静岡県沼津市の飛龍高校野球部でもう一つの不祥事です。監督ら3人の暴言や体罰が明らかになった飛龍高校野球部で、会計責任者の教諭が部費を私的に流用していたことが分かりました。教諭は2022年5月、懲戒解雇されています。

<飛龍高校 小畑浩校長>

「職員の不祥事です。申し訳ございませんでした」

保護者会の場で謝罪するのは、飛龍高校の小畑浩校長です。監督ら3人による部員への暴言や体罰に加え、野球部の部費の私的流用もあったことがわかり、保護者らに報告しました。

部費を私的流用したのは、野球部ではない立場で部費を管理していた会計責任者の30代の男性教諭で、流用した額はおよそ150万円にのぼります。

<保護者会役員>

「実際の残高が700円とかそのぐらいの金額しかなかったんですね。部費が使い込まれたというか」

部費は、この教諭が一人で管理していて、2022年4月に部費の通帳を確認した際、わずか700円程度しか残っていませんでした。

学校側が問い詰めたところ、教諭は「遊興費に使った」と白状しました。流用したのは、2020年度、21年度の2年間の部費でした。

<飛龍高校 小畑浩校長>

「私が嘘をつきましたと、私がやりましたということをはっきりその場で確認できたものですから」

学校側は全額弁済させた上で、2022年5月、この教諭を懲戒解雇しています。

また、部費を巡っては運動用具などを購入している複数のスポーツ店にあわせて150万円ほどが支払われていないこともわかりました。

齊藤副校長は、「他の部活動でもきちんと運用されているかを確認して教諭がお金を扱わないようにしていきたい」と話しています。

また、私的流用した教諭については、全額弁済されたことなどから、「現時点では、刑事告訴は考えていない」としています。

飛龍高校は、部費の私的流用についても静岡県高野連に報告しました。今回の体罰、暴言、私的流用は、あくまでも指導者側、教諭によるものです。

憧れの甲子園を目指す選手たちが野球に集中できる環境を整えることが学校側に求められています。

LIVEしずおか 5月20日