「電力業界寄り」と経団連を批判 - BLOGOS編集部

2022年3月30日 0時0分

※この記事は2011年06月25日にBLOGOSで公開されたものです

　経団連に退会届を提出した大手ネット企業「楽天」に同情する社説を、朝日新聞が掲載した。6月25日付の社説の中で、震災後の経団連の動きは「ずいぶん鈍い」と指摘。米倉弘昌会長のこれまでの発言を「現状追認、電力業界寄り」と切り捨てた。
　
　楽天は23日、経団連の退会届を提出。それに先立つ5月27日に、同社の会長兼任社長の三木谷浩史氏は「そろそろ経団連を脱退しようかと思いますが、皆さんどう思いますか？」とツイッター上で発言していた。「なぜ、脱退しようと思われたのですか？」というフォロワーからの質問に「電力業界を保護しようとする態度がゆるせない」と怒りを露わにしていた。

堀江氏よりも財界ウケは良かったのに

　朝日の社説を見てみよう。まず、三木谷氏の人柄を旧ライブドア社長の堀江氏と比較して、こう述べている。

楽天をネット業界を代表する企業に育て上げた起業家だ。ＴＢＳ株の買収などで物議をかもしたりもしたが、破天荒で従来の経営スタイルを壊すイメージが強い旧ライブドア時代の堀江貴文氏らと比べると、財界人の受けもよかった。

　その上で、「その三木谷氏でも、今の財界は見切りをつけざるをえない対象ということらしい」と同情。次のように経団連のあり方を批判した。

確かに、東日本大震災後の経団連の動きは、ずいぶん鈍い。民主党政権への不満や批判こそ目立つものの、自らの提言や行動に新味はない。とりわけ、原発事故への対応や発電と送電の分離をはじめとする電力改革問題については、米倉弘昌会長による現状追認、電力業界寄りの発言が繰り返されている。

　日本経団連は、高度経済成長期の1961年に設立された組織。日本商工会議所、経済同友会と並ぶ「経済三団体」の一つだ。東証一部上場企業を中心に、日本を代表するメーカーや銀行、商社などの有力企業から構成されている。政治献金を通して財界だけでなく、政界にも大きな影響力をもっていると言われている。

　一方の楽天は、97年創業のベンチャー企業だ。ショッピングサイト「楽天市場」で急成長し、現在の会員数は約6600万人と日本最大級に達している。楽天ゴールデンイーグルスを結成し、プロ野球に参戦する前年の04年11月に経団連に入会した。

　ソフトバンクなどと並んでネット業界を代表する企業の脱退で、経団連の権威自体が大きく揺らぐことにもなりそうだ。

・楽天脱退―財界は「進取の精神」を - asahi.com（朝日新聞社）：社説
・楽天、経団連を退会＝電力業界の改革めぐり不満－三木谷会長 - 時事ドットコム
・楽天・三木谷社長が経団連を退会～Twitterで公表 - INTERNET Watch
・【新聞チェック】経団連会長、菅首相に退陣要求「お辞めにならねば日本没落だ」 - BLOGOS