韓国の7人組男性音楽グループ「BTS(防弾少年団)」の「兵役延期」をめぐる議論が浮上している。これまでもスポーツ選手などの実質兵役免除が実現しているが、文在寅(ムン・ジェイン)政権が人気取りのために法改正に踏み切れば、若者たちの怒りを買うことも間違いなさそうだ。

 BTSは、米ビルボードのシングルチャートで新曲「Dynamite」が1位を獲得した。文大統領はツイッターで「K−POPのプライドを高める快挙」などと大絶賛しているという状況だ。

 聯合ニュース(日本語電子版)は、与党「共に民主党」の田溶冀(チョン・ヨンギ)議員が、BTSのような国家に貢献した芸能分野におけるアーティストに関して、兵役時期を遅らせるなどの内容を盛り込んだ兵役法改正案を代表発議したと報じた。

 田氏は「兵役延期は免除や特例とは全く異なるもの」とした上で、20代で人気を得る活動を行う職種の入隊時期を延期できる選択肢が与えられなければならないと話したという。

 韓国の兵役制度では、男性は20〜28歳までに18〜21カ月間入隊する義務がある。BTSのメンバー、JIN(ジン)は12月に28歳を迎え、入隊すれば活動に影響が出ることは間違いない。最年少のJUNGKOOK(ジョングク)は23歳で、入隊時期によっては長期間に渡って活動が制限される可能性もある。

 青瓦台(大統領府)のホームページには、文大統領にBTSの兵役免除を求める請願が提出され、15日午前までに約1700人が賛同している。

 現行の兵役法では、五輪3位以上の入賞者や国際芸術コンクール2位以上の入賞者は4週間の基礎軍事訓練を受けた後、民間で活動を続けられる。BTSのような大衆芸能分野は、客観的な基準が足りないなどの理由で事実上の兵役免除措置が認められていない。

 過去の例では、サッカー韓国代表で英プレミアリーグ、トットナム所属のFW孫興民(ソン・フンミン、28)は、2018年のアジアカップで優勝し、今年5月に約3週間の軍事訓練を受けた。韓流ドラマ「冬のソナタ」で主演を務めた俳優のペ・ヨンジュン(48)は視力の低下を理由に、俳優のチャン・ドンゴン(48)も持病を理由に兵役を免れた。

 ジャーナリストの室谷克実氏は「例外扱いが大好きな文政権は、人気のあるBTSのために兵役法を改正し、政権の支持を得たいのだろう。若い男性から批判を受けることは間違いないが、お構いなしだ。高級公務員の息子たちは何らかの理由で兵役を逃れており、そもそも兵役制度がザルといえる」と指摘した。