「鶴から亀に…」すごい濃ゆ〜い企画でしたよ。

ビジネス向け企画ではあるものの…

 成田空港で2022年2月25日(金)、史上初となる異色の企画が実施されました。JAL(日本航空)の国際線仕様の旅客機(ボーイング767-300ER)で、成田空港発着の遊覧チャーターフライトをしたのち、ターミナルに戻らずそのまま、「フライングホヌ(空飛ぶウミガメ)」の愛称で知られるANA(全日空)の超巨大旅客機エアバスA380に”乗り換え”。――つまり、会社の異なる2機を”ハシゴ”するイベントが実施されたのです。


「JALスペシャル周遊フライト&ANA機内リアルカンファレンス」の様子(2022年2月25日、乗りものニュース編集部撮影)。

「JALスペシャル周遊フライト&ANA機内リアルカンファレンス」と称するこのイベントは、成田市の地元の有志で結成されるSTAGE NARITA実行委員会、成田市観光協会などが、新型コロナウイルス感染拡大で航空需要の低迷が続く状況下における成田空港のあり方、成田市の周辺自治体の地域活性化の検討などを問題提起、議論するという趣旨です。

 とはいうものの、今回の企画は、一般参加者にも門戸が開かれており、そういったファン向けの工夫も随所に施されていました。

 JALのチャーター便には、150人の旅客が搭乗しました。機内では開発に半年を要したというスペシャルメニュー機内食が提供され、座席のヘッドレストも特別仕様のものに。フライトは富士山遊覧などを絡めながら、歴代制服を着用したJALのCA(客室乗務員)などによるファッションショー形式のイベント、JALの現役機長による特別スピーチなども実施されています。なお、熊谷俊人千葉県知事や、藤田礼子東京航空局長をはじめとする各業界の有識者によるスペシャル動画なども放映されました。

夢の「ホヌ」乗り換え体験レポ!

 約3時間半にわたるフライトのあと、最大のポイントとなる「徒歩でJAL機からANA機への”乗り換え”」が実施されます。JAL機はANAブルーの特別塗装が施されたA380初号機、そして「ハワイの海」の特別塗装が施された2号機と並ぶように駐機場に。駐機場はある程度歩き回れるようになっており、JALからは旧制服のCAや地上係員らが、ANAからは「フライングホヌ」のウミガメのキャラクターなどが、それぞれ撮影に応じました。


「JALスペシャル周遊フライト&ANA機内リアルカンファレンス」の様子(2022年2月25日、乗りものニュース編集部撮影)。

”乗り換え先”のANAのA380の機内では、約1時間にわたり地上に駐機した状態で、カンファレンスイベントを実施。乗客はA380の客室に座りドリンクサービスなどを受けながら、ANAホノルル支店の後藤勝副支店長によるハワイ・ホノルルの現状についての説明や、藤田礼子東京航空局長などによる対談を聴講しています。なお、イベント終了後には、機内の見学会なども実施されました。

 なお、今回「成田発成田経由成田行き」(ANAのCAによる案内より)のイベントの参加者は、千葉銀行グループのちばぎん商店が運営するサイト「C-VALUE」上で実施された、同プロジェクトのクラウドファンディングの支援者などで構成されています。企画担当者によると、支援額は目標の約3倍となる、約665万円を達成したそうです。