国の特別天然記念物で絶滅危惧種の二ホンライチョウについて、野生の個体を安全な環境で繁殖させ、将来的に野生に戻す施設が那須どうぶつ王国で造られています。

施設の内部が28日、報道陣に公開されました。

二ホンライチョウは北アルプスなど本州中部の高山帯で生息していますが、野生での個体数が減少していて国の特別天然記念物に指定されています。

那須どうぶつ王国では環境省と協力し二ホンライチョウの保護増殖事業に取り組んでいて、これまでもライチョウのふ化などを行ってきました。

今回、建設を進めているのは野生のライチョウを家族ごと連れてきて安全な環境で飼育し、将来的には野生に戻すための施設です。

なお施設は一般には非公開です。屋外エリアには、生息環境の高山帯に似せたゴツゴツした岩場にライチョウが天敵の猛禽類から身を隠したり根元に巣を作ったりするハイマツの木が植えられています。

一方、屋内エリアは高温や感染症に弱いライチョウを守るため空調や空気清浄機を完備しています。

総事業費はおよそ2,500万円で全額、2020年に実施したクラウドファンディングで集まった資金を充てました。

この施設には今年の8月に中央アルプスからライチョウ1家族を連れてくる予定で今後、同じ事業に取り組む長野県の動物園と協力してペアをつくり、繁殖させたいとしています。