自ら考案した新種目「Sprint50」に参加し、5秒87で駆け抜ける桐生祥秀【写真:荒川祐史】

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五輪後初レース・ANG福井では男子100メートルに出場予定

 陸上のアスリートナイトゲームズ(ANG)イン福井が28日、福井県営陸上競技場で開催された。競技に先立ち、東京五輪の男子400メートルリレー日本代表・桐生祥秀(日本生命)が自ら考案した新種目「Sprint50」を実施。小学生6人と50メートル走をベースにした新たなスプリント種目で対決し、5秒87(向かい風1.4メートル)を叩き出した。

 トラックに姿を見せ、観客から拍手を受けた桐生は「ここで一番取った人が(この種目の)世界記録でもある。真剣にタイムを狙っていきたい」と意気込んだ。迎えたレースで桐生はスタートから飛び出して一気に加速。後続を突き放し、5秒87でフィニッシュした。ゴール後は競った小学生とグータッチで交流していた。

「Sprint50」は日本の学校体育では馴染みが深い50メートル走をベースに、スターティング・ブロックを使用しないなど独自のルールを採用。競技や種目などの隔たりを無くし、全ての人々がチャレンジできるための競技フォーマットとして桐生が考案した。

 イベントが行われた福井県営陸上競技場は、桐生が東洋大4年だった2017年9月、日本学生対校選手権100メートルで日本人初の9秒台となる9秒98を叩き出した思い出の場所。スタジアムの愛称も「9.98スタジアム」となっている縁ある競技場を、初開催の場所に選んだ。

 桐生はこの後、ANGの男子100メートルに出場予定。東京五輪は個人での代表入りを逃し、400メートルリレーの第3走者を務めたが、6日に行われた決勝では前走でバトンミスが起きたことにより走ることなく終わった。今大会は五輪後では初レースとなる。(THE ANSWER編集部)