2022年2月24日にロシアがウクライナを侵攻してから、世界中でロシアに対する非難の声が高まっています。しかし、中には国家と個人の区別ができず、ロシア料理のレストランやカフェなどへの嫌がらせや中傷に及ぶ人も出て問題となっています。Googleマップなどの店や施設のクチコミをレビューできるサービスで、ロシア料理店やカフェに政治的な書き込みが殺到していると報じられています

Keyboard army using restaurant reviews to take on Russian state media | Reuters

https://www.reuters.com/world/europe/keyboard-army-using-restaurant-reviews-take-russian-state-media-2022-03-02/

Russian protestors flood review sites with political messages - Quartz

https://qz.com/2136562/russian-protestors-flood-review-sites-with-political-messages/

Tripadvisor, Google Maps Suspend Reviews of Some Russian Listings

https://www.wsj.com/livecoverage/russia-ukraine-latest-news-2022-03-02/card/tripadvisor-google-maps-suspend-reviews-of-some-russian-listings-vM2no1PgGDmMkL2TSvPZ

GoogleマップやロシアのクチコミレビューサイトであるAfisha.ruでは、モスクワで最も人気のあるシーフードレストランのレビューに「ウクライナへの軍隊の派遣は戦争であり、特別作戦ではない!ロシア軍は子どもや民間人を殺している!」「ここは良かった。しかし、プーチンはウクライナに侵攻し、我々の気分を台無しにした。独裁者に対抗して今こそ立ち上がり、罪のない人々を殺害するのはやめろ!ロシア政府は嘘をついている」などと書き込まれています。



また、ロイターによれば、人気のあるレストランのレビューにウクライナの写真を掲載することを計画しているユーザーもいるとのこと。実際に「レビュー本文には戦争について書き、破壊された建築物や死傷者、防空壕(ごう)にいる人々の写真を添付する」というレビューを投稿しているユーザーもいます。



こうしたレビューを受けて、モスクワのセルゲイ・ソビニャン市長は「海外のユーザーが心理的な情報攻撃を行っている」と述べ、書き込まれたレビューはボットによるものだとしました。さらにソビニャン市長は「挑発者の呼びかけに乗らないでください。彼らはモスクワの統治を弱め、混乱させることを目的としています。彼らは私たちモスクワ市民を分断しようとしているのです」と語りました。

こうした動きを受けて、Googleマップはロシア・ウクライナ・ベラルーシにある店や施設のレビューが表示されないように、一時的なブロック措置を行ったとのこと。Googleの広報担当者はウォール・ストリート・ジャーナルの取材に対して、該当する地域からの新しい画像や映像の公開を停止したと述べました。

また、宿泊施設のクチコミレビューサイトであるトリップアドバイザーでも、レビューのふりをしてロシアのウクライナ侵攻を批判する書き込みが増えているとのこと。トリップアドバイザーの広報担当者は、店のレビューではなく政治的な内容を含む書き込みを一時的に停止し、問題のあるユーザーをウクライナ侵攻について語るためのフォーラムに誘導する予定であると明らかにしました。