マスクの種類や選び方を紹介!電気の力で抗菌するニューノーマル時代のマウスカバーが新登場
現在もコロナ禍が続くなかで、マスク着用が当たり前の日常となっています。
さまざまな素材や機能が付随したマスクが登場するなかで、選ぶ基準もそれぞれあるのではないでしょうか。
マスクの種類や選び方。さまざまな機能性マスクも登場!
不織布を複数枚組み合わせて作られ、飛まつの吸い込み抑制効果が高い「不織布マスク」、ガーゼのような綿織物が素材となり、好みの布を使ってハンドメイド可能な「布マスク」、顔の形に合わせて作られた立体型が多く、伸縮性がある「ウレタンマスク」など、いろいろな種類のマスクがあり、各々メリット・デメリットがあるなか、自身のライフスタイルに合ったマスク選びをしているのではないでしょうか。
そのなかで、空気清浄機能付きや温度調整が可能、リラックス効果があるなど、さまざまな機能が付随したマスクも登場しています。
そして今回、人の動きで抗菌効果がアップするマウスカバーが、デサントと株式会社ピエクレックス(以降、ピエクレックス社)の共同開発で発売されました。
人の動きを電気エネルギーに変える新素材PIECLEX®とは?
“人の運動エネルギー”を“電気エネルギー”に変えることで、繊維上に抗菌効果を発揮するマウスカバー「PIECLEX(ピエクレックス)マスク」。
その開発に関わったピエクレックス社の担当者、井上貴文氏、海老名亮祐氏、宅見健一郎氏に話を伺いました。
――ピエクレックス社の概要について教えてください。
井上:圧電技術の「村田製作所」と化学繊維の「帝人フロンティア」が、世界で初めて電気の⼒で繊維上に抗菌性能を発揮する繊維PIECLEX®を共同で開発しました。
この繊維の研究・開発および、製造・販売を⽬的に、2020年4⽉に両社の合弁により、株式会社ピエクレックスが設⽴されました。
ブランディングチーム チームリーダー 井上貴文氏
――新素材PIECLEX®の最大の特徴について教えてください。
井上:簡単に言うとPIECLEX ®は、“電気の繊維”です。
植物由来の環境に優しい素材「ポリ乳酸」を使用しており、この素材が持っている圧電効果を利用して、自身の力で抗菌効果を生み出すというのが最大の特徴になります。
人に有害な抗菌剤を使用せず、人の動きによる電気をエネルギーに変えるので、安心して使うことができます。
――電気が発生することで、なぜ抗菌効果につながるのでしょうか?
宅見:電気が発生する環境下に菌が入ることで、菌に対して電気的なストレスが与えられます。そうなると菌の細胞膜が損傷するため、抗菌効果が得られるのです。
また、菌の増殖を抑えることもできるので消臭効果にもつながります。
――今回発表されたマウスカバー「PIECLEX(ピエクレックス)マスク」は、デサント社、UHA味覚糖社との共同プロジェクトで発表されました。その経緯を教えてください。
井上:2021年6月にピエクレックス社と口腔ケアに対する取り組みを行っているUHA味覚糖社で、“何か面白いことを発信できないか”ということを考え「オーラルウェルネス共同プロジェクト」を開始しました。
そのなかで、硬くて弾力のあるグミを食べると、皮膚・マスクの伸縮度が高くなり、咀嚼動作が大きくなることが分かりました。
硬いグミが咀嚼力を高め、口腔機能の維持に役立つ可能性と、咀嚼という日常の動作でマスクにしっかりとひずみが加わることで、グミを楽しみながらPIECLEX®の効果を最大化できる可能性があることを見出しました。
そして、UHA味覚糖社では高弾力の「DOMACグミ」が開発され、同社では以前PIECLEX®を使用した3Dソックスをデサント社から販売し、素材の特性を理解していただいていることからマウスカバーを販売することになり、3社での新商品発表会に至りました。
――昨年7月にB to B向けにマスクの販売を行い、今回本格的な販売に至ったわけですが、どのようなところが改良されたのでしょうか?
海老名:アジャスター部分を改良しました。
マウスカバーはフリーサイズですが、前回は小さすぎて耳が痛くなってしまうという意見がありました。そして、逆に大きすぎると伸びないので、人によってマウスカバーの効果に差が出てしまうということがありました。
左:セールス&プロダクトディベロップメントチーム 宅見健一郎氏
右:セールス&プロダクトディベロップメントチーム 海老名亮祐氏
今回は耳に掛ける部分を長めにして、自身で調節できるようにしたことで、着用性と引っ張ったときの抗菌性を一定に発揮できるように改良しました。
加えて、デサント社に協力いただき、デザイン面も改善されています。B to B向け時は白だけでしたが、今回は白とグレーの2色を展開。
そして、ロゴの部分はPIECLEXとデサントのロゴが入り、ダブルネームという形になりました。
――最後にピエクレックス社の今後の展望を教えてください。
井上:現在、PIECLEX®を用いて電気的な特性を活かした2つの製品(3Dソックス、マウスカバー)を発表していますが、今後もラインアップを増やしていければと思っています。
例えば、普段着として使えるTシャツやボトムス、スポーツウェアなど、身に着けるアイテムの開発を進めていく予定です。
また、ポリ乳酸から出てくる電気の量は非常に小さいものなので、今回は機能が抗菌だけとなっています。
電気というくくりで言うと、将来的には抗菌だけに限らず「さまざまなことが実現していけるのではないだろうか?」と考えています。
ポリ乳酸という素材だけではなく、さまざまな材料を用いて、“電気の繊維“としてグレードアップした商品の開発をしていければと考えています。
PIECLEX(ピエクレックス)マスク
電気の力で抗菌するマウスカバー ピエクレックスマスク
外側:PIECLEX
人体に有害な抗菌剤を使用せず、着用者の動きによって発生する電気の力で緩やかに菌を減らすことが可能です(使用状況によって効果は変わります)。
フチ:フィットナノフロント
1本の糸の断面積が髪の毛の1/7500の細さの「ナノフロント®」を使用。生地表面のナノサイズの凹凸により高いグリップを発揮し、肌にフィットします。
内側:テイジンの高機能素材
マウスカバー内側に水滴ができにくく、蒸れにくい吸水速乾性を備えており、柔らかく快適な着け心地です。
そのほかのPIECLEX素材使用製品
3Dソックス
マンシングウェア、デサントゴルフ、デサントから発売中。PIECLEX®の繊維が動くことで発生した電圧・電場により菌の死活が可能です。また、後加工ではないため半永久的に効果が持続します。
ショート丈 PIECLEX タビ型ソックス(マンシングウェア)
PIECLEXアンクル丈ソックス(足袋型)(デサントゴルフ)
PIECLEX 3D SOX tabi+(デサント)
人が持つ持続可能なエネルギーを活用することに加え、環境に配慮したポリ乳酸を使用するなど、今の時代にマッチしている新素材PIECLEX®。
今後も新たな技術革新を用いて、消費者に「ワクワクと驚き」を与える商品の開発が期待されます。