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刑事施設に収容されている人が、自身が収容中に受けた診療記録(カルテ)の開示を求められるかどうかが争われていた国賠訴訟で、最高裁第三小法廷は6月15日、診療記録も開示請求の対象になると初判断した。

請求の対象外とした原審を破棄した形で、東京高裁に審理を差し戻し、国賠法上の責任の有無などを審理する。

訴えていたのは当時、東京拘置所に未決拘禁者として収容されていた男性。歯の不調を訴えたものの、治療してもらえなかったことから、カルテを請求したが不開示とされていた。

「行政機関個人情報保護法」では、本人であっても刑事裁判などについての保有個人情報は開示の対象外とされており(45条1項)、拘置所内のカルテがこれに該当するかが争われていた。

判決後の会見で男性側代理人は、

「被収容者自身のカルテという、入手できて当然の医療情報の開示を、これまで長い間、国が拒んできたことは重大な問題である」

「カルテの開示が本人になされることで、一般社会と同水準の医療が提供されるようになることを望む」

などとコメントした。ただし、開示請求の対象とは認められたものの、常に全面開示とはならない可能性もあるとの見解を示した。