2021年に大ブレイクなるか!注目の若手男子テニス選手5人
ドミニク・ティーム(オーストリア)が「全米オープン」でグランドスラム22大会ぶりの新王者に輝き、「Nitto ATPファイナルズ」ではダニール・メドベージェフ(ロシア)が初優勝するなど、世代交代がまた一歩進んだ2020年の男子テニス界。その一方で更に若い選手たちの台頭の気配も感じた一年だった。2021年にトップ100入りを目論む、有望な若手選手5人を米テニスメディアのBaselineが紹介している。
■カルロス・アルカラス(スペイン)
ラファエル・ナダル(スペイン)が今なお歴史を作り続けているが、次のスペインテニスを支えていく存在として期待されているのが、現在17歳で世界141位のアルカラスだ。彼は今年2月に当時16歳・世界406位で出場した「ATP500 リオデジャネイロ」の本戦1回戦で、同郷のアルベルト・ラモス ビノラス(スペイン)を7-6(2)、4-6、7-6(2)で撃破。世界のテニスファンを驚かせた。
更にツアー再開後は、約2ヶ月の間にチャレンジャー大会で3度の優勝を飾った。17歳5ヶ月でのチャレンジャー大会3タイトルは、リシャール・ガスケ(フランス)に次ぐ2番目の若さだ。
■ブランドン・ナカシマ(アメリカ)
ナカシマは現在19歳で世界166位。ATPツアーレベルのデビュー戦となった「ATP250 デルレイビーチ」では、いきなりベスト8へ進出。更に「全米オープン」では1回戦をストレートで突破。2回戦でアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)に敗れたものの、1セットを奪い見せ場を作っていた。
チャレンジャー大会で対戦したフランシス・ティアフォー(アメリカ)は、「ナカシマには気をつけた方がいい。彼は特別だよ。プレーも、テニスへの姿勢もいいね。素晴らしいバックハンド、良いサーブを持っているし、冷静だ。間違いなく僕は彼のファンだね」と語っている。
その彼は先月、年内最後のチャレンジャー大会で初優勝。2021年の飛躍に向けて上り調子だ。
■セバスチャン・コルダ(アメリカ)
ツアーレベル通算0勝3敗から、「全仏オープン」でいきなりベスト16へ進出したコルダもアメリカ期待の若手。「全仏オープン」で憧れのナダルとも対戦し自信を得た彼は、それまで2度チャレンジャー大会の決勝で苦杯を喫していたが、先月遂に初優勝を飾った。現在20歳で世界118位とトップ100を捉えつつある。
また彼は、元世界2位で1998年の「全豪オープン」を制したペトル・コルダ(チェコ)を父に持つ。
■ジェフリー ジョン・ウルフ(アメリカ)
現在21歳で世界127位のウルフも2021年にトップ100入りを狙う若手。今年の2度を含む4度チャレンジャー大会で優勝しており、「全米オープン」では3回戦へ進出した。豊富な運動量とパワフルなショットが持ち味で、特に室内ハードコートを得意としている。
■ロレンツォ・ムゼッティ(イタリア)
現在18歳で世界128位のムゼッティを、同メディアはこのリストの中でも最も才能溢れる選手だと称賛。彼は昨年までATPツアー本戦出場がなく、チャレンジャー大会でも優勝はなかった。しかし当時世界249位で出場した「ATP1000 ローマ」で予選を突破すると、本戦1回戦ではスタン・ワウリンカ(スイス)を、2回戦では錦織圭(日本/日清食品)を破り、イタリアのテニスファンを沸かせた。
彼はその翌週にもイタリア・フォルリでのチャレンジャー大会に出場。すると好調を維持してトップ100選手を4人撃破し、遂にチャレンジャー大会初優勝を飾った。更に快進撃は続き、10月の「ATP250 サルデーニャ」ではベスト4へ進出。美しい片手バックハンドを武器に、来年は更なる飛躍を目指している。
(テニスデイリー編集部)
※写真は「ATP1000 ローマ」でのムゼッティ
(Photo by Riccardo Antimiani - Pool/Getty Images)