何も悪いことしてないのに... 警察署の詐欺防止ポスターで、カワウソがまさかのとばっちりを食ってしまう
武蔵野警察署が作成した「詐欺電話」への注意を呼び掛けるポスターに注目が集まっている。
どんなポスターか、早速実物をご覧いただこう。
カワウソが何をしたというのか......(以下、画像は武蔵野警察署広報課より)
ポスター写真には、仰向けになりながらスイーッと水面を漂うカワウソの姿が。これだけなら可愛らしい写真なのだが、添えられている文面は、
「ラッコのふりしたカワウソ」
「警察官のふりした詐欺電話」
と穏やかじゃないものとなっている。
このポスターは、武蔵野警察署(東京都武蔵野市)が掲示しているもので、警察官になりすました詐欺電話に対する注意を呼び掛ける内容となっている。この「なりすまし」の例として「ラッコのふりしたカワウソ」を挙げているようだ。カワウソはおそらく、ラッコのフリをしているわけではないとは思うが...。
2020年10月29日、漫画家の吉田戦車さんがこのポスターの写真をツイッターに投稿し、
「悪者にされてる」
と呟いたところ、
「風評被害!」
「カワウソに騙されたら110番......? w」
「カワウソカワイソス」
「ラッコのふりしたって良いよ・・カワウソ君可愛い・・・」
などと話題になった。
「フクロウ」と「ミーアキャット」バージョンも
Jタウンネット編集部は11月11日、警視庁本部広報課を通して武蔵野警察署生活安全課に取材した。
取材に応じた防犯係の担当者によれば、このポスターは同署が作成した特殊詐欺(オレオレ詐欺や還付金詐欺など)に関する啓発ポスターの1つだ。掲示を開始したのは9月1日。管内を走行するバスの車内をはじめ市役所の庁舎内や町内掲示板に掲示したり、市報や新聞の折り込みに入れたりしているという。
今回のポスターを掲示した理由について、担当者はこう話した。
「武蔵野警察署管内の特殊詐欺の発生状況は、本年に入り増加傾向にあります。このような現状において、少しでも管内の皆様にその実態を知っていただき、また被害を食い止めるためには、効果的な広報啓発活動が必要であると考えました」
こうした理由から、武蔵野警察署生活安全課防犯係(犯罪抑止対策担当)で検討を重ねて、今回の掲示に至ったとのことだ。
特殊詐欺に関する啓発ポスターは、上述した「カワウソ」の他にも「フクロウ」と「ミーアキャット」をモデルにしたものもあるという。
とんだ「サギ」違いだ
動物界でも特殊詐欺が横行している......のか?
それにしても、なぜ詐欺のポスターに動物の写真を使っているのだろうか?
筆者の質問に武蔵野警察署の担当者は、
「特殊詐欺防止のために、管内の皆様に少しでも関心を持っていただき、親しみを持ってもらえると考えてのことです。井の頭自然文化園から当初、『カワウソ』『フクロウ』『ミーアキャット』の3葉の動物写真を提供いただき、犯罪抑止対策担当者がそれぞれの動物の名前や出で立ちにヒントを得てキャッチコピーを作成しました」
と話した。井の頭自然文化園は武蔵野市内にある動物園で、ポスター制作に協力をしてもらったのだそう。
たしかに、どれも一度見たらなかなか忘れられそうにないインパクトあるデザインだ。モデルとなった動物たち...特にウソつき扱いされてしまったカワウソには申し訳ないが、彼らのおかげで特殊詐欺の被害も、減るかもしれない。