なにやら難しそうなイメージがある「みそづくり」ですがじつは季節を問わずに、とても手軽につくれるもの。少量ずつ仕込むので、おいしく食べきれて、毎日のみそ汁づくりも、ぐんと楽しくなるはずです!


ポリ袋でみそづくり

ポリ袋で簡単&手軽手づくりみそをつくろう!



「かつてみそづくりは『寒仕込み』といって、秋に収穫した大豆と米を使い、冬の寒い時期に1年分の大量のみそを仕込むのが一般的でした。けれど今は年じゅう米麹が手に入るので、好きなときに少量ずつつくる方が暮らしに合っていると思います」と話すのは、大きなオケなどを使わなくても、ポリ袋で十分おいしいみそをつくれる方法を考案した荻野恭子さん。


●つくりやすい量を仕込んでフレッシュな味を楽しんで


材料を自分の目で選べるので安心だし、米麹の量を加減すれば、味も自分好みに仕上げられます。ポリ袋なら、こまめにもんで混ぜやすく、空気の入れ換えもしやすいのでカビも生えにくく、管理しやすいのもポイント。
「麹と塩を混ぜたり、ゆでた大豆をつぶしたりする作業は、子どものお手伝いにうってつけ。冬は家で過ごす時間が長くなるので、ぜひおうち時間の楽しみのひとつに、このみそづくりを加えてみてください」



<荻野さん流ポリ袋みそのメリット>
・少量だからつくりやすい
・材料は3つだけ
・好みの味がつくれる




【材料(つくりやすい分量・でき上がり約1kg)】

・大豆(乾燥) 250g

・粗塩 125g

・米麹(乾燥) 250g

【つくり方】

(1) 鍋に大豆と水を入れる


鍋に大豆とかぶるくらいのたっぷりの水を注ぐ。

※大豆はひと晩ほど水につけておくと、ゆで時間が30分ほど短くなる。

(2) 大豆をゆでる


(1)を強火にかけ、煮立ったら弱めの中火にして約3時間ゆでる。ゆで上がりの目安は、指で押すとつぶれるくらいのやわらかさ。途中、水が少なくなったら、水適量をたす。ゆで汁を1カップ取りおき、湯をきる。

※アクはサポニンという有効成分なので、取り除かなくてもよい。

(3) 熱いうちに大豆をつぶす


(2)が手で触れられるくらいの熱さになったら耐熱性のポリ袋に入れ、袋の上からめん棒で軽くたたいて大豆をつぶす。


※ポリ袋は必ず食品用の耐熱袋を使用。大豆は冷めるとつぶれにくくなるので、熱いうちにつぶして。また、めん棒で強くたたくと袋が破れることもあるので、不安だったら袋を二重に。

(4) 米麹と塩を混ぜる


ボウルに米麹を入れて手でほぐし、塩を加える。塩が全体に行き渡るようにざっくり混ぜる。

(5) 大豆に加えて混ぜる


(3)に(4)を加え、袋の上からもんでよく混ぜ合わせる。(2)でとっておいたゆで汁を少しずつ加える。途中、袋の上からもんで混ぜ、もったりとまとまるまで加減しながら加える。

(6) 寝かせて発酵させる


ポリ袋の空気を抜きながら丸くまとめ、袋の口をとじる。日の当たらない涼しい場所に置き、発酵させる。1週間に1度、袋の口をあけて空気を入れ、袋の上から上下を返すようにもんで混ぜる(天地返し)。もみ終わったら、再び口をとじ、元の場所に置く。食べ頃になったら保存容器に移して冷蔵庫へ。


※発酵してポリ袋がパンパンに膨らむことが。その場合は、袋の口をあけて空気を入れ、天地返しをし、再び空気を抜いて袋の口をとじるとよい。

【手前みそのひとくちメモ】



・大豆、米麹、粗塩は、1:1:0.5。
この割合を基準にすれば、つくりたい分量でつくれる。

・米麹の量を増やすと甘みそに、減らすと辛みそになる。

・塩は減塩すると保存が利かなくなるので、割合を守って。

・食べ頃/冬は5か月後、夏は2〜3か月後ぐらいから

・保存方法/保存容器に移し、冷蔵庫で約1年保存可能。

<撮影/山田耕司 取材・文/ESSE編集部>

●教えてくれた人
【荻野恭子さん】



料理教室「サロン・ド・キュイジーヌ」を主宰。料理研究家としてテレビ、雑誌、書籍などで幅広く活躍。海外の食文化研究のために訪れた国は、65か国以上。著書『ビーツ、私のふだん料理
』(扶桑社刊)も好評発売中。