IMFレポート:ECBの利上げ余地は限られる=来年以降の域内経済の減速で
XFN-ASIAによると、IMF(国際通貨基金)は7日、ユーロ圏に関する最新レポートを発表し、その中で、ユーロ圏経済が来年から減速に向かう見通しであることから、ECB(欧州中央銀行)による利上げ余地は限られるとの見方を明らかにした。
折しも、ECBは8日にスペインのマドリッドで金融政策理事会を開き、政策金利(現行2.50%)を0.25―0.50%ポイント引き上げると市場関係者は予想しているが、IMFの「ユーロ圏の政策に対するIMFの使命」と題する同レポートでは、「CPI(消費者物価指数)の総合物価指数は2008年に+2.0%を下回る水準に落ち着くと予想される。インフレ期待は抑制され、インフレリスクも低いだろう」とし、その上で「金融市場では先行きの不透明感が増しているのに加え、ユーロ相場の最近の上昇を見れば、利上げは慎重に行うべきだ」と述べ、利上げが行き過ぎないようクギを差している。
また、ユーロ圏の景気回復は、「(直近では景気回復の)勢いは増しているが、2007年以降については疑わしい」と警告している。さらに「2006年の実質GDP(経済成長率)は+2.0%近辺で推移するのが標準シナリオ。しかし、(2007年には)+2.0%以上の景気拡大は、一時的には可能でも、相当な逆風がある中では持続することは難しいと思われる」との見方を示している。IMFは「逆風」について、ユーロ高のほかに原油高、生産性の伸び悩み、2010年に始まると予想されている人口の減少を挙げている。【了】
折しも、ECBは8日にスペインのマドリッドで金融政策理事会を開き、政策金利(現行2.50%)を0.25―0.50%ポイント引き上げると市場関係者は予想しているが、IMFの「ユーロ圏の政策に対するIMFの使命」と題する同レポートでは、「CPI(消費者物価指数)の総合物価指数は2008年に+2.0%を下回る水準に落ち着くと予想される。インフレ期待は抑制され、インフレリスクも低いだろう」とし、その上で「金融市場では先行きの不透明感が増しているのに加え、ユーロ相場の最近の上昇を見れば、利上げは慎重に行うべきだ」と述べ、利上げが行き過ぎないようクギを差している。
また、ユーロ圏の景気回復は、「(直近では景気回復の)勢いは増しているが、2007年以降については疑わしい」と警告している。さらに「2006年の実質GDP(経済成長率)は+2.0%近辺で推移するのが標準シナリオ。しかし、(2007年には)+2.0%以上の景気拡大は、一時的には可能でも、相当な逆風がある中では持続することは難しいと思われる」との見方を示している。IMFは「逆風」について、ユーロ高のほかに原油高、生産性の伸び悩み、2010年に始まると予想されている人口の減少を挙げている。【了】