激動! 鉄道駅の開業・廃止・改名・リニューアルを振り返る【できごと2021】
2021年は鉄道駅をめぐるさまざまなニュースがありました。開業・廃止から駅の改称など、一年のできごとを振り返ります。
駅の話題だけでも豊富だった2021年
2021年もまもなく終わりを迎えます。五輪開催や続くコロナ禍など、社会が大きく動いた一年でしたが、鉄道の駅でもいろいろなトピックがありました。
2021年3月13日に開業したJR奥羽本線の泉外旭川駅(乗りものニュース編集部撮影)。
●北海道でまたも大量廃止
2021年3月のダイヤ改正で、JR北海道では18駅が廃止になりました。函館本線では伊納駅、宗谷本線では南比布駅、北比布駅、東六線駅、北剣淵駅、下士別駅、北星駅、南美深駅、紋穂内駅、豊清水駅、安牛駅、上幌延駅、徳満駅。石北本線では北日ノ出駅、将軍山駅、東雲駅、生野駅が、釧網線では南斜里駅が廃止になっています。
つづく4月には、休止が続いていた日高本線の鵡川〜様似間が廃止。廃止区間の計24駅が営業終了となりました。
来年2022年3月にも宗谷本線の歌内駅をはじめ7駅の廃止が決定しています。
●「幻の駅」と化していた駅が廃止
同じく2021年3月には、奥羽本線の赤岩駅が廃止。といっても、2017年3月のダイヤ改正から通年で列車は一本も停まっていませんでした。
東北地方では、来年2022年3月に北上線の矢美津駅と平石駅が廃止予定です。
●新駅が続々改開業
2021年3月のダイヤ改正では、奥羽本線の秋田〜土崎間に「泉外旭川駅」、えちごトキめき鉄道日本海ひすいラインの糸魚川〜梶屋敷間に「えちご押上ひすい海岸駅」、土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線の球場前〜安芸間に「あき総合病院前駅」、ひたちなか海浜鉄道の平磯〜磯崎間に「美乃浜学園駅」がそれぞれ開業しています。
その他、富山地方鉄道富山港線では、富山駅〜インテック本社前間に「オークスカナルパークホテル富山前停留場」、インテック本社前〜奥田中学校前間に「龍谷富山高校前(永楽町)停留場」が開業しています。
あわせて、4月には横浜・桜木町に都市型循環ロープウェイ「YOKOHAMA AIR CABIN」が開業。起終点は「桜木町駅」と「運河パーク駅」になりました。
●駅のリニューアルが進む
渋谷駅では、JR山手線のホーム拡幅工事が10月に行われました。それに伴い、山手線は土日の2日間、池袋〜大崎間で内回り列車が運休。埼京線・湘南新宿ラインの線路上を走る新宿〜品川間の臨時列車が運転され、定期列車では特急「成田エクスプレス」しか乗車できない区間を走行したことで話題になったのも記憶に新しいところです。
新潟駅では、立体交差事業に伴う高架化と新駅舎工事が2020年から進められていましたが、万代口の駅舎の解体工事が夏ごろにほぼ完了。新駅舎の全貌が駅前広場から見えるようになりました。
駅名変更や新駅設置決定のニュースも
●「日本一長い駅名」が記録更新 わずか9ヶ月で「新たな王者」誕生
2021年の幕開けである1月1日のトピックが、富山地方鉄道富山軌道線の「富山トヨペット本社前(五福末広町)停留場」が「トヨタモビリティ富山 Gスクエア五福前(五福末広町)停留場」に改称したことでした。文字数25文字、読みでも32文字と駅名の長さは日本一。同年に同じく改称で誕生した、嵐電北野線の「等持院・立命館大学衣笠キャンパス前」駅を上回り、9ヶ月ぶりの記録更新となりました。
日本一長い駅名となった、富山地方鉄道の「トヨタモビリティ富山 Gスクエア五福前(五福末広町)停留場」(乗りものニュース編集部撮影)。
●駅名改称
駅名改称は上記の以外にも、3月に西武山口線・多摩湖線の「西武遊園地駅」が「多摩湖駅」に、同じく山口線の「遊園地西駅」が「西武園ゆうえんち駅」に。秋田内陸縦貫鉄道では「阿仁前田駅」が「阿仁前田温泉駅」に改称。6月には神戸新交通ポートアイランド線の「京コンピュータ前駅」が「計算科学センター駅」となっています。
●新駅の駅名決定
10月には、京葉線の新習志野駅と海浜幕張駅とのあいだに2023年春開業予定で設置工事を進めている新駅の駅名が「幕張豊砂(まくはりとよすな)」に決定しました。また、2024年春の開業をめざす北陸新幹線の新駅の駅名は「越前たけふ」に決定。北陸新幹線では初の「ひらがなを含む駅名」となります。これに合わせ、同じ読みである福井鉄道の越前武生駅は2023年度に「たけふ新」駅に改称される予定です。
●新駅設置決定
JR西日本は1月に山陽本線の姫路〜英賀保間に新駅を設置すると発表。3月にはJR九州が日豊本線の竜ヶ水〜鹿児島間に新駅を設置すると発表しています(2024年度開業予定)。
関東エリアでは、神奈川県と藤沢市、鎌倉市が2021年2月8日(月)、東海道本線の村岡新駅(仮称)設置についてJR東日本と合意し、覚書を締結したと発表しました。
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以上のように、2021年は駅に関しての話題が豊富でした。前述のように来年はJR北海道7駅とJR東日本2駅の廃止が決定。駅名改称や新駅開業なども予定されており、話題は事欠かないでしょう。