皆さまは普段料理本を見ながらお料理をすることがありますか?材料を一つ一つ確認して下ごしらえと手順を覚えてとなかなか大変な作業ですよね。その中でも『塩小さじ1』と書いてあるものをよく見かけると思います。

この「塩小さじ1」はどのくらいかはっきりとわかりますか?塩分はどのくらい?一つまみとの違いは?など今日は「塩の小さじ1」に関することをご紹介します。


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■塩を小さじで量る

・小さじとは


そもそも小さじとは何なのでしょうか、小さじとは物を量るために昔から用いられている道具で、今風にいうと『計量スプーン』のことです。

「さじ加減」などといわれるように正しく測定する必要から生まれた言葉ですね。大さじに比べて微妙な味の組み立てができるので料理の世界では多用されています。

・小さじで調味料を量る方法



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液体状のものをはかるか、粉状のものをはかるかで使い方が若干変わってきます。液体状のものは小さじの限界まで盛ってはかるのですが、必ずこぼれるので下に受け皿を置いておきましょう。また、おしょうゆなど注ぐものの受け口が広い場合、勢いよく出るため注意してくださいね。

・『塩小さじ1』は何グラム?


『塩小さじ1』は6gです。ところが、小さじ1は全て6gというわけではないのです。これにはからくりがあって、gというのは重さの単位なのですが調味料は容量で決めるのでmlで表記するほうが正確なのです。

ところが重さを容量に直すときに比重の違いが生じて数字が変わってしまうのです。たとえばグラニュー糖の小さじ1は3gとなってしまうのでだいぶ違いますね、間違えないように覚えておくと良いでしょう。

・塩の種類で異なる



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塩の場合はさらに複雑で、種類によって小さじ1のグラム数が変わってきます。皆さんは普段どのような塩をお使いですか?食塩や精製塩、岩塩など種類が多い塩ですが2種類に大別できます。

さらさらタイプの塩は小さじ1で約6g、しっとりタイプは小さじ1で約5gとします。

・『塩大さじ1』は何グラム?


『塩大さじ1』は小さじほど複雑ではなく、『塩小さじ1』の3倍の量です。小さじ1が5gから6gだったので、大さじ1は15gから18gということになります。ただし、塩で大さじ1というのはとても多いです。お漬物でもなかなか見ない分量です。塩分の取りすぎにはくれぐれもご注意ください。

■塩の『小さじ』と『少々』、『ひとつまみ』の違い

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料理の本などには、『塩小さじ1』のほかに、『塩少々』や『塩ひとつまみ』といった表現が登場します。なぜ表現方法が統一されていないのでしょう。その答えは料理本の登場した時期にあるようです。

1959年に出た料理本として「家庭料理の基礎」という本が登場し、この中で作者の沢崎梅子氏が塩を手ではかる「手ばかり」を提唱しました。この料理本は当時ヒットを飛ばし、それを受けてさまざまな料理研究家が料理本を出版していきました。その時に解釈の違いや分かりやすく表現しようとした結果、表記が分かれたようです。

・料理で使う『塩少々』の意味と量



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それでは「塩少々」とは具体的にどのくらいなのでしょうか。はっきりグラム数にすると0.3から0.6gとなります。計量スプーンでははかれないごく少量なので「塩少々」という言い方になりました。

親指と人差し指の2本でつまむとちょうどそのくらいの量が計測できますよ。当然ながら人によって指の大きさは違うので目安として覚えておきましょう。

・『ミリリットル』と『グラム』は同じ?


『ミリリットル』と『グラム』はどのように違うのでしょうか。先ほどの文をまとめると、『ミリリットル』とは容量つまり体積のことで『グラム』は重さということになります。それでは実例としてどのような違いがあるのでしょうか。

水は100mlで100gです。おそらくこれがややこしくなっている原因で、水以外は油100mlで90g、はちみつ100mlで140gと、ものによって違います。

■『塩小さじ1/3』の量り方

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塩小さじ1ってすごく微々たる量ですよね。しかし料理の世界にはさらに少ない『塩小さじ1/3』が存在します。しかも比較的多い頻度で登場するので、覚えておくと良いでしょう。

・『塩小さじ1/3』は減塩のため?


我が国日本の食生活は、伝統的に主食であるご飯を食べるためにおかずを用意するというスタイルになっています。そのため、おかずには食べやすいようにそれなりの塩分が含まれていることが多いのです。梅干しをはじめとしたお漬物や塩気のある焼き魚、佃煮に塩からとどうしても塩分過多を避けられません。

その結果、日本人の塩分摂取量が高くなり寿命を縮める結果となっています。それだけではなく塩を使う量の「当たり前」の感覚が増えていってしまったのです。しかしそれではいけないと厚生労働省をはじめ国やメディアが一丸となって立ち上がり、減塩を推進していきました。そのとき「小さじ1/3」という表記が使われはじめたのです。

・教科書的な方法



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しかし実際、どのように「塩小さじ1/3」をはかればいいのでしょうか。まずは小さじ1をすくい取り、そこに3等分の線を入れて分けて完成となっています。きわめて単純であまり難しい方法ではないですが、少々面倒ですよね。

一度覚えたらもう目測で大丈夫!ということにもなりません。やはり目だけではかろうとすると多少のずれが出てきてしまい、時には料理の味が変わってしまうことになりかねませんので、適当にというのはやめておきましょう。

・まずは小さじ1/2にする


もう少し簡単に考えてみましょう。最初に小さじ1/2を作ってのこりの1/4を捨てるという方法です。この方法なら3/8残る計算になり、ほぼ小さじ1/3ということです。小さじ1/3というのは絶妙に繊細な量なので、ここまでするのはちょっと…と思った方もいるかもしれません。しかしさらに手軽に家庭でできる手段がまだあるのでぜひ試してみてください。

■小さじ無しで塩をはかる方法

・『ひとつまみ』を利用する



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「ひとつまみ」とはその名の通り指2本ないし3本で塩をつまむ方法です。親指と人差し指の2本で軽くつまむと、0.5g前後、親指と人差し指と中指の3本でつまむと1g前後です。

もちろんこの方法は指の大きさで多少ぶれる可能性があるので、微調整することを心がけると良いでしょう。

・ペットボトルのふたを利用する



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計量スプーンが無いし、ひとつまみは不安という方にちょっとした小技をご紹介します。それはペットボトルのふたを利用するという方法です。実はペットボトルのふたは規格で決められており全て同じ7.5mlとなっているのです。小さじ1はペットボトルのふた2/3、大さじ1はペットボトルのふた2杯分で覚えておくと良いですよ。

■小さじを使ったいろいろな塩の量り方
ところで「塩」とはどの塩を指すのでしょう。料理の本などに乗っている「塩」とは基本的に精製塩のことを指します。確かに精製塩は家庭に常備している方が多いのではないでしょうか。しかし現実は精製塩だけではなくさまざまな塩が存在しているのはご承知の通りです。それらを使うと少し違いが出てくるのでご紹介します。

・『粗塩』は小さじで量りやすい



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粗塩は海水を濃縮して作ったもので、いわば精製塩の前段階です。しかしながら精製塩よりミネラル分に富み、栄養価は高いのです。さらさらした精製塩とは違って少し粒が残っていて、小さじ1の重さが他の塩より若干軽いという特徴があるため、はかりやすい塩といえるでしょう。

・塩のカロリーはどのくらい?



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塩といえばナトリウム、誰でも連想するワードですよね。しかしなかなか塩のカロリーに注目してる人はいないと思いませんか?それもそのはず、塩にカロリーはありません。いくらカロリーがないとはいえ塩です。多用するのは避けてくださいね。

・おにぎりのおいしい塩の量



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おいしいお米で炊き立てご飯、塩むすびにしてピクニックなんてすてきですね。おにぎりにつけるお塩の量ってどのくらいつけるのがおいしいのでしょうか。一般的におにぎりがおいしいといわれているのは0.5%濃度となっています。もし100gのおにぎりを作るとすると塩は0.5gということです。指2本のひとつまみぐらいの量です。ぜひ試してみてください。

・塩おにぎりの作り方



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ご飯を握って塩を振って終わりではありません。塩の付け方だけでも、コメを炊くときに塩水で炊く方法、出来上がったご飯に塩を加えてから混ぜる方法、握ってから振り入れる方法の3種類もあるのです。

握り方にも3種類あり、手で握る、型に詰める、お椀に入れて振ってから形を整えるという方法があります。どれが一番おいしいかは個人差があると思いますので、ぜひ実際に試してみてくださいね。

■塩以外の調味料を小さじで量る

当然ながら小さじとは、塩だけでなく他の調味料をはかるためにも使われます。その他の調味料もはかって入れる癖をつけましょう。粉状のものをはかるときは計量スプーンにめいっぱい乗せた後で水平にすりきります。液体状のものをはかるときはこぼれるぎりぎりまで注ぎましょう。

・しょうゆ



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しょうゆの小さじ1は6gです。しょうゆにはいくつかの種類があり、濃い口しょうゆ、薄口しょうゆ、減塩醤油などが主だったものですが、なんとそれぞれ塩分が違います。各しょうゆの小さじ1の塩分は0.9、1.0、0.5となっていて薄口しょうゆの方が塩分が高くなっているのです。

大根おろしに使ったり玉子焼きに使ったりといろんな料理に大活躍の調味料ですが、体のことを考えて一度に使う量は多くても小さじ2までにしましょう。カロリーには差異は見られず3kcal程度となっています。空気に触れたり直射日光に当たると弱いため、保存には気を配ってくださいね。

・砂糖



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砂糖の小さじ1は4gです。コーヒーに入れたりお菓子に入れたりと何かと活躍してくれる甘みの代表格ですが、実はカレーの隠し味として使うと辛みを引き出す効果があったりもします。

甘みの代表格だけあってカロリーは小さじ1で約12kcalで、塩分は検出されません。砂糖は一度のお料理で使う量が多く想定されるので入れすぎに注意しましょう。お菓子に使う例が特に顕著でクッキーだと1枚約50kcal程度入っています。1枚で小さじ4杯分ですよ。

基本的にはお料理を引き立ててくれる効果があるのでいろいろ試してみましょう。隠し味として使うときは小さじ1/2以下で使うことも多いので少し難しいですよ。

・みりん



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みりんは焼酎ともち米を糖化させて作るため低アルコールの調味料で、小さじ1は6gとなります。カロリーは小さじ1で15kcalですがみりん風調味料の場合は同量で14kcalほどです。低カロリーを目指すときはこちらを使うといいでしょう。本みりんには塩分はありませんが、みりん風調味料には小さじ1で約0.05g、発酵調味料には約0.1g入っているので忘れないようにしましょう。

使うときは醤油と同量を心がけてください。本来は食材に照りを出すために使うものですが、同時に甘みもついてしまうので入れる量には加減が必要です。意外と粘度の高い食材なので小さじで量るときはこびりつきに気を付けてくださいね。

・料理酒


料理酒の小さじ1は5gです。お酒も小さじ1で5gなので合わせて覚えておきましょう。料理酒は日本酒を原料にお酢や塩を加えて出来上がります。カロリーは小さじ1で約5kcalほどで、塩分は約0.1g入っています。

料理酒とみりんの最大の違いは糖分の有無です。料理酒には砂糖が使われていないのでカロリーが低くなっているのです。煮込み料理に使うときは甘くならないことを念頭に入れてください。砂糖を足してみても良いですよ。

・酢



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酢の小さじ1は5gです。近年、酢の健康効果が見直され話題になることが何度かありました。それほど酢の力は奥が深く、調味料というより健康飲料に数えられてもいいほどなのです。血圧抑制効果と血糖値上昇の抑制効果が非常に高いほか、肥満の予防としても期待できます。ただし、酢の効果として有名な「体が柔らかくなる」というものは誤解によるものが大きいそうです。

減塩調味料として名高いお酢ですが、実は小さじ1で0.3gほどの塩分が入っています。あまりとりすぎるということのない調味料ですが覚えておきましょう。大さじで使うと味が変わってしまう料理が多く、小さじ大活躍の調味料でしょう。焼き魚に小さじ1かけたり、から揚げに小さじ1かけて試してみてください。カロリーは25kcalほどですよ。

・油



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油の小さじ1は4gです。サラダ油やゴマ油、オリーブオイルと多種多様な油がありますがどれも同じ重さです。皆さんは普段カロリーを気にした食事をしていますか?油といえばカロリーのイメージがありますよね。油は小さじ1で約40kcalに相当します。成人男性の摂取カロリーの目安は1日2200kcal、成人女性の場合は1800kcal前後です。カロリーを気にしている人はエゴマ油やアマニ油などがおすすめです。同じカロリーでも太りにくい効果が期待できますよ。

油に塩分はありませんが油を使った料理は塩っけを感じにくいため塩分が高くなりがちです。酢との相性が良いので、減塩するためのテクニックとして、塩分にお酢を使ってみてはいかがでしょうか。

・ちょっとした小技



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調味料ってたまに切らしてしまうことがありますよね。料理を作るときに気づいて、買ってこなきゃだけど時間がないってこともあるかと思います。そんなときは代用調味料を作ってみましょう。酢が足りないときは柑橘系の果物を代わりに入れてみたり、料理酒やみりんがない時は日本酒や焼酎などを入れてみます。砂糖が足りないときにケチャップというのも、料理によってはよく合いますよ。

入れる量は本来の量より小さじ5分の1ほどを減らして入れます。こうすることで代用調味料が主張しすぎる効果を防ぐことになります。

さらに、日本酒は実はほとんどの料理の味を膨らませてくれます。和洋中の垣根も超えて使うことができるのです。煮物や焼き魚はもちろん、ハンバーグや肉団子の下味に忍ばせたり、餃子のつけだれや酢豚の仕上げにかけてみたり、ショートケーキやカステラに使うのは有名店で使っているテクニックです。日本酒ってすごいですよね。

このほかの調味料もいっぱいあるのですが代表的なものを上げてみました。小さじ1を覚えると大さじ1もわかることになり、料理がスムーズにを進みますよ。料理の世界は不思議がいっぱいで、小さじ1量が違うだけで全く印象が変わることも珍しくないのです。

■小さじ1を覚えておいしい料理を目指そう

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いかがでしたか?塩は調味料の基本でさらにすべての料理の基本となる調味料なので、はかるということはとても意義深いものとなります。

最後に昔から伝わる味付けの上達のコツを紹介させてください。「少し足りないくらいでちょうどいい」というものです。どの調味料でも当てはまることなので、一度試してみてくださいね。
(AYA)