ロイド・ウェバーに犬を飼うことを決意させた映画『キャッツ』
 - Universal Pictures / Photofest / ゲッティ イメージス

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 猫好きで知られる英作曲家アンドリュー・ロイド・ウェバーが、自身の大ヒットミュージカルを映画化した『キャッツ』(2019)の出来にショックを受け、犬を飼うことになったとVarietyに明かした。

 ロイド・ウェバーは、「キャッツ」「オペラ座の怪人」「ジーザス・クライスト・スーパースター」「エビータ」などを生みだしてきたミュージカル界の巨匠。映画版『キャッツ』はデジタルテクノロジーによって猫化したキャストのビジュアルをはじめそのシュールさが酷評され、最低映画を決めるラジー賞では最多6部門で受賞するなど他を寄せ付けぬ強さを見せていた。ロイド・ウェバーによると、映画化権はアンブリン・エンターテインメントに売られ、スティーヴン・スピルバーグ監督がアニメーション映画化しようとしたものの実現せず、『レ・ミゼラブル』のトム・フーパー監督が実写映画化することになったのだが、それこそが間違いだったという。

 ロイド・ウェバーは「『キャッツ』は全てが間違っていた。なぜその音楽が鳴るのかということが全く理解されていなかった。あの映画を観て、わたしは『なんてこった』と思った。それで70数年生きてきて初めて、犬を買いに行ったんだ」と猫に絶望し、犬に救いを求めたと明かす。「だからあの映画が生んだ唯一のいい結果は、わたしが小さなハバニーズの子犬を手に入れられたことだ」

 子犬は新型コロナウイルスでのロックダウン中のいい相棒となり、1人と1匹は絆を深めていったとのこと。次にブロードウェイのあるニューヨークに行く際は、彼を同所まで連れて行く手はずも整えたのだという。「『わたしには彼が常に必要なんです。わたしは精神的にダメージを負っているため、この“セラピードッグ”を連れて行かなくてはいけないんです』と航空会社に連絡をした。そうしたら『本当に彼が必要か証明できますか?』と返信があったため、『はい、ハリウッドがわたしのミュージカル「キャッツ」に何をしたか見てください』と返すと、承認が下りて、『医師の診断書は必要ありません』と書いてあったよ」と語っている。(編集部・市川遥)