ほんのひと手間であったまる!余った片栗粉の活用レシピ

2月の手仕事:片栗粉の活用【神谷よしえさんの12カ月の手仕事 #8】

とろみ付けや揚げ物など、料理に欠かせない片栗粉。常備しているご家庭は多いと思いますが、持て余し気味……という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

毎月、生活の知恵ともいえる手仕事と季節のレシピを教えてくださっているフードアドバイザーの神谷よしえさんは、「この時期、年末年始の餅つきで大量に用意した片栗粉が使い切れずに困っているという声をよく耳にするんです」といいます。そこで、連載の8回目は、余りがちな片栗粉の使い道をご紹介します。

「片栗粉のとろみは料理を冷めにくくする効果があります。冷えが辛い2月は、余った片栗粉を活用するにはちょうどよい時期です。

本来、カタクリという植物から作られる片栗粉ですが、近年市場に流通しているもののほとんどはじゃがいもから作られています。じゃがいもは身体を冷やす食材ですが、片栗粉としてとろみ付けに使うことで葛湯のように身体を温める効果が期待できますよ。

片栗粉は熱が加わると固まる性質があるため、60℃以上のお湯に一度に入れるとダマになりやすいです。上手くとろみをつけるコツは、あらかじめ沸騰させた汁物にかき混ぜながら水溶き片栗粉を少しずつ回し入れ、再度、熱を加えながらしっかり混ぜ合わせることです」

冷えた身体をじっくり温める「とろみ抹茶オレ」

調理時間:3分

「寒い季節は温かいドリンクが飲みたくなりますが、とろみをつけるとより一層身体を芯から温めてくれます。黒砂糖入れたり、市販されているスティックタイプのカフェオレや抹茶オレに加えて甘味を足したりすると、小さいお子さまも飲みやすくなりますよ。

また、最近は嚥下防止のために飲み物にとろみをつけるご年配の方が増えています。とろみ付け機能がある自動販売機も注目されていますよね。みなさんもいろいろな飲み物にとろみをつけて、自分のお気に入りを見つけてみてはいかがでしょうか」

材料(1人分)

・片栗粉……大さじ1杯
・スティック飲料(抹茶オレ味)……1本
・水……100cc(スティックの水分に合わせる)

作り方

1. マグカップに片栗粉と水を入れてかき混ぜて溶かしたあと、スティック抹茶オレを加えてダマがなくなるまでよくかき混ぜる

2. ラップをかけずに電子レンジ500Wで1分加熱し、取り出したらよく混ぜ合わせる

3. さらに電子レンジ500Wで1分~1分30秒加熱する。熱いうちに取り出し、とろみと透明感が出るまでかき混ぜる

ぷるんぷるんの食感がやみつき「ミルクもち」

調理時間:5分

「コロナ禍で牛乳消費量が減り、牛乳余りも問題になっていますよね。そんな牛乳の消費にもつながる片栗粉のおいしい活用法が、ミルク餅です。できたてはふんわりやわらかく、冷やして食べるとぷるんぷるんの食感がやみつきになりますよ。

きなこや黒蜜、みたらしあんをかけてデザートとして食べるのもおすすめですが、じつはめんつゆとも相性抜群。長ねぎやしょうがをのせてめんつゆをひとまわしすれば、おかずにも早変わりします。

ミルク餅は、電子レンジで加熱後に一気に混ぜるとダマになってしまうので練り込むように混ぜ合わせましょう。黒糖を加熱するときは、吹きこぼれやすいので深めの耐熱皿を用意してください」

材料(1人分)

・片栗粉……大さじ2杯
・牛乳(または豆乳)……100cc
・黒蜜……適量
・きなこ……適量

〈黒蜜〉
・黒糖(黒蜜でも可)……20g
・水……10cc

作り方

1. 耐熱容器に片栗粉と牛乳を入れ、よく混ぜ合わせる

2. 電子レンジ500Wで1分加熱し、取り出したら滑らかになるまでよくかき混ぜる

3. さらに電子レンジ500Wで1分~1分30秒加熱し、熱いうちに取り出して混ぜたら、冷蔵庫に入れて固める

4. 深めの耐熱容器に黒糖と水を入れて混ぜ合わせ、電子レンジ500Wで 1分加熱後、黒糖がなくなるまで混ぜ合わせ、冷ます

5. 3を器に盛り付け、4ときなこをかける

片栗粉の活用レシピで寒い季節を乗り越えよう

とろみ付けや餅とり粉など、どちらかというと脇役として利用することの多い片栗粉ですが、ホットドリンクやデザート、おかずにもなるとは目からウロコです。また片栗粉でとろみをつけることで、ただの野菜炒めが八宝菜風になるなどいつもの料理がちょっとだけごちそう風になります。料理の幅も広がるので、積極的に活用したいですよね。

昔から「冷えは万病のもと」といわれてます。片栗粉の保温効果で、温まる食べ物やホットドリンクを取り入れて、寒い冬を乗り切りましょう。

取材・文/鎌上織愛