ANA、2022年で“70歳” コロナ苦境続くも片野坂CEO「夜明け近い」 賃金減額復元も
1952年、ヘリ2機体制でスタートしました。
たった2機のヘリコプターの会社が…
航空会社のANA(全日空)などを傘下にもつANAホールディングスの片野坂真哉CEO(最高経営責任者)が、2022年の年頭挨拶を発表。グループ社員へ向け、新年の抱負などを述べています。
ANAの旅客機(乗りものニュース編集部撮影)。
ANAグループは1952(昭和27)年、日本ヘリコプター輸送として設立。2022年は、同グループ創立70周年を迎えるメモリアルイヤーとなります。
片野坂CEOは「たった2機のヘリコプターの会社が、日本を代表するグローバルなエアライングループに成長してこられたのは、私たちの先輩達が様々な困難を乗り越え、お客様の安全を守り、常に挑戦し続けてきたからです」としています。
一方で現状は新型コロナウイルスにより、旅客需要が消失し今なお厳しい経営状況が続いています。片野坂CEOは「事態発生後、あらゆる収支改善策に取り組み、一旦、小さな会社になってコロナのトンネルを抜ける、という方針のもと全社一丸となって取り組んできました」とし、2021年度は当初、経営の黒字化を目標に掲げていました。
ただANAグループは2021年は、緊急事態宣言期間が継続・拡大され、旅客需要は計画を大幅に下回り、上半期の赤字が巨額となったことから、年度業績予想を1000億円の赤字見通しに修正を余儀なくされています。
「夜明け近い」70周年、社員にどんな呼びかけを?
ただし「黒字達成を掲げて取り組んだことはコスト削減の力となって現れ、赤字幅を昨年度から4分の1まで縮めることが出来た訳で決して無駄なことではありません」(ANAホールディングス片野坂真哉CEO)とも。引き続き、全社を挙げて増収増益に取り組むとしています。
一方、片野坂CEOは挨拶文のなかで「夜明けは近い」とも。「航空需要は緩やかながらも回復に向かいます。今後も一時的に感染の再拡大が起こるかもしれない。しかし人々は動き出している。ビジネスで移動したがっている。旅行に行きたがっている」とし、「航空需要の回復をただただ待つのではなく、需要は創り出す」といいます。
ANAホールディングスの片野坂真哉CEO(2020年、乗りものニュース編集部撮影)。
同CEOは「夜明けを近づけるのは社員の底力」とし、来年度の黒字化予算策定に合わせて、コロナ禍の賃金減額からの復元について検討を開始し、計画に織り込んでいく考えとのこと。社員へは「今回思い切ったキャリア形成や人財育成に関するプランも示されています。エンゲージメントを高めていくためにも、若手社員、現場社員もどんどん意見を挙げて改革に参加してもらいたいと思います」と呼びかけます。
片野坂CEOは「70周年を迎える2022年は『寅年』。虎のように勇猛果敢に困難に立ち向かい、世界の夜明けに向かって羽ばたいて行きましょう」と締めくくりました。