2016年、宇都宮市の国道で女性5人が死傷した事故を巡る差し戻し審の裁判員裁判の判決公判が22日、宇都宮地方裁判所で開かれ、運転手だった被告の女に懲役5年の判決が言い渡されました。

危険運転致死傷の罪と予備的訴因として過失運転致死傷の罪に問われたのは、福島県会津若松市の無職中村 舜希被告29歳です。

判決などによりますと、中村被告は2016年6月の夜宇都宮市徳次郎町の制限速度50キロの国道119号で、時速およそ91キロないし97キロで乗用車を運転し、車両をガードパイプに衝突させ、前転させるなどの事故を起こしたとされています。

この事故で、一緒に乗っていた女性2人が死亡したほか、中村被告を含め3人がけがをしました。

22日の裁判で岡田 健彦裁判長は「車両の速度が制御困難な高速度ではなく故意も認められない」と危険険運転致死傷罪は成立しないとしました。

一方で「道路状況に応じて操作をしなかった過失がある」とし過失運転致死傷罪が成立するとしました。

その上で、「2人の尊い命が失われた結果は重く無謀な運転で悪質、厳しい非難は免れない」と懲役5年の判決を言い渡しました。