こんなに赤くて大丈夫? 大量のラー油に覆われた「勝浦タンタンメン」カップ麺、食べてみた!
マニアと味わう「ご当地カップ麺」の世界
第六十回 エースコック「勝浦タンタンメン」 文・写真:オサーン
カップ麺ブロガーのオサーンです。「ご当地カップ麺」をレビューする連載の第六十回目となる今回は、エースコックの「勝浦タンタンメン」を紹介します。
「勝浦タンタンメン」は千葉県勝浦市のご当地ラーメンで、B級グルメの定番としておなじみです。
B-1グランプリの常連
千葉県南房総の勝浦市で供されている「勝浦タンタンメン」は、「タンタンメン」とは言っても、一般的な担々麺に入っている練りごまや芝麻醤を用いません。醤油ベースのスープにラー油で炒めた挽肉や玉ねぎがのった真っ赤なスープが特徴です。
監修は、「熱血!!勝浦タンタンメン船団」。「勝浦タンタンメン」を活用したまちおこしを行う団体で、B級グルメの祭典である「B-1グランプリ」の常連として知られています。
2015年の第10回大会ではゴールドグランプリを獲得し、B級グルメの頂点に立ちました。
このご当地麺は現在、40以上のお店で供されるとともに、カップ麺やお菓子など、多くの派生商品を生み出しています。10年に寿がきや食品がいち早くカップ麺を発売し、その後、11年にはエースコックが「熱血!!勝浦タンタンメン船団」監修のもと商品化。両者ともB-1グランプリを制覇する以前に発売されており、先見の明があったと言っても良いかもしれませんね。
内容物を確認
定価税別240円とやや高額ですが、液体スープ・後入れ粉末スープ・かやくの3つの別添袋と黄色味の強いノンフライ麺が入っており、本格的な構成となっています。
先入れのかやくを麺の上に開けた状態。「勝浦タンタンメン」の大きな特徴である刻み玉ねぎがたくさん入っています。他に、肉そぼろやねぎが入っていました。
ラー油で真っ赤に染まるスープ
スープのベースは鶏ガラで、かつおの風味や玉ねぎの甘みが感じられる醤油味。「勝浦タンタンメン」はB級グルメの代表として比較的新しいイメージがありますが、実は1950年代から勝浦で食べ続けられている歴史ある麺料理で、ベース部分からは古き良き中華そば的な懐かしさが感じられました。
スープ表面には大量のラー油が浮き、猛烈に赤いです。ここまで真っ赤だと、シャアなら3倍どころか10倍くらい速くなりそうだし、ドラクエならメラやメラミではなくメラゾーマレベル。
「勝浦タンタンメン」は、漁師町・勝浦で漁師や海女さんが仕事で冷えた体を温めるためのメニューとして定着した経緯があるそうで、これだけ真っ赤なラー油がたくさん入っていると、確かに体がポカポカ温まりそうです。また、ラー油の多さでこってり感も強いです。
真っ赤なので「超」のつく激辛に見えますが、実際にはそこまでは辛くはなく、辛口程度の常識的な辛さに留まっています。ラー油の焙煎胡麻の風味もそれほど強くなく、ラー油一辺倒にはならずにベースの鶏ガラ醤油味をしっかり引き立てていました。
辛味と懐かしい味わいが両立
麺は、中細ストレートのノンフライ麺。細い割に弾力がしっかりある多加水麺食感と黄色味の強さが特徴。勝浦タンタンメンは、麺に特に定義はないため、お店によって様々な麺が用いられており、中には中華麺ではなくパスタを使用しているお店まであるそうです。今回は「勝浦タンタンメン」発祥のお店とされる「江ざわ」の麺に近そうです。
匂いの強い油揚げ麺ではなくノンフライ麺を用いることで、スープの繊細な鶏ガラがきちんと感じ取れ、辛味と懐かしい味わいの両立に一役買っていました。
刻み玉ねぎがたくさん
具として入っているのは、刻み玉ねぎ、大豆そぼろ、そしてねぎ。刻み玉ねぎの量の多さが際立っており、なかなかボリュームがあります。
「勝浦タンタンメン」の特徴である炒めた玉ねぎや挽肉ではありませんが、雰囲気はきちんと出ていました。
さすが大本営「熱血!!勝浦タンタンメン船団」が監修した商品だけあり、具の玉ねぎや挽肉が炒めたものではないこと以外には特に欠点が見当たらない、「勝浦タンタンメン」の雰囲気を味わうのは十分すぎる素晴らしいカップ麺でした。
「勝浦タンタンメン」は「竹岡式ラーメン」や「アリランラーメン」とともに、「千葉三大ラーメン」の一角とされており、いずれもコアなファンの多いラーメンなのですが、都心から交通機関で行くには難しい立地なのが難点。
いずれカップ麺を通してこれらのラーメンもご紹介できればと思います。