日本HPは9月9日、ゲーミングPCの16.1型ノートPC「OMEN 16」、17.3型ノートPC「OMEN 17」、新ブランドとなる16.1型ノートPC「VICTUS 16」を発表しました。2021年内の発売予定で、直販サイトのHP Directplus価格は132,000円から。同時に「OMEN Gaming Hub」の新機能として、ウォッチパーティ用ソフト「OMEN OASIS」日本語版のリリースを発表しました。

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コロナ禍でユーザーの在宅時間が増えたことから、日本のゲーム市場は大幅に拡大しました。また、仕事やコミュニケーションでも家庭にPCが不可欠になったこともあって、家庭内でPCゲームを楽しむユーザーが増えています。とはいえ海外と比べてコンソールゲームが強いことや、若年層のPC所有率が低いこともあり、日本国内のPCゲーム市場はまだまだ伸び代の大きい領域。日本HPは国内PCゲーム市場を拡大するべく、新製品としてOMEN 16/17と新ブランドVICTUSを投入します。

OMENとVICTUSのブランドの位置付けは、OMENがよりエンスージアスト向け、VICTUSがよりカジュアル向けとなり、メインストリームは両者が重なる部分となります。

OMENとVICTUSの位置付け


OMENノートPCは、16.1型と17.3型で、16.1型の「OMEN 16」にはAMDモデルとIntelモデルの2タイプがあります。

○グラフィックを強化した「OMEN 16」

AMDモデルはCPUにAMD Ryzen 7 5800Hを搭載。アドバンスモデルとアドバンスプラスモデルの2ラインナップで、アドバンスモデルではグラフィックスにAMD Radeon RX 6800Mを採用することで、100fpsのハイパフォーマンス、AMD FreeSync Premium対応、最大9時間のバッテリー駆動時間となっています。

アドバンスプラスモデルでは、グラフィックスがAMD Radeon RXT 3070 Laptop、バッテリー駆動時間は最大6時間となります。HP Directplus価格は220,000円〜です。

OMEN 16(AMD)


OMEN 16(AMD)の天面


OMEN 16(AMD)の側面


Intelモデルは、スタンダードモデル、パフォーマンスモデル、ハイパフォーマンスモデルという3つのラインナップ。HP Directplus価格は198,000円〜です。

スタンダードモデルはCPUがIntel Core i5-11400H、メモリが8GBで、グラフィックスはNVIDIA GeForce RTX 3060 Laptop 6GB、バッテリー駆動時間は最大5時間。

パフォーマンスモデルはCPUがIntel Core i7-11800Hとなり、メモリが16GB、ディスプレイがテュフ・ラインランド Eyesafe限定ディスプレイとなるほかは、スタンダードモデルと共通です。

テュフ・ラインランド Eyesafe限定ディスプレイは、ちらつきのないフリッカーフリーディスプレイに、ハードウェアレベルで波長の短いブルーライトをカットしつつ、自然な色味を再現する目に優しいディスプレイになっています。

ハイパフォーマンスモデルはストレージが1TBで、グラフィックスがNVIDIA GeForce RTX 3070 Laptop 8GB。最大解像度は2,560×1,440ドットのQHDとなり、最大リフレッシュレート165Hz、応答速度は3ms、NVIDIA S-SYNC対応。バッテリー駆動時間が最大5時間30分となり、ほかはパフォーマンスモデルと共通です。

OMEN 16(インテル)


OMEN 16(インテル)の天面


OMEN 16(インテル)の側面


OMEN 16/17で共通の注目ポイントは、ディスプレイを強化したモデルがラインナップされていること。OMEN 16(Intel)のハイパフォーマンスモデルとOMEN 17では、最大解像度はフルHD(1,920×1,080ドット)からQHD(2,560×1,440ドット)へ、リフレッシュレートは144Hzから165Hzへ、応答速度も7msから3msへと強化し、NVIDIA S-SYNCにも対応しています。先述のテュフ・ラインランド Eyesafe限定ディスプレイは、OMEN 16(Intel)のスタンダードモデル以外のすべてで採用しています。

OMEN 16とOMEN 17にディスプレイ強化モデルを用意しています


OMEN 16では、ファンブレードの枚数を従来の2倍にしてエアフローを強化。底面の吸気口占有率を約69%に増大し、キーボードの表面温度はOMEN 15と比較して-3.2℃という冷却性能を実現しています。

また、OMEN 16とOMEN 17では、標準搭載のゲームユーティリティ「OMEN Gaming Hub」上から赤外線サーモパイルセンサーでPC各部の温度を測定してファン速度などを調整。本体内やキーボード上の温度を下げるとともに、ムダな冷却が不要になることでパフォーマンスを維持しやすくなり、ユーザー体験を向上するとしています。日本HPいわく「ゲーム中はパフォーマンスモードを利用するのがオススメ」とのこと。

OMEN Gaming Hub上からPC各部の温度を測定して全体のパフォーマンスを維持


なお、AMDモデルとIntelモデルはデザインにも区別があり、AMDモデルは本体カラーがマイカシルバーで、キーボード右下に入るタトゥーがアウトラインタトゥーになっています。Intelモデルは本体カラーがシャドウブラックで、タトゥーはグロスタトゥーです。

○デスクトップの性能を持ち歩ける「OMEN 17」

OMEN 17は、パフォーマンスモデルとエクストリームモデルの2ラインナップ。HP Directplus価格は319,000円です。

パフォーマンスモデルはCPUがIntel Core i7-11800Hで、メモリは16GB。グラフィックスがNVIDIA GeForce RTX 3070 Laptopとなっています。バッテリー駆動時間は最大5時間。

エクストリームモデルはCPUがIntel Core i9-11900Hで、メモリが32GB。グラフィックスがNVIDIA GeForce RTX 3080 Laptopとなり、NVIDIA G-SYNCに対応します。ほかはパフォーマンスモデルと同じです。

OMEN 17


OMEN 17の天面


OMEN 17の側面


OMEN 17では、デスクトップのパワーをどこにでも持って行けることをコンセプトに、ハイパフォーマンスなスペックを誇ります。ユニークなポイントとしては、光学検出機能付きのメカニカルスイッチキーボードが挙げられます。応答速度0.2ms、キーストローク1.3mmで、日本HPの担当いわく「タイピング時の感覚は茶軸に近い」そうです。

OMEN 17では光学検出機能付きメカニカルスイッチキーボードを採用。すべてのキーがロールオーバーとアンチゴーストに対応します


OMEN 17においても、ファンブレードの枚数を2017年モデルと比較して41%アップ。底面の吸気口占有率も同じく14%増。キーボードの表面温度は同-5℃を達成しています。

OMEN 16(AMD)の主な仕様は以下の通り。

OS:Windows 10 Home 64bit

CPU:AMD Ryzen 7 5800H

グラフィックス:AMD Radeon RX 6800M/AMD Radeon RXT 3070 Laptop

メモリ:16GB

ストレージ:M.2 NVMe 512GB SSD

ディスプレイ:16.1型FHD(1,920×1,080ドット)

本体サイズ:W369.2×D248×H23mm

重さ:約2.31kg

OMEN 16(Intel)の主な仕様は以下の通り。

OS:Windows 10 Home 64bit/Windows 11 Home 64bit

CPU:Intel Core i5-11400H/Intel Core i7-11800H

グラフィックス:NVIDIA GeForce RTX 3060 Laptop/NVIDIA GeForce RTX 3070 Laptop

メモリ:8GB/16GB

ストレージ:M.2 NVMe 512GB SSD/M.2 NVMe 1TB SSD

ディスプレイ:16.1型FHD(1,920×1,080ドット)/QHD(2,560×1,440ドット)

本体サイズ:W369.2×D248×H23mm

重さ:約2.31kg

OMEN 17の主な仕様は以下の通り。

OS:Windows 10 Pro 64bit

CPU:Intel Core i7-11800H/Intel Core i9-11900H

グラフィックス:NVIDIA GeForce RTX 3070 Laptop/NVIDIA GeForce RTX 3080 Laptop

メモリ:16GB/32GB

ストレージ:M.2 NVMe 1TB SSD

ディスプレイ:17.3型QHD(2,560×1,440ドット)

本体サイズ:W397.1×D262×H29.5mm

重さ:約2.78kg

○見た目はオーソドックスでも、中身はゲーミングPCの性能「VICTUS 16」

新たなブランド「VICTUS」は、ゲーミングPCは初めてというユーザーや、ゲーム以外の用途にも広く使いたいユーザー向け。たとえばセラミックホワイトの本体カラーは、ゲーミングPCらしいカラーリングが苦手な層にも受け入れやすいデザインです。今回は16.1型のみ投入されます。

VICTUS 16はゲームだけでなく、写真や動画の編集、ビデオ会議など、マシンパワーを必要とする作業にも使いやすいモデル


OMENではキーボードにテンキーが設けられていますが、VICTUSではテンキーを省いており、一般的な15.6型ノートPCとほぼ同じサイズながら16.1型ディスプレイを搭載。スタイリッシュな外観です。底面には5方向エアフローと4本のヒートパイプを内蔵するなど、内部の主要な構成にはOMENと共通のコンポーネントを用いており、ゲームプレイに不安はありません。VICTUSノートPCは、OMENと同様にAMDモデルとIntelモデルの2タイプを用意しています。

VICTUS 16(AMD)は、モデレートモデル、モデレートプラスモデル、アドバンスモデルの3ラインナップ。HP Directplus価格は132,000円〜です。

モデレートモデルはCPUがAMD Ryzen 5 5600Hで、メモリは8GB、グラフィックスはNVIDIA GeForce GTX 1650 Laptop 4GB、バッテリー駆動時間は最大8時間30分。

モデレートプラスモデルはメモリが16GB、グラフィックスはNVIDIA GeForce RTX 3050 Laptopを採用し、重量が200g増えるほかは、モデレートモデルとほぼ共通です。

アドバンスモデルはCPUがAMD Ryzen 7 5800Hとなり、グラフィックスにNVIDIA GeForce RTX 3060 Laptop 6GBとなるほかは、モデレートプラスモデルと同様となります。

VICTUS 16(AMD)


VICTUS 16(AMD)の天面


VICTUS 16(AMD)の側面


VICTUS 16(Intel)は、スタンダードモデルとパフォーマンスモデルの2ラインナップ。HP Directplus価格は165,000円〜です。

スタンダードモデルはOSがWindows 10 Home(無料アップグレード対応)で、CPUはIntel Core i5-11400H、グラフィックスはNVIDIA GeForce RTX 3050 Laptopです。バッテリー駆動時間は最大5時間30分。

パフォーマンスモデルはOSがWindows 11 Home、CPUはIntel Core i7-11800H、グラフィックスはNVIDIA GeForce RTX 3050 Ti Laptopになります。メモリ容量はスタンダードモデルと同じ16GBですが、スタンダードモデルがDDR4-2933なのに対し、パフォーマンスモデルはDDR4-3200となっています。

VICTUS 16(インテル)


VICTUS 16(インテル)の天面


VICTUS 16(インテル)の側面


VICTUS 16(AMD)の主な仕様は以下の通り。

OS:Windows 10 Home 64bit

CPU:AMD Ryzen 5 5600H/AMD Ryzen 7 5800H

グラフィックス:NVIDIA GeForce GTX 1650 Laptop/NVIDIA GeForce RTX 3050 Laptop/NVIDIA GeForce RTX 3060 Laptop

メモリ:8GB/16GB

ストレージ:M.2 NVMe 512GB SSD

ディスプレイ:16.1型FHD(1,920×1,080ドット)

本体サイズ:W370×D260×H23.5mm

重さ:約2.46kg/約2.48kg

VICTUS 16(Intel)の主な仕様は以下の通り。

OS:Windows 10 Home 64bit/Windows 11 Home 64bit

CPU:Intel Core i5-11400H/Intel Core i7-11800H

グラフィックス:NVIDIA GeForce RTX 3050 Laptop/NVIDIA GeForce RTX 3050 Ti Laptop

メモリ:16BG

ストレージ:M.2 NVMe 512GB SSD

ディスプレイ:16.1型FHD(1,920×1,080ドット)

本体サイズ:W370×D260×H23.5mm

重さ:約2.48kg

○友人と同じ部屋で遊んでいる感覚になる「OMEN OASIS」

OMEN Gaming Hubには新たに「OMEN OASIS」を追加。これは最大16人のウォッチパーティを開けるツールで、プレイ中のゲーム画面の周囲にパーティメンバーやテキストチャットが表示され、高品質の音声で会話が楽しめるようになっています。

OMEN OASISはOMEN Gaming Hubと同様、無料で提供され、日本HPのPCでなくてもインストールできます。日本語版のリリースは10月以降を予定しており、OMEN Gaming Hubのアップデートによって提供されます。リリース済みの英語版は無料でダウンロード可能です。OMEN OASISの開発コンセプトは「友達の家でみんな一緒にゲームしている雰囲気の再現」とのこと。オンラインの楽しみ方が広がるのは歓迎です。

OMEN OASISの画面イメージ


OMEN Gaming Hubの新しい構成。ゲーミングPCに求められるさまざまな機能をワンストップで提供