誰しも、自分が小さい頃の「最も古い記憶」を覚えているはず。その記憶が何歳の時のものであるかは個人によって異なりますが、新たな研究により、「最も古い記憶とされるものは、自分が考えているよりも1年昔の出来事かもしれない」という可能性があることがわかりました。

Full article: What is your earliest memory? It depends

https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/09658211.2021.1918174



What Is Your Earliest Memory? Can Start From the Age of Two-and-a-Half According to New Research

https://scitechdaily.com/what-is-your-earliest-memory-can-start-from-the-age-of-two-and-a-half-according-to-new-research/

ニューファンドランドメモリアル大学の心理学者であるキャロル・ピーターソン氏は研究で、多くの人々が仮に「3歳の時の出来事」として覚えているものは、実は「2歳の時の出来事」であるかもしれないことを明らかにしました。

ピーターソン氏が300人以上の子どもから「最も古い記憶」を聞き出して親の記憶と照合したところ、4歳になる以前の出来事について話した子どもはその出来事が起こった日付を実際より後だと勘違いしており、反対に4歳以降の出来事について話した子どもはその出来事が起こった日付を実際より前のことだと考えていたとのこと。さらにこの調査の2年後と8年後に同じ対象者に再度質問したところ、ほとんどの回答に最初の回答との日付のズレがあり、平均して1年半遅い日付を回答していたとのことです。この研究は既存の「人が持つ最も古い記憶の平均年齢は3.5歳」という研究に1年の誤差があり、人間が持つ最も古い記憶は平均で2.5歳頃のものであることを示唆しています。

さらに、「最も古い記憶」として最初に話した出来事のことを再び尋ねられた時に、それを覚えている子どもは少なかったものの、記憶の手がかりを与えることで思い出すことが多かったとのこと。また、かなりの数の子ども、青年、成人が前回は話していないような「さらに古い記憶」をも思い出すことがあったため、ピーターソン氏は「理由は不明ですが、記憶の中の何らかの要素が別の記憶を思い出す手がかりとなっていることは確かです」と述べています。



ピーターソン氏は「人々が覚えている最も古い記憶は実際は1年以上早い日付のものである可能性があります。また、人々は就学前の記憶を忘れがちですが、いくつかの質問を重ねることで古い記憶を思い出させることは比較的簡単であるように思われます」と述べています。