春の叙勲 栃木県関係52人 JA栃木中央会・郄橋会長など受章
春の叙勲が29日に発表され、栃木県関係では52人が受章しました。
政治や企業経営などでの功績をたたえる旭日章に12人、公共の仕事に長年携わり優れた成果をあげた人に贈られる瑞宝章に40人が選ばれました。
日本一の生産量を誇るイチゴにかんぴょう、高級ブランドの和牛など全国有数の農業県の栃木県。
栃木の農業を長年引っ張ってきたリーダー、JA栃木中央会・代表理事会長の郄橋武さん(71)が旭日小綬章を受章しました。
県内のJAグループを束ねる中央会の会長は郄橋さんで9代目。
郄橋さんは、真岡高校、県農業大学校を卒業後、20歳の時に地元真岡市で菊の栽培を始めました。
JAはが野代表理事組合長などを経て、中央会の会長に就いたのが2012年でした。
この時、栃木の農業は東京電力福島第1原子力発電所の事故による風評被害の損害賠償、環太平洋連携協定・TPP問題に大きく揺れていました。
郄橋さんはグループの代表として何度も国や東電に足を運び、要望や交渉を行ってきました。
一方で、子どもたちへの食育に力を入れたり、県内を網羅するグループの強みを生かして行政との連携を密にしたりしてきました。
うれしい出来事の一つが、天皇の皇位継承に伴う重要祭祀・大嘗祭で使われるコメに県産ブランドの「とちぎの星」が選ばれたことです。
郄橋さんも時代が変わる節目の儀式に参加しました。
もう一つ、3月末には県内で行われた東京オリンピックの聖火ランナーを務めました。
会長の任期は今年6月までで、その後は、いち生産者として恩返ししていくことが夢と郄橋さんは語ります。