25年前、ハワイでの挙式の際に着用したジャケットを着てステージに立つ佐藤

 1975年結成のロックンロールバンド「COOLS(クールス)」。岩城滉一、舘ひろし、クレイジーケンバンドの横山剣らが在籍し、“黒革ジャンパー&ジーンズ” のバイカーファッションで世の中を席巻。全国の不良たちが憧れた、伝説的バンドである。

 4月4日、そのCOOLSのリーダー・佐藤秀光(70)の古希を祝うバースデイライブが、東京・原宿で開催された。北海道から沖縄まで、各地から駆けつけた往年のファンたち。70歳とは思えない圧巻のパフォーマンスに、会場は凄まじい熱気に包まれた。

 2バンドの演奏の後、佐藤が満を持して “主役” として登場。まとった純白のジャケットは、ハワイでの結婚式の際にも着用した、思い出の衣装だ。佐藤はこの日、何度もステージに立ち、妻の香さんもバックコーラスで参加した。

 お祝いに駆けつけたゲストシンガー・大倉弘也(41)は、COOLSとキャロルの曲を披露。COOLSのデビュー曲『紫のハイウェイ』は、大倉の父の故・ジョニー大倉氏が在籍した、キャロルの矢沢永吉が贈った楽曲である。

 そして、佐藤のステージに、メインゲストとしてCOOLSのボーカル・村山一海(70)が加わると、会場のテンションは最高潮に。佐藤の激しいドラム、村山のパワフルな歌声と華麗なステップは、40年以上前から少しも色褪せない様子を見せた。

 佐藤と村山のトークでは「5年後のCOOLS50周年までやるぞ!!」と力強いメッセージもあり、ファンは大興奮。1万円札の “おひねり” が飛び交うなど、大盛況のうちに佐藤のバースデイライブは幕を閉じた。ライブ終了後、本誌の取材に応じた佐藤は情熱的に語った。

「白いジャケットは、25年前、ハワイの挙式で着たやつでな。式の日の朝、ホテルのベランダから2羽の白いハトが飛んでいるのが見えたんだ。そうしたら、そのハトが部屋の中に入ってきたんだよ! そのときの、縁起のいいジャケットなんだ。

 俺は、いろいろな幸運と奇跡に支えられてきた。バイクでの大事故を何度も経験したけど、70歳になっても、こうして元気でいられるからな。自分でも、“奇跡を呼ぶ男” だと思っている。コロナで社会が変わろうが、バンド結成何十周年になろうが、倒れるまでやるよ。俺の辞書に、『引退』の文字はないんだ」

 バースデイライブでは、服役中の田代まさし(64)から「マカロン」のプレゼントと、手紙が読み上げられる “サプライズ” もあった。田代が「兄貴」と呼ぶ佐藤は、「後見人」として支援を続けている、彼の “大恩人” だ。

「暖かくなって、黄砂も花粉も終わったから、面会に行きたいよ。また向かい合って話すのを楽しみにしてる。田代が出所したら、コンビを組んで『M-1』に出ようかな(笑)。また一緒にステージの上で、歌って、踊って、楽しく演ろう!!」

 田代にエールを送る佐藤秀光の目は、爛々と輝いていた。

写真・F-Pro HAGI