和知シェフの「片面チキンカツのタルタルソース添え」【秋野菜たっぷり!究極の肉レシピ #2】

一度で二度おいしい!カリサクに仕上げた鶏むね肉の片面カツ

新米の季節がやってきました!この時期、つやつやに輝く白いごはんを思い切り楽しむためにも、おかずのレパートリーを増やしたいという方も多いのでは?「匠のおうちレシピ」では、10月の特集テーマ「おいしい秋、見つけた」に合わせて、新米がすすむ肉料理を紹介します。

レシピを教えていただくのは、肉それぞれの特性に応じた調理法で多くの肉好きを魅了する、フレンチ・ビストロ「マルディグラ」の和知 徹シェフです。

2回目のレシピは、淡白な鶏むね肉をこってり風味に変身させる「片面チキンカツのタルタルソース添え」。旬を迎え甘味を増したかぼちゃと太ねぎ、そして手作りマヨネーズをアレンジしたタルタルソースを合わせます。

「鶏むね肉の魅力は、やはりお値段。淡白なむね肉をこってり系に変身させようと考えたのがこのレシピです。衣はサクッで皮はパリパリ。ひとつの料理でふたつの食感を体験できるって楽しいですよね。ぜひタルタルソースも手作りしてみてください」

材料(2人分)

調理時間:約30分

・鶏むね肉……600g
・卵……1個
・塩……6g(肉の1%)
・こしょう……小さじ1/4杯
・強力粉……適量
・パン粉……適量
・バター(有塩)……30g
・オリーブオイル……大さじ2杯
・乾燥パセリ……適宜

〈タルタルソース〉
・りんご……1/2個
・赤玉ねぎ……1/4個(お好みで増減を)
・卵黄……1個
a. マスタード……50g
a. 塩……小さじ1杯
a. こしょう……小さじ1/4杯
・酢……30g
・グラニュー糖……小さじ1杯
・サラダ油……230g

〈付け合わせ〉
・かぼちゃ……50g
・長ねぎ……1本

下準備

・フライパンを温める
・衣用の卵を溶きほぐす

チキンカツの衣に使う卵はコシを少しずつ切りながら、卵白と卵黄をやさしく混ぜていきます。

「ボウルのカーブに合わせるように、泡立て器を回転させながらかき混ぜてください。コシを切りすぎないように、卵がもったりした状態になるまで続けましょう。小ぶりのボウルと小ぶりの泡立て器を使うと便利ですよ」

作り方

1. 鶏むね肉に塩、こしょうをする

鶏むね肉に計量しておいた塩とこしょうをしっかり馴染ませます。まな板の上にこぼれたぶんも、残さず肉にをまぶします。

「鶏肉には1%、牛肉や豚肉には1.2%の塩が肉のおいしさを引き出してくれるベストな分量です。覚えておくといろいろな場面で便利です。塩加減がぴったりだと、料理の味がぶれずに、おいしくでき上がります」

2. 鶏肉に衣を付ける

1枚の皿の上で粉、卵、パン粉を鶏肉の身側だけに付けます。通常、衣付けは粉、卵、パン粉と3つのトレイを使って順番につけますが、こうすると手や調理台がベトベトになりにくいそうです。

まず、身側に強力粉を振りかけ、手を使ってペタペタとなじませます。側面にはつけなくてOKです。強力粉を使うことでカラッとシャープな衣になります。

「逆転の発想ですよ。粉も卵もパン粉も必要なぶんだけを使うのでお皿も汚れません。お肉1枚ずつこの作業を繰り返してください」

事前に溶きほぐしておいた卵液大さじ1杯ほどを同じ皿の上に広げ、強力粉をつけた身側にまんべんなく塗りつけます。

同じ皿にパン粉と乾燥パセリを入れて軽く混ぜます。鶏肉は卵液を付けた側を下にして上からしっかり押し、まんべんなくパン粉を付けます。

「お皿1枚分のスペースで、手も周囲も汚れないので片付けも簡単ですよ。

パン粉に乾燥パセリを使った理由はふたつ。生パセリだと使い切れないからもったいないことと、乾燥パセリは退色しないのできれいなグリーンが続くこと。いわゆる“映え”狙いです(笑)」

3. 鶏肉の身側を焼く

予熱をしていたフライパンにオリーブオイルを中火で温め、衣側を揚げ焼きします。肉を焼きはじめたらすぐに弱火にして、フタをします。じっくり火を通す間に、タルタルソースを作ります。

4. りんご、赤玉ねぎを切る

りんご、赤玉ねぎを5mm角ほどのさいの目切りにし、酢で洗います。

「お酢で洗うことで、りんごの色止めにもなります。タルタルソースにはピクルスを使ってもいいのですが、今回はりんごを使って甘酸っぱいやさしい味にしてみました。辛いのが苦手な方は玉ねぎの量を減らしてくださいね」

5. ボウルに卵黄と(a)を入れ、混ぜる

ボウルに(a)を入れ、泡立て器でよく混ぜます。卵液を混ぜたときと同じく、ボウルの壁面に打ち付けないように注意しながら、ボウルのカーブに合わせて泡立て器を動かしてください。

6. サラダ油を少量ずつ加えて、混ぜる

5にサラダ油を5~6回に分けて加え、均等に混ぜ合わせます。最初は混ざりにくいので、少量からはじめるのがコツです。

「混ぜていくうちに徐々に固くなっていきます。最終的に目指すのは、泡立て器の直立です(笑)!

小さい泡立て器はマヨネーズはもちろん、ドレッシング作りや卵を溶くときにも使いやすいので1本持っておくことをおすすめします」

「サラダ油を半分ほど加えたタイミングでお酢を加えるとマヨネーズになります。今回はりんごと赤玉ねぎをお酢で洗っているので、最後に一緒に混ぜ合わせます」

7. 隠し味のグラニュー糖を加える

隠し味にグラニュー糖を加えて合わせ、りんご、赤玉ねぎ、乾燥パセリを加えてよく混ぜます。

8. 3の焼き加減を確認し、裏返して皮面を焼く

ここでチキンの焼き加減をみてみましょう。こんがり焼き色がついている、側面が白くなっているなどが確認できたら裏返します。

その際、肉を少し脇に寄せて、かぼちゃ、長ねぎ、風味付けのバターを並べます。この日は片面を13分ほど焼きました。

9. 火の通りを確認する

金串や竹串で肉の内側の温度を確認します。温度でいうと55~60度が目安。自分の肌にあてて、お風呂より熱く感じる程度です。

肉の内部の温度確認するにはより正確に確認できる金串がおすすめです。肉に火が通ったら、完成です!

淡白な鶏むね肉がこってりジューシーなひと品に大変身!

こんがりと焼き上がった表面付近のこってり加減と、鶏むね肉本来のやさしい味わいの両方が楽しめるひと皿に仕上がりました!甘酸っぱいタルタルソースがチキンにマッチしたワクワク度の高いお料理で、ホクホクのかぼちゃや長ねぎも彩りを添えています。

「パン粉で包んで焼くので身はしっとりしているけど、皮面はパリパリ!でも、むね肉なので、そんなに重たくないはずです。まさに鶏むね肉のいいとこ取りをしたレシピだと思います。

ご紹介したタルタルソースはトーストしたパンにのせてもいいし、チーズにも合うし、ホクホクのじゃがいもに添えてもいいでしょう。自家製マヨネーズはいろいろな食材とアレンジできるので、今回のレシピをベースにオリジナルなものを作ってみてほしいです」

次回は「豚のスペアリブBBQソース」。添えるのは季節のフルーツです。こちらもぜひお楽しみに!


取材協力

店舗名:マルディグラ
郵便番号:104-0061
住所:東京都中央区銀座8-6-19 野田屋ビルB1
市区町村:中央区
町域:銀座8-6-19 野田屋ビルB1
定休日:日曜日
営業時間:平日ランチ12:00~15:00 (L.O.14:00)ディナー18:00~00:00 (L.O.23:00)土ランチ12:00~15:00 (L.O.14:00)ディナー17:00~23:00(L.O.22:00)祝ディナー17:00~23:00(L.O.22:00)※2021年10月現在、東京都の要請に伴いランチ12:00~14:00、ディナー17:00~21:00の営業です。
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