木造建築の匠 無形遺産へ 日光の社寺の漆塗・彩色も
ユネスコ、国連教育科学文化機関の無形文化遺産に日本の宮大工や左官職人らに伝わる「伝統建築工匠(こうしょう)の技、木造建築物を受け継ぐための伝統技術」が登録される見通しとなりました。対象は17分野の技術で日光の文化財を守る保存会も含まれています。
文化庁は17日、ユネスコの評価機関が伝統建築工匠の技を無形文化遺産に登録するよう勧告したと発表しました。
伝統建築工匠の技は木工や左官、瓦屋根やかやぶきなど17の分野に分かれていて、すべて国の「選定保存技術」となっています。
このうち「建造物彩色」と「建造物漆塗」の分野では、日光社寺文化財保存会が技術の保存団体として認定されています。
今回の登録勧告を受けて日光社寺文化財保存会は「世界文化遺産の建造物を作り上げる技術が世界的に認められることになり、大変名誉なことであります。文化財に携わる者として誇りと信念と知識を持ち続け、後世に確実に引き継いでいきます」とコメントしています。
県内に関係するユネスコ無形文化遺産の登録は2010年に結城紬、2016年の山・鉾・屋台行事に烏山の山あげ行事と鹿沼今宮神社祭の屋台行事が登録されて以来3例目です。
来月14日から19日にオンライン開催されるユネスコ政府間委員会で正式に登録が決まる見通しです。