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 明治15年、浅草の『神谷バー』で誕生したブランデーベースのカクテル「電気ブラン」。当時の文豪たちに愛された一杯は、太宰治の「人間失格」にも登場し、世代を超えてもなお愛されている名酒です。

 特にあがた森魚の楽曲「電気ブラン」で登場する「一口天国 二杯で地獄 三杯呑んだら あの世行き」という強烈な歌詞が印象的で、一体どんな味なのだろうかと、「アブサン」と同様に憧れた人も多いでしょう。

 琥珀色でほんのり甘い味わいが特長で、アルコール度数が高いので飲みすぎは禁物。ブランデーの他にジンやワイン、薬草などをブレンドしています。そんな「電気ブラン」ですが、観光客が減少した浅草の新名物として、レーズンサンドに活用した商品が登場しました。

浅草の新名物! 「電気ブランレーズンサンド」を食べてみた

7個入り 1240円(税込)

「電気ブランレーズンサンド」は「神谷バー」や、「浅草レーズンサンド」で有名な『製菓川喜多』、電気ブランを製造する『合同酒精』、『生産者直売のれん会』の4社が合同で作り上げた浅草の新名物です。

 2020年6月から催事などを中心に販売がスタート。メディアで取り上げられたことをきっかけに、長らく品切れ状態が続いていましたが、生産が復活したとのことで早速お取り寄せしてみました。

 粒の大きなサルタナレーズンを「電気ブラン」で漬け、まろやかなクリームとともにサンド。ラム酒で漬けたラムレーズンよりもやさしい甘みと、柔らかなアルコール感が絶妙です。サクサクのバター風味のクッキーがこれまた上品。

 アルコール分0.6%の大人仕様で甘さも程よいので、お酒好きの方はもちろん、普段スイーツを食べないという男性へのギフトにも重宝しそう。

 ちなみに、電気ブランの“電気”は、電気がまだめずらしかった時代に誕生したからという理由と、40度以上と高アルコールで電気のようにビリッと刺激的なお酒ということから、「電気ブラン」のネーミングで愛されたのだそうです。

「電気ブラン」は、日本のバー文化や昭和の歴史を語る上では外せない存在です。まだ飲んだことがないという人も、「電気ブランレーズンサンド」でぜひ、その魅力に触れてみてはいかがでしょうか。

(撮影・文◎亀井亜衣子)

●DATA

『浅草 製菓川喜多』 電気ブランレーズンサンド

https://www.s-kawakita.co.jp/products.html