『おかえりモネ』に出演中の１７歳の注目女優・茅島みずきが、一度は落ちるも『おかえりモネ』に出演「朝ドラを観て泣いてから登校したことも。私も誰かの支えになったらいいな」
一昨年、ポカリスエットのＣＭヒロインに抜擢されて以降、ドラマ出演も増えた女優・茅島みずきが、１０月末の最終回に向けて佳境に入った『おかえりモネ』に出演している。演じたのは、気仙沼の人びとのために役立ちたいと意欲あふれる大学生・水野一花。デビューから２年、わずか１７歳ながら本人の夢であったNHKの朝ドラ出演。朝ドラへの思いや意外な素顔を聞いた。
――『おかえりモネ』の出演、おめでとうございます。
茅島 ありがとうございます。朝ドラは小さいときからお母さんと観ていて、日常のなかにあるものだったので、すごくうれしかったし、お母さんも喜んでくれました。
――お母さんといえば、茅島さんをオーディション（アミューズ全県全員面接オーディション２０１７〜九州・沖縄編〜）に誘って、女優になるきっかけを作った張本人ですよね。
茅島 そうです。そのとき最終審査が福岡で、地元の長崎から近かったので、家族全員で行ったんです。グランプリが発表されたときは、すぐお母さんを探してふたりでニコニコ喜んでいたのは今でも覚えてます。
あと、３つ上の兄がいるんですけど、当時は中学生と高校生でふたりとも思春期だったから、よく喧嘩してたんですよ。それでも応援に来てくれたので、私のことを応援してくれてるのかなって思いました。今回の朝ドラ出演も「よかったやん」って、無口なお兄ちゃんの中では最大限の応援をもらいました（笑）。
――当時の茅島さん自身は女優になろうとは思っていなかったんですよね。演技に興味をもったきっかけは？
茅島 事務所に入ってから同世代の方々とお芝居のレッスンを受けて、自分が１番下手で何もわからないって気づいたんです。私負けず嫌いなので悔しくて、もっとお芝居頑張ろうって思ったのが最初ですね。
――以前のインタビューでも負けず嫌いと仰ってましたね。
茅島 そうなんですよ。運動会のかけっこでも２位なら泣いていたし。あと私、水泳の息継ぎができなくて２３ｍしか泳げないんですよ。だから高校にプールがないとわかったときは喜んじゃいました。プールがなければ悔しくもないし、恥ずかしいところも見られないじゃないですか。
――見た目は大人っぽけど、やっぱり１７歳らしいですね（笑）。話が逸れましたが、デビューから２年でドラマのヒロイン役や映画出演など、いろいろなところで活躍していますね。
茅島 本当にありがたいなと思います。レッスンは前からしていたんですけど、実際に現場を経験させてもらって、この２年で役に対しての向き合い方など、すごく変わったと実感しています。
初出演した映画（『青くて痛くて脆い』）で、杉咲（花）さんに「役作りってどうするんですか？」って聞いたことがあるんですよ。そしたら「人に聞いてできるものじゃなくて、自分で感じたことが一番だよ」ってアドバイスをいただいて。、その言葉を一番大切にしています。
――他に印象的なお仕事はありましたか？
茅島 最近だと舞台『ロミオとジュリエット』ですね。いつかやりたいとは思っていたけど、こんなに早い段階で舞台に立たせてもらえることに驚きました。それから、演出の森（新太郎）さんには、たくさん厳しいことを言われたんですけど、そのおかげで自分が一歩成長できる機会になりました。
――舞台は生だし、セリフも多いので大きな経験になりそうですよね。
茅島 最初は声もしっかり出なくて、台本の読み合わせだけで、息が切れるくらい苦しくて苦しくて、大変でした。本番中も一度、トラブルがあって焦りました。ジュリエットって仮死状態になったあとに、自害するんですよ。でも、自害するための短剣が、死んでる間にどっか飛んでって無くなっちゃったんです。私は仮死状態で死んでて見てないから、どこにあるのかひたすら探して。でも無事に見つかりました（笑）。探している時間が永遠に感じました。
――すごいアクシデント！ 度胸がついたんじゃないですか？
茅島 あ、でも私、昔からあまり緊張しないんですよ。舞台の本番も初日は緊張しましたが、それ以降は落ち着いてできてましたし、オーディションでもほとんど固くなったりしないんです。小学生の頃からゴルフで全国大会などに出ていたので、人前に出ることに慣れているんだと思います。
――逆に最近、緊張した場面はあるんですか？
茅島 朝ドラはオーディションからリハーサル、本番とずっと緊張しっぱなしです。
ずっと家族で観ていたのもありますし、私自身も朝ドラで泣いたり感動したり、心を動かされる事がたくさんあったんですよ。だから自分も朝ドラに出て誰かの支えになったらいいなとか、元気になってもらえればいいなっていう気持ちがあって、朝ドラ出演は大きな目標のひとつだったんです。思い入れが強いからか、すごく緊張します。
――出演できると聞いたときのことは覚えていますか？
茅島 もともと朝ドラのオーディションは、かなり前に違う役で受けさせてもらっていたのですが。それは落ちちゃって、ずっといち視聴者として観てたんです。そうしたらマネージャーさんに事務所に呼ばれて。あまりお芝居がうまく出来ていないと感じていた時期だったので、「また何かオーディション落ちたのかな。何、言われるんだろう......」ってビクビクしてたら出演の話で。最初は全然理解できず、逆に「そうなんですね」って冷静なリアクションをしてしまいました。少しして理解が追いついてから、やっと喜べました。
――戸惑ってたんですね。東京から気仙沼に移住した大学生・水野一花を演じますが、どんな役なんでしょうか？
茅島 気仙沼で地域のために役立とうと奮闘する女の子で、弱い部分や葛藤は他人には見せずに、いつも笑顔で明るい大学生の役です。
――撮影で一番印象的だったのは誰なんでしょうか？
茅島 清原（果耶）さんです。リハーサルのときから熱心で、役について話し合うのをよく見かけていて、本番中も自分がどうしたら役に寄り添えるかとか、真剣に役に取り組む姿勢は本当に勉強になります。
また、緊張している私を見て「全然緊張しなくていいよ、一緒にお菓子食べながら頑張ろう」って気遣ってくれました。
――朝ドラ出演という夢が叶ったわけですが、最後に意気込みや今後の目標をお願いします。
茅島 ずっと朝ドラを観てきて、心温まるお話が多く、朝ドラって素敵だなって思っていました。『半分、青い』（２０１８年）を観ていたときは、物語の後半は泣きっぱなしで、泣きながら登校したこともありました。私も観てくださる方の心を動かせるようなお芝居ができればと思います。そして、いつか朝ドラにヒロインとして立てるように頑張ります。１０月からは『ＳＵＰＥＲ ＲＩＣＨ』（フジテレビ）も始まるので、ぜひ皆さんに観ていただけるとうれしいです！
■茅島みずき
２００４年７月６日生まれ 長崎県出身 身長１７０ｃｍ 特技＝ゴルフ（ベストスコア７０）
２０１７年に「アミューズ 全県全員面接オーディション２０１７〜九州・沖縄編〜」でグランプリを獲得。２１年には雑誌『Ｓｅｖｅｎｔｅｅｎ』専属モデルに。三菱パワー、積水ハウスなどのＣＭに出演中。１０月１４日からスタートする『ＳＵＰＥＲ ＲＩＣＨ』（フジテレビ、毎週木曜２２時〜２２時５４分※初回は２２時０８分スタート）に出演。
公式Ｉｎｓｔａｇｒａｍ 【@mizukikayashima_official】
取材・文／鯨井隆正 撮影／鈴木昭寿
