かつてホンダから発売されていた原付「ダックス」1970年代に「モンキー」などとともにレジャーバイクとして一世を風靡し、2000年代に生産終了となりました。独特のフォルムで人気を博したダックスが新たな形で復活を遂げようとしています。

復活がささやかれるホンダ「ダックス」とは?

 1969(昭和44)年8月に発売され、2003(平成15)年に生産が終了したホンダ「ダックス」。およそ20年の時を超えて、2022年に“125cc”の原付二種で復活するという噂が、かねて存在します。

 ダックスといえば、メインモデルは50cc。1967(昭和42)年に発売された「モンキー」とともに、長らくホンダの50ccの歴史を支えた人気車種でした。

 ここ数年、ホンダでは、モンキーやハンターカブといったバイクが125ccの原付二種として再登場し、大ヒットとなっていますので、ダックスの復活にも期待がかかります。そもそもダックスとはどんなバイクだったのでしょうか。


ダックス(画像:ホンダ)。

モンキーに次ぐロングセラーバイクでした

 1969(昭和44)発売の初代「ダックス」は、50ccと70ccmの2車種がラインナップされていました。犬のダックスフントをモチーフにしたというルックスで、モンキーほどではないものの、地上からボディまででも70cm未満という小型で、ハンドルを折りたたむことができるなど、クルマに積める点を特徴としていました。また、当初はスーパーカブに搭載されていたエンジンが使われていました。

 その後、ダックスはクラッチ付4速ミッションを装備した「スポーツI」や走行性能をさらに高めた「スポーツII」が発売。さらに、1979(昭和54)年にはチョッパータイプが登場するなど、時流に沿ったマイナーチェンジを行い、多くのラインナップを擁しました。

 1970年代には、こうした小型のレジャーバイクがブームとなり、ホンダだけでなく、大手各社も使い勝手の良いレジャーバイクを発売しました。例えば、スズキの「バンバン」やヤマハの「チャピィ」などです。ライバルも多かったことから、「ダックス」もモデルチェンジを繰り返したのではないでしょうか。

 しかし、1981(昭和56)年にダックスは国内での販売が一時終了。そこから1995(平成7)年に復活するまで、14年間にわたって「ダックス」は市場から姿を消しました。

 復活した「ダックス」はメッキフェンダー、アップマフラー、折りたたみハンドルなど、初代を踏襲しつつも、3速自動遠心クラッチという操作のしやすさの間口を広げた一台でしたが、かつてほど人気は出ず、2003(平成15)年、生産が終了しました。

 そんなダックスは現在もカスタム車として根強い人気を獲得しています。125ccとしてどんな姿で登場するのか、今から楽しみです。