【千葉県】待機児童数が少ない市町村はどこ? 千葉・船橋・松戸は保育園に入りやすい?
都心への利便性が良く、ベッドタウンとしても人気の千葉県。都心で仕事を続けながら、郊外で子育てをしたいという場合に引っ越し先として候補に入ることも多いのではないでしょうか。そこで今回は、千葉県の待機児童数が多い市町村ランキングをもとに、子育てをしやすいエリアについて考えていきます。
千葉県の待機児童数は減少傾向
千葉県の待機児童数は2015年以降順調に減少しています。唯一2017年が増加していますが、この年は厚生労働省による待機児童の定義が変更され、全国的に待機児童数が増えた例外的な年です。2021年は、前年より405人減少し、428人となりました。年齢別に見ると、0~2歳児が全体の約77%を占め、なかでも2歳児が165人と最も多く全体の約39%にのぼっています。待機児童が発生している自治体については、前年の22市町から2021年は13市まで減少しました。
保育所等の利用定員数は順調に増加
千葉県では年々保育サービスが拡大されています。保育所等の利用定員数を直近の2年間で比較すると、保育所や認定こども園など4種類すべてで定員数が増加し、合計5,811人分が拡充されました。前年同期の調査でも6,524人分が増加していたため、2年で1万人分以上の大幅な拡充が行われたことになります。
保育サービス拡大のカギは潤沢な人材!? 千葉県の保育士事情
保育所等の利用定員数を増やすためには、施設の整備だけでなく、そこで働く人材の確保も重要です。そうした人材が豊富であることが、千葉県が保育サービスを順調に拡大できている一因であると考えられます。
千葉県健康福祉部子育て支援課が約5万4,000人の保育士有資格者を対象に実施した「千葉県保育士実態調査 結果報告書(平成29年)」によると、県内保育士登録者の88.7%が現在も千葉県在住で、そのうち84%は県内で保育士として働いていることが明らかになっています。
しかも、現在保育士として勤務している人の77.4%は「今後も保育士として働きたい」と回答。給料や休暇数への不満を抱いて退職する人はいるものの、8割以上の保育士が県内にとどまって活躍しているのです。
千葉県内で待機児童が多い市町村はどこ?
千葉県の市町村ごとの待機児童数には、どのような傾向があるのでしょうか? 待機児童数が多い市町村ランキングを見てみましょう。
千葉県全体の待機児童数は減少しているにもかかわらず、ワースト1位の木更津市から4位の八千代市までは前年より増加しました。特に木更津市は90人、君津市は85人、印西市は76人と、増加数が目立つ結果となっています。
東京湾アクアラインの着岸地である木更津市金田地区では、多機能複合型の都市として整備が進められています。この地区は人口の流入が多く、保育サービスの整備が追い付いていないようです。そうした特定の地域で需要に偏りが生じた結果、市の待機児童が増えたと考えられます。
同様に、人口の流入が多い千葉ニュータウンなどが存在する印西市も、局所的に保育ニーズが増え、整備が追い付いていないようです。
前年ワースト1位だった船橋市は待機児童数が激減
千葉市に次いで県内第2位の人口を誇る船橋市は、都心に近く東京のベッドタウンとしても需要の高いエリアです。しかし、待機児童の数が多く、2015年には全国ワースト1位を記録。その後は改善されつつありましたが、船橋市内への転入増や出生増などが重なった2020年は全国ワースト9位の197人へと増加しました。
その待機児童数が一転し、2021年は前年比185人減の12人まで下がっています。国の交付金などを活用した保育所等の整備が進み、受け皿が増えたようです。
船橋駅の口コミや住みやすさを「TownU(タウニュー)」でチェック(無料・登録不要)
子育て支援が手厚い地域は人口増の傾向も…
千葉県で6年連続待機児童ゼロを維持している松戸市は、日経xwomanの「共働き子育てしやすい街ランキング」(2020年、2021年)で全国1位に選ばれている子育て支援が充実した地域です。妊産婦支援や保育サービスの整備に力を入れており、孤立しがちな乳幼児家庭が集まれる広場を駅ビルなどに開設しています。その広場や子育て支援センターには、子育てコーディネーターが配置されており、育児の相談をすることも可能。さらに、コロナ禍ではほかの親子や子育て支援員らと交流できるオンライン広場やビデオ通話機能を利用したオンライン相談も実施されています。
総務省「令和2年国勢調査」によると、千葉県松戸市の人口は49万8,232人で、5年前の前回調査から3.0%人口が増えています。世帯数は前回調査から7.2%増の23万1,195世帯に伸びており、手厚い子育て支援もその一因になっているのではないかと考えられます。
松戸駅の口コミや住みやすさを「TownU(タウニュー)」でチェック(無料・登録不要)
松戸市のほか、千葉県内で人口が多い千葉市、市川市、柏市も2021年4月1日現在の待機児童はゼロとなっています。
子育て世帯が千葉県で暮らす際に注意したいポイント
千葉県内で東京へアクセスが良い地域は、都心に通勤できる上に都内より物件相場が安いため、東京で働く人から人気があります。しかし、その分都心への人の流れが多く、電車・自動車ともに混雑しやすい傾向があるようです。たとえば、東京都の中野駅と千葉県の西船橋駅を結ぶ東京メトロ東西線や東京駅と銚子駅を結ぶJR総武線などは混み合う路線として有名です。そうした満員電車に毎日乗るとなると、不満やストレスがたまる可能性もあるでしょう。
平日の通勤ラッシュだけでなく、土・日曜、祝日や大型連休には高速道路の渋滞も起こりやすいので注意が必要です。また、風の影響を受けやすい海沿いの地域では、交通機関の乱れが起きるリスクも頭に入れておきましょう。
まとめ
千葉県は、地域によって待機児童数の増減に差はあるものの、県全体では待機児童解消に向けた取り組みの効果が現れています。子育て世帯にとって住みやすい県と言えるのではないでしょうか。ただし、交通機関については混雑でストレスを感じるリスクもありそうです。都心への通勤を考えている人は、そうした負担も考慮して引っ越しを検討してみると良いでしょう。
【1分でAI診断】あなたにぴったりな街を「TownU(タウニュー)」で探す(無料)