ビジネスジェットの定番になりつつある「ホンダジェット」シリーズ。2021年は納入200機目を超えるメモリアルイヤーとなったほか、新型についての大きな動きも見られました。

5月には新型発表

 Hondaの航空機事業子会社の米国ホンダ エアクラフト カンパニー(HACI)が手掛ける「HondaJet(ホンダジェット)」シリーズ。2021年は同シリーズにとって、納入200機目を超えるメモリアルイヤーとなったほか、大きな動きも見られました。


ホンダジェット エリートS(画像:ホンダ エアクラフト カンパニー)。

「ホンダジェット」シリーズは初期タイプが2015(平成27)年から本格運用をスタートし、ビジネスジェット業界に参入。2018年には派生型である「ホンダジェット エリート」を発表します。2017年以来、小型ジェット機カテゴリーにおいて4年連続で世界第1位を獲得し続けており、近年の「ビジネス・ジェット」分野における成功作のひとつにまで上り詰めました。

 なお、シリーズ通して、主翼上面にエンジンを設置する独自スタイルを採用し、これが外観上の最大の特徴でもあります。

 そして2021年5月、「ホンダジェット」シリーズの”新章”が始まります。最新型となる「ホンダジェット エリートS(HondaJet Elite S)」が発表されたのです。

新型のスペックとは? 10月には「大型化案」も

 2021年に発表された「ホンダジェット エリートS」は従来モデルから運用性能をさらに拡充。機体の最大離陸重量は200ポンド(約91kg)増加させ、より多くの荷物を搭載すること、あるいは燃料搭載量を増やし航続距離を最大120ノーティカルマイル(約222km)伸ばすことを可能としています。

 コックピットもアップグレードさせ、無線通信をテキストメッセージで行う機能や、パイロットの地上操縦時の負荷を軽減するシステムなどを導入。操縦性の向上が図られました。


「HondaJet2600コンセプト」(画像:ホンダ エアクラフト カンパニー)。

 そして10月、HACIは米国の民間航空見本市で「HondaJet2600コンセプト」を発表し、その実物大模型を公開。同社はその目的を「これまでのホンダジェットとは異なるセグメントに向けた新機種コンセプト機を、市場ニーズ検証のため展示」とし、これをそのまま実用化させるわけではない旨を名言しています。

 この「HondaJet2600コンセプト」はこれまでのものよりサイズアップ。全長は約17.6m(既存機は約13m)、全幅は全幅約17.0m(同約12.1m)で、乗員乗客数は最大11名。従来機の8名を大きく上回るとしています。航続距離はおよそ4862km。ロサンゼルス〜ニューヨークもカバーできる性能で、「全米をノンストップで大陸横断飛行できる世界初のライトジェット機」をうたいます。

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 2021年は既存機の改良版をデビューさせ、ますます”業界の定番機種”の座を固めつつある「ホンダジェット」シリーズ。2022年以降には、もっとスゴい新型機が誕生するのかもしれません。