タクシーで「空車」でなく「SOS」表示!? 見かけたらどうすれば? 非常時の対応方法とは
タクシーの「SOS」表示!どんな時に押すの?
都心部では多くのタクシーが走っており、見かけることも多いでしょう。
そんななか、2021年9月に起きたタクシーの衝突事故では通常「空車」などと表示される部分に「SOS」が表示されていたということが話題となりました。
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では、タクシーのSOSはどのような場合に、表示されるものなのでしょうか。
2021年9月11日、東京都千代田区でタクシーと歩行者や自転車と衝突し、歩行者の70代女性が死亡、タクシー運転手の60代男性が意識不明の重体(のちに死亡)、このほか乗客の30代男性が重傷などといった痛ましい事故が起きました。
この事故では、タクシーは車道と歩道の間の街路樹に突っ込み、車両の状況を示す表示板が「SOS」の状態で停止していたといいます。
今回の事故では、タクシー運転手が意図的に押したのか、もしくは事故の衝撃により押されてしまったなどさまざまな憶測が見られていますが、一般的にはどういった状況の際にSOSが表示されるのでしょうか。
タクシーの表示板は、正式名称を「実空車表示機」と名付けられており、「スーパーサイン」とも呼ばれています。
通常、乗車可能なときは「空車」と表示されており、乗車することが可能となっています。
また、「割増」は多くのタクシー会社では夜の22時から翌朝5時までは通常の時間帯の2割増に料金が設定されているようです。
一方で、「賃走」と表示されている場合には、すでに乗客がいて利用中であり、タクシー会社によっては「実車」と表示されていることがあります。
このほか、表示板には「支払」「貸切」「回送」「予約」などさまざまな種類があります。
この表示板の種類のひとつに「SOS」という表示もあります。このSOS表示について、とあるタクシー会社は以下のように話します。
――SOS表示は、一般的にどういった状況時に押されるのですか?
SOS表示は、乗務員に危険がせまっていたり、お客さんとのトラブルがあった際に乗務員が表示させるものです。
SOS表示は、保安上の関係でスイッチの場所はいえません。ただ、タクシー会社によってボタンの位置は異なります。
――仮にSOS表示が押された際には、どのような仕組みになっているのですか?
まず、SOSのボタンが押されたら、表示板のところに「SOS」と表示され、タクシーの頭の行灯も赤く光るようになります。
SOS表示が押された時点で、配車センターにSOSを出しているという連絡がいきます。
歩行者や外にいる人は気づく可能性もあると思いますが、乗客がナイフを持っている場合や危険な状態もあるので、アクションを起こす際は車内を確認してから連絡するようにしたほうが良いでしょう。
――SOS表示が押された事例はありますか?
犯罪に巻き込まれたなどの緊急時に用いられることはあり、過去にそういった事例も見ています。
ただ、運転手が誤って押してしまったというケースも稀にあります。
このためSOS表示が出ているからといってすぐに連絡するのではなく、なにかトラブルに巻き込まれてそうな状況かどうかを確認したうえでおこなうのが良いと思います。
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そのほか、タクシーの防犯対策について、ドライブレコーダーの設置や、防犯板の設置が挙げられるといいます。
新型コロナ禍になってからは、コロナ対策を含めてアクリル板を強化したうえで設置しているとのことです。
2017年には、熊本タクシー株式会社がSNSで「タクシーで緊急用のSOSサインを見たら乗務員の命を守ることにもなるので防犯にご協力いただけると幸いです」といったSOS表示についての投稿をして、話題となっていました。
SOS表示は、一般的に緊急時などタクシーの乗務員が危険な状態の際に用いられる表示であるため、今後SOS表示を見かけた際には、タクシーの車内の状況を確認したうえで、対応するのが良いでしょう。