2022年5月2日、次のような写真がツイッターに投稿され、いま話題になっている。

青空をバックに、見事な雄姿を見せる城。ツイートには、「松本城最高やんけ」というコメントが添えられている。ここは名城として名高い松本城のようだ。しかし、お堀の中には、そんな名城よりも目立つ存在が......。

「たらふ」(@aaabbbzzzmmmm)さんが投稿したツイートには、10万件を超える「いいね」が付けられ、今も拡散中だ(5月10日現在)。投稿者は「コイ多すぎるやろ このお堀」とつぶやいているので、この水の中にぽっかりと空いた「穴」たちは、鯉の口らしい。

ツイッターにはこんな声が寄せられている。

「素晴らしい光景ですね。鯉さん達の迫力に、圧倒されます。青空と白い雲が、とても美しいです。松本城も、とてもかっこいいですね。爽やかな雰囲気が、とても素敵です」
「城よりも口開けてる鯉がすごい」
松本城からの鯉の勢いにお茶を吹いてしまいました」
「まさにコイキングダム」

鯉と名城......、あまりお目にかかったことがない構図だが、いったいどういう状況で撮影したのだろう?  Jタウンネット記者は、投稿者「たらふ」さんと松本城管理課に話を聞いてみた。

スマホを上下逆さまにして撮影

松本城は、長野県松本市にある。安土桃山時代末期から江戸時代初期にかけて建造された天守は国宝に指定され、城跡は国の史跡に指定されている。

京都からのJR中央線旅行の最中で、前日夜にも松本城に寄ったという投稿者「たらふ」さんは、「初めての松本城に惚れてしまい、翌日朝ももう一度来ました」と語る。話題の写真を撮影したのは、5月2日の午前11時頃。

「撮影場所は、松本城のお堀の外側、無料で散歩できるところです。 水面と歩道の地面がそう遠くないので、水に触れようと思えば触れられる高さでした」(「たらふ」さん)

撮影したのは、スマホ「iPhone13 mini」だったという。

松本城を背景に、手前の鯉を撮影するアングルが大変ユニークだが、どのように構図を決めたのだろう?

「今回は、鯉がバシャバシャしていて面白かったので、膝を地面について、スマホを上下逆さまにして(上部にカメラがついているので、なるべくカメラを水面に近づけるため)、5枚ほど適当に撮りました」(「たらふ」さん)

次に、Jタウンネット記者は松本城管理課に電話で取材した。

松本城の堀には、ずいぶんたくさん鯉がいるようだが、何匹くらいいるのだろうか? 取材に応じた担当者は、「残念ながら数は分かりません」と答えた。

エサやりなどは、どのようにしているのだろうか?

「とくにエサは与えておりません。堀の水は地下水を汲み上げて、浄化しております。鯉は水中の藻や小動物を捕食しているものと思われます」(松本城管理課担当者)

ひょっとしたら、鯉さんたち、かなりお腹をすかせているのかもしれない。

投稿者「たらふ」さんは、次のようなツイートも投稿していた。

「コイに少し指を呑み込まれたのですが、口周りには歯はないので痛くなかったのですが、少し奥まで突っ込むと10円玉ですらすり潰すほどの強力な歯のような組織を持っているらしく、それをコメントで教えていただいた時は顔面蒼白でした(笑)。やっぱり変わったことはなるべくすべきではないですね」(「たらふ」さん)

良い子は、けっして真似をしないように。